足の爪切りが難しい|60代・高齢者の安全な切り方と病院へ行く目安

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「足の爪が厚くなって、爪切りの刃が入らない」「前かがみになると足先がよく見えない」。足の爪切りが難しいと感じ始める60代・シニアの方は少なくありません。無理に切って深爪や出血をしてしまう前に、安全な切り方と、病院へ行く目安を知っておきましょう。

この記事では、日本皮膚科学会、日本創傷外科学会、国立国際医療研究センターの糖尿病情報センター、厚生労働省の資料をもとに、足の爪切りが難しくなる原因、自宅でできる安全な切り方、病院へ行く目安と何科に相談するか、家族や介護職員に切ってもらうときの注意点を、まちFit編集部監修のもとでまとめました。

目次

足の爪切りが難しくなるのはなぜ?主な4つの原因

60代を過ぎて足の爪切りが難しいと感じたら、その背景には、爪そのものの病気や変形が隠れていることがあります。原因によって、自分で切ってよいのか、病院へ行くべきなのかが変わるため、まず代表的な4つを知っておきましょう。

1. 爪が白や黄色に濁って厚くなる「爪白癬(爪の水虫)」

日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aによると、足の爪が濁る原因として多いのは爪白癬(つめはくせん)です。カビの一種である白癬菌が爪の中に入り込み、爪の下の角質が増えるため、爪が厚く濁って見えるようになります。かゆみは出ませんが、爪が厚くなると靴にあたって痛くなったり、歩きにくくなったりすることがあります。

同Q&Aは、高齢者は爪の伸びが遅いため爪白癬になりやすく、適切な治療を受けない限り自然に改善する傾向もないとしています。90歳を超える男性では半数以上が爪白癬という調査もあります。分厚くなると、自分で爪が切れない、人にも切ってもらえないなど、生活の質が下がることも知られています。

2. 親指の爪が厚く、前に曲がる「爪甲鉤彎症」

足の親指の爪が厚く濁り、表面がでこぼこして、前方に鉤(かぎ)のように曲がった状態を爪甲鉤彎症(そうこうこうわんしょう)といいます。日本皮膚科学会によると、けがなどで爪が抜けたり不完全にはがれたりしたあとに起こり、先の狭い靴やハイヒールも原因になります。50歳ぐらいから頻度が増えるとされています。

同学会は、高齢者では厚い爪を削って平らにする方法で日常生活に支障はなくなるとしていますが、1年ぐらい経つと元のような状態に戻るとも説明しています。厚く曲がった爪をふつうの爪切りで無理に切ろうとしないことが大切です。

3. 爪の端が内側に巻く「巻き爪」、皮膚に食い込む「陥入爪」

日本創傷外科学会は、巻き爪を「爪の端が内側に巻いている爪の変形」、陥入爪(かんにゅうそう)を「爪の端が周囲の皮膚に食い込んで炎症を起こしている状態」と区別しています。どちらも足の親指に多く、巻き爪が陥入爪の原因になることもあります。

同学会によると、陥入爪の主な原因は、まちがった爪切りによる深爪と、合わない靴や圧迫の強い靴下による爪の圧迫です。足のむくみや外反母趾などの足の変形、爪白癬が原因になることもあります。巻き爪は爪の弯曲が強く厚くなると爪切りが難しくなり、靴や靴下を履くのも難しくなるとされています。足のむくみが気になる方は、原因と対策をまとめた次の記事もあわせてご覧ください。

4. 爪がよく見えない、足先に手が届きにくい

爪の状態に問題がなくても、作業そのものが難しくなる場合があります。糖尿病情報センターのフットケアノートは、足のお手入れの状況を確かめる項目として「足の裏、指の間、かかと、見えますか?」「足に手が届きますか?」「爪切りは、自分でできますか?」を挙げています。爪切りのポイントの最初に挙げているのも「姿勢」で、爪全体が見えるように姿勢を工夫するとしています。

見えにくさや姿勢のとりにくさを感じる方は、次の章の「準備」から見直してみてください。それでも難しいときは、家族の協力を得たり、皮膚科に相談したりする方法があります(後半で詳しく紹介します)。

自宅でできる足の爪の安全な切り方

爪の色や形に異常がなく、皮膚に赤みや腫れもなければ、足の爪切りは自宅でのセルフケアで続けられます。ここでは、日本皮膚科学会、日本創傷外科学会、糖尿病情報センター、厚生労働省の介護職員向けガイドラインに共通する手順を、準備から仕上げまで順に紹介します。

