シニアの口臭の原因と対策|60代・高齢者が自宅でできる口のケア

朝の明るい洗面所で、鏡を見ながら歯ブラシを手にほほえむ60代女性(シニアの口臭対策と毎日の口のケアのイメージ)

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まちFit
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東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
60〜80代の会員様と日々向き合う中で得た現場知識をもとに、無理なく続けられる健康習慣を発信しています。

「朝起きたときの口のにおいが気になる」「人と話すとき、口臭がしていないか心配」「親の口のにおいが前より強くなった気がする」――口臭の悩みは、ご本人にもご家族にも打ち明けにくいものです。年齢のせいだとあきらめている方もいるかもしれません。

実は、口臭の大部分は口の中に原因があり、年齢そのものより、舌の汚れ(舌苔)や歯周病、薬などによる口の渇き、入れ歯の汚れといった、手を打てる原因が中心です。この記事では、60代・高齢者の口臭の原因と対策、自宅でできる口のケア、歯科や医療機関に相談したい目安を、厚生労働省のe-ヘルスネットと歯科疾患実態調査、MSDマニュアル家庭版、国立がん研究センター、長寿科学振興財団(健康長寿ネット)の情報をもとに、まちFit編集部監修のもとで整理しました。最初に、早めに受診したいサインから確認します。

目次

先に確認|口臭とあわせてこんな様子があれば早めに受診を

口臭の多くは毎日のケアでやわらげられますが、口臭の陰に治療が必要な病気がかくれていることもあります。次のような様子があるときは、セルフケアより先に受診を考えましょう。

熱がある・膿のようなたんや鼻水が出るときは、すぐに医師へ

MSDマニュアル家庭版「口臭」は、口臭とあわせて注意したい徴候として、発熱、膿でいっぱいのたんまたは鼻水、口の中の目に見えるまたは触れられる異常な個所を挙げています。そして「発熱や膿性のたんまたは鼻水がみられる人や、異物を吸入した可能性のある人は、直ちに医師の診察を受ける必要があります。」としています。肺や副鼻腔(鼻の奥の空洞)の感染症が、口臭の原因になっていることがあるためです。

なかなか治らない口内炎やしこりがあれば、数日以内に歯科へ

同じくMSDマニュアル家庭版「口臭」は「自分の口の中に異常な個所を発見した人は、数日以内に歯科医師の診察を受ける必要があります。」としています。高齢者で気をつけたいのが口腔がんです。同マニュアルは、高齢者の口臭の原因として口腔がんを挙げ、加齢に伴ってみられる頻度が増えるとしています。

国立がん研究センター「がん情報サービス」は、口腔がんの症状として次のようなものを挙げています。

  • がんができた粘膜の色が赤くなったり、白く変色したり、形が変わったりする
  • 口の中にしこりができる
  • 口内炎がなかなか治らない
  • 歯ぐきにできた場合、歯がぐらついたり、入れ歯が合わなくなってきたりする

同センターは、口の中に違和感があるときは鏡で口の中を確認し、気になる症状があれば耳鼻咽喉科や歯科口腔外科などを早めに受診することが大切だとしています。

においの「種類」がいつもと違うとき

MSDマニュアル家庭版「口臭」は、特定の病気によって息から独特のにおいがすることがあるとして、肝不全ではカビ臭く甘ったるいにおい、腎不全では尿やアンモニアのようなにおい、重度でコントロール不良の糖尿病ではマニキュアの除光液(アセトン)のようなにおいを挙げています。ただし同マニュアルは、こうしたにおいは一般的には弱く、口臭とはみなされないとしています。e-ヘルスネット「口臭の原因・実態」も、全身の病気の兆候として現れる呼気経由の口臭は「極めて限定的と考えて良いと思われます」としています。

口臭だけで重い病気を心配しすぎる必要はありませんが、口臭のほかに体調の変化がある、持病の治療中で体調が変わってきた、というときは、かかりつけの医師に相談しましょう。

