シニアの冷え性の原因と対策|60代・高齢者が自宅でできる5つの習慣

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まちFit
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東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
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「暖かい部屋にいても手足が冷たい」「布団に入っても足先が冷えて眠れない」——冷え性は、60代・70代のシニアに多いお悩みです。厚生労働省の国民生活基礎調査では、「手足の冷え」を最も気になる症状に挙げる人の割合は、年齢を追うごとに増え、女性に多いことがわかっています。この記事では、まちFit編集部監修のもと、公的機関の情報をもとに60代・高齢者の冷え性の原因と、自宅でできる対策(運動・食事・入浴・服装)をやさしく整理します。あわせて、冷えの陰に病気が隠れている場合の受診の目安も紹介します。
シニアの冷え性とは?「低体温」とは別のもの
健康長寿ネット(長寿科学振興財団)によると、冷え性の症状は「人が寒さを感じない温度でも手足などが冷えてつらいと感じる」ということです。「必ずしも実際に体温が下がっていたり、触ると冷たいとわけではない、ということが大きなポイント」とされ、「冷え症」は「西洋医学的な診断名ではなく、おもに自覚的症状による社会通念的な病名」で、はっきりとした診断基準はありません。
60代・高齢者に多い冷え性と、あわせて出やすい不調
同じページでは、平成25年の国民生活基礎調査をもとに、「手足の冷え」が最も気になる症状であると訴える人の割合は「年齢を追うごとに増えていること、女性に多いこと」が示されています。シニアの冷え性は、年齢とともに多くの方が向き合うお悩みといえます。
また、「冷え症」では手足の冷えのほかにも、次のような症状が起こりやすくなるとされています。
- 肩こり
- 関節痛
- 不眠
- 便秘や下痢
- 膀胱炎
冷えとあわせて足のむくみが気になる方は、むくみの原因と対策を整理した次の記事も参考になります。

「低体温」は命にかかわる別の状態
冷え性とよく混同されるのが「低体温」です。低体温とは「深部体温が35度以下になること」を指し、激しい震えや意識障害、錯乱などが現れ、最終的には呼吸および心停止に至る危険な状態です。低体温では「寒さ」「手足の冷え」を感じることはなく、寒いところに長時間いる、冷たい地面で長い間横たわるなど、環境的な要因で起こることがほとんどとされています。手足の冷えを「つらい」と感じる冷え性とは、まったく別のものです。
シニアの冷え性の原因
シニアの冷え性には、加齢による体の変化、暮らしの環境、そして病気という、性質の違う原因が関わります。原因によって対策が変わるので、順に見ていきましょう。
原因1:加齢で基礎代謝が下がる
厚生労働省のe-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」では、「一般的に加齢に伴って基礎代謝量は低下します。その主な理由として筋肉などの除脂肪量の低下があげられます。」と説明されています。例えば体重70kgの男性では、基礎代謝量の推定値が20歳代の1680kcalから50歳代の1505kcalへと、1日でおよそ175kcal低くなります。
体を動かすと筋肉で熱が生まれますが、年齢とともに筋肉が減り、活動量も落ちると、体を内側から温める力は弱まりがちです。冷えて動くのがおっくうになり、さらに活動量が落ちる、という流れに入らないよう、日ごろから体を動かす習慣を持っておきたいところです。
原因2:冷暖房による温度差と自律神経
健康長寿ネットでは、特別な原因のない冷え症について、「最近は、冷暖房により室内と外気との温度差が10℃以上となることも多く、自律神経のバランスが崩れることで『冷え』を自覚する方も多いようです」と述べています。もともと日本人の体には四季の変化に順応する能力があり、冬の基礎代謝は夏より一割程度高いとされていますが、急な温度差はその調整を難しくします。
季節の変わり目は、室温と外気温の差が大きくなりやすい時期です。暖房の設定や服装で、部屋から部屋、屋内から屋外への温度差を小さくする工夫が、冷え性の対策にもつながります。
原因3:病気が隠れている冷え
冷えの中には、病気が原因になっているものもあります。健康長寿ネットでは、冷え性の原因となる病気として、次の4つを挙げています。
- 甲状腺機能低下症
- 貧血
- 膠原病(こうげんびょう)
- 閉塞性動脈硬化症
このような冷えは、生活習慣の工夫だけで様子を見るのではなく、医療機関で原因を確かめることが大切です。受診の目安は、記事の後半「こんな冷えは医療機関に相談を」でまとめています。
冷え性対策①:運動で体を内側から温める
加齢による冷え性の対策の土台になるのが、体を動かす習慣です。原因1で見たように、基礎代謝が下がる主な理由は筋肉の減少です。自宅でできる軽い運動で、熱を生む筋肉と活動量を保ちましょう。無理のない範囲で、毎日少しずつ続けることが大切です。
下半身の筋肉を動かす自宅運動
太ももやお尻など、下半身には大きな筋肉が集まっています。椅子につかまってのゆっくりしたスクワットや、座ったまま脚を上げ下げする運動は、60代・高齢者でも自宅で取り組みやすい運動です。足腰と太ももを鍛える自宅運動は、次の記事で8つ紹介しています。