口臭とは|においのもとと「年齢」との関係

対策を考える前に、口臭がどこで、どのように生まれるのかを知っておきましょう。原因がわかると、何を続ければよいかがはっきりします。

口臭の大部分は口の中で生まれる

e-ヘルスネット「口臭の原因・実態」は「口臭の大部分は口の中に原因があり、その多くは舌苔(ぜったい)と歯周病です。」と説明しています。口臭は「口あるいは鼻を通して出てくる気体のうち、社会的容認限度を超える悪臭」と定義され、ニンニクやネギ、飲酒後のアルコールのにおいなど、ふつうの生活で生じるにおいは「口臭」に含めないようだとしています。

においのもとは、揮発性硫黄化合物(VSC)と呼ばれる物質です。口の中にすむ嫌気性菌という細菌が、唾液・血液・はがれた粘膜の細胞・食べかすに含まれる成分を分解することでつくられます。e-ヘルスネット「口臭の治療・予防」は、口臭の原因は「87%が口の中にあることが明らかにされています」としています。

年をとると口臭が強くなる? 年齢そのものより「舌苔」と「歯周病」

「年をとったから口臭が出る」と思われがちですが、e-ヘルスネット「口臭の原因・実態」が紹介している日本人2,672名(18歳~64歳)の調査(65歳以上は含まれていません)では、「年齢が高いほどVSC濃度は高い傾向にあるが、VSC産生に寄与する他の要因の影響を排除すると年齢は有意でなくなる。」と報告されています。同じ調査では「口臭と関連するのは舌苔と歯周病の存在であり、その強さは舌苔の方が歯周病より大きい。」とされています。

MSDマニュアル家庭版「口臭」も、高齢者での重要事項として「高齢者は口腔乾燥を引き起こす薬剤を使用している可能性が高く、それにより口の衛生状態を保つのが難しくなるため口臭が生じます。」とし、もう一つの原因として口腔がんを挙げたうえで、「これら以外の理由で、高齢者で口臭が生じる可能性が高まることはありません。」としています。つまり、シニアの口臭は年齢のせいとあきらめず、原因を確かめて手を打てるものです。

自分の口臭は、自分ではわかりにくい

e-ヘルスネット「口臭の原因・実態」は、口臭のように鼻のまわりでいつも発生するにおいは、嗅覚疲労(順応)という体の反応のために自分では評価しにくいと説明しています。前述の調査でも「口臭の自己評価と実際の口臭の有無とは相関しない。」とされ、社会的容認限度を超える強さの口臭を持つ成人は、測定する時間帯によって6%~23%いたと報告されています。

厚生労働省の令和6年歯科疾患実態調査では、歯や口の状態について「口臭がある」と回答した人の割合は、全体で5.5%でした。年齢別に見ると50~54歳の9.5%が最も高く、60代・70代は次のとおりです(自分で答えた結果で、実際に口臭を測定したものではありません)。

  • 60~64歳:5.9%
  • 65~69歳:7.8%
  • 70~74歳:6.2%
  • 75~79歳:5.3%
  • 80~84歳:4.2%
  • 85歳以上:2.3%

自分では気づきにくい一方で、気にしすぎてしまう人もいる――これが口臭の悩みの難しいところです。この記事の後半で、ご家族からの指摘や、においが気になって仕方がないときの考え方も紹介します。

「生理的口臭」と「病的口臭」

e-ヘルスネット「口臭の治療・予防」は、口臭を、健康な人でも起こる生理的口臭と、何らかの病気が原因の病的口臭に分けています。生理的口臭は、起床時や絶食時に舌苔が多くなる傾向があり、口臭の一日の変動リズムも食事のリズムとよく対応しているとしています。e-ヘルスネット「口臭の原因・実態」も、食事やうがいなど口を動かしてから時間がたつほどVSC濃度が高いと報告しています。

e-ヘルスネット「口臭の原因・実態」は、ある大学病院で口臭の検査・診断・治療を求めて来院した約1,000名のうち、約1/3が口の中の清掃状態がよくないことに伴う口臭(生理的口臭)、1/3が口の中の病気(歯周病)による口臭、1%強が代謝性疾患・耳鼻咽喉系疾患・呼吸器系疾患などによる呼気由来の口臭で、残りの1/3は治療の必要な口臭が認められなかったという病院統計も紹介しています。

シニアの口臭の主な原因

ここからは、60代・高齢者の口臭の原因を一つずつ見ていきます。いくつかが重なっていることも少なくありません。

① 舌の汚れ(舌苔)