ふくらはぎを動かす
かかとの上げ下げやふくらはぎのストレッチは、座ったままや台所に立ちながらでもできる下半身の運動です。テレビを見ながら、歯みがきをしながらなど、日常の動作と組み合わせると続けやすくなります。ふくらはぎのストレッチのやり方は、次の記事で紹介しています。

すすめられている運動量の目安
どのくらい体を動かせばよいか迷ったときは、公的な指針が参考になります。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート:高齢者版では、高齢者に向けて次のように推奨されています。
「強度が3メッツ以上の身体活動を週15メッツ・時以上行うことを推奨する。具体的には、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上行うことを推奨する(1日約6,000歩以上に相当)。」また、「筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を、週3日以上行うことを推奨する。」とされています。
いきなりこの量を目指す必要はありません。同じ推奨シートでは、「上記の強度、推奨値に満たなくとも、少しでも身体活動を行うことを推奨する」とも書かれています。座っている時間が長い方は、まず立ち上がる回数を増やすところから始めてみましょう。長く座り続けることの影響と対策は、次の記事で解説しています。

冷え性対策②:食事で内側から温める
毎日の食事も、冷え性の対策の柱です。健康長寿ネットでは、冷え症に対して「生活習慣や、食養生などが有効」としています。特定の食品だけに頼らず、温かい料理と、筋肉を保つ栄養を組み合わせましょう。
体を温める食品・冷やす食品
健康長寿ネットでは、「冬にとれる根菜類や北国でとれる食品には体を温め、夏にとれる野菜や南国のトロピカルフルーツは体を冷やします」として、次のような食品を挙げています(一部抜粋)。
- 体を温める食品:カボチャ、かぶ、ゴボウ、たまねぎ(野菜・根菜類)/生姜、ねぎ、にんにく、しそ(香味)
- 体を冷やす食品:とまと、きゅうり、ナス、レタス(野菜・根菜類)/そば、小麦(穀物)
冷やす食品を食べてはいけないわけではありません。冷えが気になる時期は、根菜や香味野菜を汁物や煮込み料理に加えて、温かい一品を増やすところから始めてみましょう。
筋肉の材料になるたんぱく質
熱を生む筋肉を保つには、その材料になるたんぱく質が欠かせません。肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などを、三食に分けてとるのがおすすめです。1日の目安や、食が細くなったときのとり方は、次の記事にまとめています。

水分は控えすぎない
冷えを気にして水分を控えすぎるのは避けましょう。冷たい飲み物を一気にとるより、白湯や温かいお茶などでこまめに補うのがおすすめです。60代からの1日の水分補給の目安は、次の記事で紹介しています。

冷え性対策③:入浴・服装・睡眠を整える
運動と食事に加えて、入浴・服装・睡眠の工夫でも、冷え性の対策はできます。どれも自宅で今日から始められることばかりです。
38〜40℃のぬるめのお湯で、ゆっくり温まる
健康長寿ネットでは、入浴について「高い温度のお湯では末梢の血管は拡張せず、芯まで温まりません。38-40℃のぬるめのお風呂でゆっくり半身浴をするとよいでしょう」としています。熱いお湯にさっと入るより、ぬるめのお湯にゆっくりつかるのが冷え性の対策の基本です。
厚生労働省のe-ヘルスネット「快眠と生活習慣」では、40℃の湯船に10〜15分ほどつかると、深部体温は個人差はあるものの入浴後1時間ほどで0.8〜1.0℃ほど高くなり、この上昇が寝つきを良くするとされています。入浴のタイミングは「就寝1~2時間前に入浴するのがもっとも効果的」です。布団の中で足が冷えて眠れない方は、入浴の時間を見直してみましょう。
なお、冬場は脱衣所や浴室と居室の温度差が大きくなります。冬の入浴時の寒暖差への備えは、次の記事で詳しく解説しています。

服装は「頭寒足熱」、下半身に1枚多く
健康長寿ネットでは、服装について「『頭寒足熱』という四字熟語の通り、『上半身より下半身に1枚多く』を原則にします」としています。あわせて、次のような工夫が挙げられています。
- 首は冷やさないよう、夏はスカーフ、冬はマフラーなどを利用する
- 体をしめつけるものを避ける
- 温度調節ができるように重ね着をして、こまめに脱ぎ着する
- 吸湿性のよい素材を身につける
- 足先をきちんと覆う
ただし寝るときは注意が必要です。e-ヘルスネットによると、布団に入ってからの放熱は主に手足の先から行われるため、「厚手の靴下や電気毛布で手足を温めすぎると放熱が妨げられ、睡眠の質が低下することもある」とされています。寝る前は入浴で体を温めておき、寝具の中では温めすぎないのがポイントです。
生活リズムを整えて、よく眠る
原因2で見たように、冷え性には自律神経のバランスも関わります。毎日ほぼ同じ時間に起きて朝の光を浴び、日中は体を動かし、夜は入浴で温まってからゆっくり休む——このリズムを整えることも、冷え性の対策のひとつです。60代からの眠りの整え方は、次の記事で紹介しています。

こんな冷えは医療機関に相談を
冷え性の多くは生活習慣の工夫で対策できますが、原因3で見たように、なかには病気が隠れていることもあります。健康長寿ネットでは、「冷え」の症状のほかに次のような症状が同時にあれば、医療機関で相談してみるとよいとしています。
- 疲れやすい
- 冷たい風で指先が紫色や白色になる
- どちらかの足が特に冷たい
- ふくらはぎの痛みで長く歩けない
また、高齢者の貧血では、動悸や息切れ、疲れやすい、倦怠感などが一般的な症状とされ、日常の動作がゆっくりなために気づかれにくいこともあります。冷えとともにこうした変化が続くときは、「体質だから」と決めつけず、かかりつけ医に相談しましょう。息切れが気になる方は、次の記事で受診の目安を整理しています。