舌の表面につく白い苔のようなものを舌苔といいます。e-ヘルスネット「口臭の治療・予防」は「VSCは舌の上で最も多く作られます。」とし、舌苔のつき方には個人差があって、なぜ差が出るのかはよくわかっていないとしながらも、寝たきりで口から食べるのが難しい方や、健康な人でも起床時や絶食時に多くなる傾向があることから、かんだり飲み込んだりする活動、それに伴う舌の運動、唾液の分泌量と大きく関係していると考えられるとしています。

食欲が落ちて食べる量が減っているときは、口のケアとあわせて、食べられない原因にも目を向けておきましょう。高齢者の食欲不振の原因と対策は、次の記事にまとめています。

② 歯周病

e-ヘルスネット「口臭の治療・予防」は、病的口臭の代表は歯周病で、それは歯周病の原因の多くがVSCをつくる嫌気性菌であるからだとしています。そして、大きなむし歯や粘膜の潰瘍とは異なり「歯周病はほとんど痛みもなく進行していきます。」と注意をうながしています。

令和6年歯科疾患実態調査では、4mm以上の歯周ポケット(歯と歯ぐきのすき間が深くなった状態)がある人の割合は、60~64歳で59.1%、70~74歳で58.0%、80~84歳で61.6%でした。e-ヘルスネット「歯周疾患の自覚症状とセルフチェック」は、歯周病が起こりやすい方の特徴として、中年期以降の方、喫煙者、糖尿病にかかっている方、歯みがきのしかたが悪い方などを挙げています。同じページの歯周病のセルフチェックリストには、次の項目が並んでいます。

  • 朝起きたときに、口のなかがネバネバする。
  • 歯みがきのときに出血する。
  • 硬いものが噛みにくい。
  • 口臭が気になる。
  • 歯肉がときどき腫れる。
  • 歯肉が下がって、歯と歯の間にすきまができてきた。
  • 歯がグラグラする。

同ページは、このような症状があったら歯周病の可能性があり、歯科医療機関で検査を受けてみる必要があるとしています。

③ 薬などによる口の渇き(ドライマウス)

前述のとおり、MSDマニュアル家庭版「口臭」は高齢者の口臭の原因として、口腔乾燥(口の渇き)を引き起こす薬剤を挙げています。同マニュアルは、唾液の分泌量が減ると、においのもとになる細菌が過剰に増えることがあるとしています。同マニュアルは、唾液の分泌量が減る原因として、特定の薬剤のほかに一部の病気も挙げています。自己判断で薬をやめたり減らしたりせず、気になるときは医師や薬剤師に相談しましょう。

口の渇きの原因(いちばん多いのは薬の副作用)と、自宅でできる対策は、次の記事でくわしく紹介しています。

④ 入れ歯の汚れ

健康長寿ネット「義歯の取り扱い」は、義歯(入れ歯)は汚れやすく、義歯を使っている人は義歯性カンジダ症にかかりやすいとし、放置すると抵抗力の弱い高齢者の場合はカンジダ性口内炎に移行すると説明しています。健康長寿ネット「口腔ケアの具体的方法」も「入れ歯は汚れが付きやすく、微生物の温床になっています。」としています。入れ歯を使っている方は、入れ歯そのものの清掃も口臭対策の一部です(お手入れの方法は後半で紹介します)。

⑤ 食べもの・お酒・たばこ

MSDマニュアル家庭版「口臭」は、タマネギやニンニクなど特定の食べものや香辛料のにおいは、消化されたあと血流に乗って肺に入り、息として吐き出されると説明しています。ニンニクのにおいは食べてから2~3時間後にも他の人がわかることがあり、「このような臭いは、口を清潔にしても消すことはできません。」としています。

たばこについて、MSDマニュアル家庭版「口臭」は「喫煙者では非喫煙者より口臭がよくみられます。」としています。一方、e-ヘルスネット「口臭の原因・実態」が紹介している調査では、VSC濃度(においのもとの量)への喫煙の影響はほとんど見られませんでした。たばこは、煙そのもののにおいに加えて、前述のように歯周病が起こりやすい特徴の一つにも挙げられています。

⑥ 鼻・のどの病気(胃腸が原因のことはまれ)

口の中以外では、e-ヘルスネット「口臭の治療・予防」は副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)や、ごくまれに肝臓病や腎臓病などの全身の病気が原因となることがあるとしていますが、これらは口臭以外にも何らかの自覚症状が現れることがほとんどだとしています。MSDマニュアル家庭版「口臭」は、副鼻腔の感染症などではにおいが口より鼻から強いのが典型的だとしています。

「胃が悪いと口臭が出る」と考える方も多いのですが、MSDマニュアル家庭版「口臭」は、消化管の病気で口臭が出ることはまれで、「口臭が消化不良によって生じることはなく」としています。ただし、胃食道逆流症(GERD)や胃がんが口臭の原因になることもあるとしています。横になったときやかがんだときに食べたものが逆流するなどの症状があるときは、医師に相談しましょう。

自宅でできる口臭対策|毎日の口のケア

ここからは、60代・シニアの方が自宅でできる口臭対策です。e-ヘルスネット「口臭の治療・予防」は、口臭の原因はほとんどが舌苔であることから、「したがって舌の清掃による舌苔の除去が最も有効な予防法です。」としています。舌のケアを中心に、歯・歯ぐき、入れ歯、食べ方の順で見ていきます。

舌の清掃は起床時に1回、奥から手前へ軽く

e-ヘルスネット「口臭の治療・予防」は、生理的口臭の予防には、歯みがきに加えて舌を清掃して舌苔を取り除き、舌を清潔に保つことが最も効果的だとしています。舌の清掃には、毛先のやわらかい小児用の歯ブラシや目の粗いタオルなどを使ってもかまわないが、専用の舌ブラシを使うとより効果的だとして、次の手順を紹介しています。

  1. 鏡を見ながら舌を思いきり前に突き出して、舌の後方に舌苔がついていないか確認する
  2. 舌ブラシを、鏡で見える最も奥に軽くあて、手前に引く。決して力を入れすぎない(このとき息を数秒間止めながら行うと、嘔吐反射〈えずき〉が出にくくなる)
  3. 舌ブラシの先を水道の水でよく洗い、ブラシの先に汚れ(舌苔)がついてこなくなるまで、1~2をくり返す

同ページは「一日の舌清掃の回数は、起床時の一回で結構です。」とし、それ以上行うと舌の粘膜を傷つけるおそれがあること、舌に傷や潰瘍があるときは舌清掃を中止することを書いています。においが気になるからといって、何度もこすったり、力を入れたりするのは逆効果です。

歯と歯の間・歯ぐきのきわまで清掃する

MSDマニュアル家庭版「口臭」は、口臭の家庭での処置として、デンタルフロス使用の徹底、歯みがきの徹底、歯ブラシや舌ブラシでの舌の清掃の徹底を挙げています。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシも取り入れましょう。

歯ブラシの持ち方や当て方、デンタルフロス・歯間ブラシの使い方、入れ歯のお手入れなど、口腔ケアのやり方全体は、次の記事でくわしく紹介しています。

入れ歯は毎日洗い、夜は外して休ませる

健康長寿ネット「義歯の取り扱い」は、入れ歯のお手入れについて次のように説明しています。

  • 洗浄は義歯用ブラシと義歯洗浄剤の併用が理想的で、表面のぬるぬる感がなくなるまで行う
  • 義歯洗浄剤は、少なくとも1週間に2回は使う
  • 1日1回(就寝時など)、一定時間は入れ歯を外す(入れ歯の下の粘膜を休ませ、回復させるため)
  • 外した入れ歯は水や義歯洗浄剤につけて保管する(乾燥したままでは変形の原因になる)
  • 残っている歯は通常どおりしっかりみがく。特にバネがかかる歯は汚れやすいので念入りに

よくかんで、食事は規則正しく。水分もこまめに

e-ヘルスネット「口臭の治療・予防」は、口臭の一日の変動が食事のリズムとよく対応していることから、「舌清掃は朝起きてすぐに行い、食事は毎日規則正しくとり、よくかんで食べるようにしてください。」としています。食事を抜いたり、やわらかいものばかりになったりしないよう、1日3食のリズムを整えましょう。