この記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、診断や治療に代わるものではありません。
よくある質問
- 冷え性はシニアに多いのですか?
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厚生労働省の国民生活基礎調査(平成25年)をもとにした健康長寿ネットの解説では、「手足の冷え」を最も気になる症状に挙げる人の割合は、年齢を追うごとに増え、女性に多いとされています。60代・高齢者の冷え性は珍しいことではありません。
- 冷え性と低体温はどう違うのですか?
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冷え性は、人が寒さを感じない温度でも手足などが冷えてつらいと感じる状態で、実際に体温が下がっているとは限りません。低体温は深部体温が35度以下になる状態で、激しい震えや意識障害が現れ、命にかかわります。低体温では寒さや手足の冷えを感じないとされ、まったく別のものです。
- シニアの冷え性の原因は何ですか?
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主な原因には、加齢による基礎代謝の低下(主な理由は筋肉などの減少)、冷暖房による室内外の温度差で自律神経のバランスが崩れること、そして甲状腺機能低下症・貧血・膠原病・閉塞性動脈硬化症などの病気があります。病気が疑われる冷えは、医療機関で原因を確かめましょう。
- お風呂は何度くらいがよいですか?
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健康長寿ネットでは、高い温度のお湯では末梢の血管が拡張せず芯まで温まらないため、38〜40℃のぬるめのお風呂でゆっくり半身浴をするとよいとしています。e-ヘルスネットでは、就寝1〜2時間前の入浴がもっとも効果的とされています。
- 寝るときに靴下をはいてもよいですか?
-
e-ヘルスネットによると、布団に入ってからの放熱は主に手足の先から行われるため、厚手の靴下や電気毛布で手足を温めすぎると放熱が妨げられ、睡眠の質が低下することもあるとされています。寝る前に入浴で温まり、寝具の中では温めすぎないようにしましょう。
- 病院を受診したほうがよい冷えはありますか?
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冷えのほかに、疲れやすい、冷たい風で指先が紫色や白色になる、どちらかの足が特に冷たい、ふくらはぎの痛みで長く歩けない、といった症状が同時にあれば、医療機関で相談してみるとよいとされています。気になる変化が続くときは、かかりつけ医にご相談ください。
参考にした主なデータ・指針
- 健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)「低体温」(冷え性の症状の定義、国民生活基礎調査による年代・性別の傾向、冷え症で起こりやすい症状、低体温との違い、冷え性の原因となる4つの病気と受診の目安、室内外の温度差と自律神経、体を温める食品・冷やす食品、服装、38-40℃の入浴を引用)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」(加齢に伴う基礎代謝量の低下と、その主な理由が筋肉などの除脂肪量の低下であること、体重70kgの男性の基礎代謝量の推定値を引用)
- 厚生労働省『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』推奨シート:高齢者版(強度が3メッツ以上の身体活動を週15メッツ・時以上、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上に相当)、筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を週3日以上、推奨値に満たなくとも少しでも身体活動を行うことを推奨、という推奨事項を引用)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」(40℃の湯船に10〜15分ほどの入浴で深部体温が入浴後1時間ほどで0.8〜1.0℃高くなること、就寝1〜2時間前の入浴がもっとも効果的であること、手足を温めすぎると放熱が妨げられることを引用)
- 健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)「貧血」(高齢者の貧血の一般的な症状(動悸や息切れ、疲れやすい、倦怠感など)と、症状に気づきにくいことを参照)
まとめ|シニアの冷え性は原因を知って、自宅でできる対策から
シニア・高齢者の冷え性は、加齢による基礎代謝の低下や、冷暖房による温度差と自律神経の乱れが重なって起こりやすくなります。一方で、甲状腺機能低下症や貧血、閉塞性動脈硬化症などの病気が隠れていることもあります。原因を知ったうえで、自宅でできる運動・食事・入浴・服装の対策を少しずつ続けていきましょう。
今日から始める冷え性対策、5つの習慣:
- かかとの上げ下げなど、下半身を動かす軽い運動を毎日少しずつ
- 根菜や香味野菜を使った温かい一品と、たんぱく質を意識した食事
- 38〜40℃のぬるめのお湯に、就寝1〜2時間前にゆっくりつかる
- 「頭寒足熱」で下半身に1枚多く。寝るときは温めすぎない
- 指先の色の変化や、片足だけの冷えがあれば医療機関へ
無理なく続けられる運動習慣で、冷えにくい体づくりを
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