かむ力や飲み込む力、唾液の出をよくする工夫として、パタカラ体操などの口の体操や、唾液を促す口腔体操とマッサージを次の記事で紹介しています。

口の渇きを防ぐには、水分の不足にも気をつけたいところです。高齢者の水分補給の目安量とタイミングは、次の記事にまとめています。

洗口液・口臭スプレーは「補助」と考える

e-ヘルスネット「歯みがきを助けるもの(電動歯ブラシ・歯磨剤・洗口液)」は、洗口液について、うがいをすることによって口臭予防や歯質強化、ドライマウスの症状緩和、歯面への細菌の付着抑制などが期待できるとし、歯みがき後の仕上げや、外出などで歯みがきができないとき、口臭を抑えたいときなどに使うものとしています。

一方でMSDマニュアル家庭版「口臭」は、防臭効果のある洗口液や口臭防止スプレーは多数市販されているものの有益性は限られているとし、「これらの製品のほとんどは防臭効果が20分以上持続しません。」としています。洗口液は外出前などに使う補助と考え、舌の清掃と歯・歯ぐき・入れ歯の清掃を土台にするのが基本です。

痛みがなくても、定期的に歯科でチェックを

MSDマニュアル家庭版「口臭」は、原因が口にある場合は歯科医院を受診して、専門的な口腔清掃と歯周病やむし歯の治療を受ける必要があるとしています。警戒すべき徴候がない場合でも、口臭があるときは都合のよいときに歯科医師の診察を受ける必要があるとしています。健康長寿ネット「義歯の取り扱い」は、入れ歯を使っている方に「3~6か月おきの定期歯科検診をお勧めします。」としています。歯周病は痛みなく進むことがあるので、口臭が気になったことをきっかけに、歯科で歯と歯ぐきの状態を確かめておくと安心です。

家族に口臭を指摘されたとき・においが気になって仕方がないとき

家族から指摘されたら、歯周病の検査を

e-ヘルスネット「口臭の治療・予防」は「何の自覚もないのに家族から口臭を指摘されるようになったら、一度歯科医院を受診して歯周病の検査を受け、専門的な治療を受けることで改善します。」としています。自分の口臭は自分ではわかりにくいため、身近な家族の気づきは大切な手がかりです。

健康長寿ネット「義歯の取り扱い」は、入れ歯が歯ぐきにあたって傷ができている、食事がとりにくい、うまくしゃべれない、食事や会話中に入れ歯が外れる、といった問題があるときは、すみやかに歯科を受診するよう勧めています。親御さんの口臭が気になるときは、こうした歯や入れ歯の困りごとがないかを、あわせて聞いてみるとよいでしょう。

人に言われないのに、においが気になって仕方がないとき

前述の病院統計では、口臭を心配して受診した人の約1/3は、治療の必要な口臭が認められませんでした。MSDマニュアル家庭版「口臭」は、実際には口臭がないのに自分の息がにおうと思い込んでしまう状態を「心因性口臭」と呼び、他の人にはわからない不快なにおいを感じる、などの特徴を挙げています。

においが気になって人と話すのを避けるようになった、外出がおっくうになった、というときは、一人で悩まずに歯科に相談しましょう。MSDマニュアル家庭版「口臭」は、医師や歯科医師は症状や病歴を聞いて診察し、息のにおいをかいで、原因が口にあるのか、鼻やのど、体のほかの部分にあるのかを見分けることもあるとしています。原因があればそれに合ったケアを、なければ安心材料にすることができます。

よくある質問

年をとると口臭は強くなりますか?

e-ヘルスネットが紹介している調査では、年齢が高いほどにおいのもと(VSC)の濃度は高い傾向があるものの、ほかの要因の影響を除くと年齢は有意ではなくなると報告されています。口臭と関連していたのは舌苔と歯周病でした。MSDマニュアル家庭版は、高齢者の口臭の原因として、口の渇きを起こす薬の使用と口腔がんを挙げています。年齢のせいとあきらめず、原因を確かめることが大切です。

自分に口臭があるかどうか、どうすればわかりますか?

e-ヘルスネットによると、においには嗅覚の順応が起きるため、口臭は自分では評価しにくく、自己評価と実際の口臭の有無は相関しないと報告されています。身近な家族に聞いてみる、気になるときは歯科で相談する、という方法が確実です。

舌みがきは1日に何回すればよいですか?

e-ヘルスネットは、舌の清掃は起床時の1回でよいとしています。それ以上行うと舌の粘膜を傷つけるおそれがあり、舌に傷や潰瘍があるときは中止するとしています。舌ブラシを奥に軽くあてて手前に引き、力を入れすぎないことがポイントです。

入れ歯の人の口臭対策は?

健康長寿ネットは、入れ歯は汚れやすく、義歯用ブラシと義歯洗浄剤の併用が理想的で、洗浄剤は少なくとも1週間に2回は使うよう勧めています。1日1回(就寝時など)は一定時間外して粘膜を休ませ、外した入れ歯は水や洗浄剤につけて保管します。3~6か月おきの定期歯科検診も勧められています。

マウスウォッシュ(洗口液)を使えば口臭は消えますか?

e-ヘルスネットは、洗口液に口臭予防などが期待できるとしています。一方でMSDマニュアル家庭版は、市販の洗口液や口臭防止スプレーの有益性は限られており、ほとんどの製品は防臭効果が20分以上持続しないとしています。洗口液は補助と考え、舌の清掃と歯・入れ歯の清掃を土台にしましょう。

胃が悪いと口臭が出ますか?

MSDマニュアル家庭版によると、消化管の病気で口臭が出ることはまれで、口臭が消化不良によって生じることはないとされています。ただし、胃食道逆流症や胃がんが口臭の原因になることもあるとしています。食べたものが逆流するなどの症状があるときは、医師に相談してください。

参考にした主なデータ・指針

まとめ|シニアの口臭は原因を確かめて、毎日の口のケアで対策を

60代・高齢者の口臭の多くは口の中が原因で、年齢そのものより、舌苔・歯周病・薬などによる口の渇き・入れ歯の汚れが中心です。自分では気づきにくいので、家族の指摘や歯科でのチェックを手がかりにしながら、自宅での口のケアを続けましょう。熱や膿のようなたん、治らない口内炎などがあるときは、早めに受診してください。

今日から始める口臭対策のポイント:

  • 舌の清掃は起床時に1回、奥から手前へ軽く。力を入れすぎない
  • 歯ブラシに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシで歯と歯の間までケアする
  • 入れ歯は毎日洗い、夜は外して水か洗浄剤につけて保管する
  • 食事は規則正しく、よくかんで。口の渇きが続くときは薬の影響も相談する
  • 洗口液は補助。家族に指摘されたら、痛みがなくても歯周病の検査を

口も体も、まちFitで動かす習慣を

よくかんで食べ、口をよく動かし、人と話す――口の健康は、毎日の暮らしの中で保たれていきます。まちFitは「健やかな毎日を、まちのそばで。」をコンセプトに、60代からのシニアの方が無理なく通える健康スタジオです。同世代の仲間と体を動かし、おしゃべりする時間が、生活のリズムを整えるきっかけになります。

  • 椅子を使うなど、無理のない姿勢で続けられる運動
  • 同年代の仲間と通うから、運動習慣が続けやすい
  • スタッフが体調や目的に合わせて声かけ・サポート
  • 池上・川崎の2スタジオで、通いやすい曜日・時間を選べる
まちFit池上スタジオで体を動かすシニアの様子

池上と川崎のスタジオでは、軽い運動で体をほぐしたあと、顔や口まわりの表情筋を動かす運動をして、最後にみんなで簡単な歌を楽しむ45分の「身体と歌のフィットネス」も開いています。歌が得意でない方も歓迎です。

まずは見学や体験から始めてみませんか?

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この記事はまちFit編集部監修のもと、公的機関や学会、専門家の解説などが公開する情報を参照して作成しています。内容は一般的な健康情報の整理であり、特定の効果を保証するものではありません。

本記事は情報提供を目的としたものであり、診断・治療を目的とする医療行為に代わるものではありません。口臭や歯ぐき、口の渇き、入れ歯、口の中の傷やしこりなどに気になる症状がある場合は、自己判断せず歯科医師や医師にご相談ください。服用中の薬は、自己判断でやめたり減らしたりしないでください。

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