準備:入浴後の明るい場所で、足を台にのせる

日本皮膚科学会は、爪は入浴後など爪がやわらかい状態のときに切るのが良いとしています。厚生労働省の「原則として医行為ではない行為に関するガイドライン」も、入浴後や足浴の後は爪が水分を含んでやわらかくなり、切りやすくなると説明しています。

同ガイドラインは、爪の状態が見える明るさを確かめてから始めること、足の爪を座って切る場合は肘付き椅子を用意し、台にタオルを敷いて足を乗せることを示しています。前かがみで足先に手を伸ばすより、足を台にのせて爪全体が見える姿勢をつくると安全です。

切り方の基本:まっすぐ、少しずつ、白い部分を少し残す

糖尿病情報センターのフットケアノートは、爪切りのポイントを次のように示しています。

  1. 爪全体が見えるように、姿勢を工夫する
  2. 深爪に気をつける
  3. 「爪は一度に切らずに、数回に分けて切ります。」
  4. 「爪上部の白い部分が約1mm残る長さが目安です。」
  5. 爪の角は引っかからないように少し切る。角を切りすぎると巻き爪になったり、傷ができる原因になる
  6. 爪は四角いイメージでまっすぐに切り、角や尖った部分は爪ヤスリで整える

厚生労働省のガイドラインも、爪切りを持っていない方の手で指の先を持って土台にすること、爪切りを爪と皮膚の間に差し込んだら、上と横から皮膚を挟んでいないかを確認することを示しています。厚い爪ほど一度に切ると割れやすいので、少しずつ刃を入れましょう。

角は深く切り込まない(スクエアオフ)

爪の先をまっすぐ横に切り、角だけを整える形を「スクエアオフ」と呼びます。日本創傷外科学会は、陥入爪の予防として、爪の長さを指先と同じくらいにそろえ、角に少し丸みのある四角形に整える方法を紹介しています。手順は「指先と同じ位の長さで爪の上部を一直線に切る」「爪先のカーブに合わせ爪ヤスリで角を丸く削る」の2段階です。

角の整え方は資料によって少し幅があります。日本皮膚科学会は親指の爪の両端を少しカットして丸みを付ける形を、厚生労働省のガイドラインは足の爪の角を残したままにする切り方を示しています。共通しているのは、角を斜めに深く切り落とさないことです。ガイドラインも、深爪やバイアス(斜め)切りにならないよう注意するとしています。

やすりで仕上げる。切れない爪はやすりで長さを整える

切ったあとの爪の断面は、やすりでなめらかにします。厚生労働省のガイドラインは、二枚爪を防ぐために、爪先の両端から一方向に動かし、力をかけすぎないようにするとしています。糖尿病情報センターのフットケアノートは、爪ヤスリを爪に垂直に当て、爪先がなめらかになっているか指先で確かめながら行う方法を紹介しています。

同ノートによると、爪切りを使うことが難しい方は、爪ヤスリで爪を整える方法もあります。面の大きな爪ヤスリは爪が切れない方でも長さを整えるのに向いていて、小さい爪ヤスリは爪切りで切ったあとのギザギザを整えるのに適しています。

厚い爪・変形した爪にはニッパー型の爪切り

日本創傷外科学会は、変形し、厚みのある爪のケアには、ニッパーやヤスリの使用が便利だとしています。厚生労働省のガイドラインも、必要な物品として爪切りもしくはニッパー式爪切りとやすりを挙げています。ただし、爪白癬や爪甲鉤彎症のように爪そのものに異常がある場合は、道具を替える前に、次の章で紹介する皮膚科などへの相談を考えましょう。

避けたい切り方:深爪と「切り残し」

日本皮膚科学会によると、陥入爪は不適切な爪の切り方がしばしば原因となり、特に深爪で爪の切り残しが生じると、それが棘(とげ)となって皮膚に刺さるため、陥入爪を発症しやすくなります。

爪を短く切りすぎることにも注意が必要です。同学会は「爪甲には指先や趾先の皮膚を保護する役割があります。」と説明し、爪を短く切っていると指先の皮膚ががさがさになったり、ひびわれを生じたりするとしています。足の親指は、指の先端に合わせてまっすぐ横に切り、爪の両端が指の先端より短くならないように切るのがポイントです。

こんなときは病院へ|足の爪で受診を考えたい目安

次のような状態があるときは、自分で切り続けずに医療機関に相談しましょう。日本創傷外科学会も、巻き爪について「爪切りが難しい場合には、無理をせず医療機関に相談しましょう。」と呼びかけています。

  • 爪が白や黄色に濁っている、厚くなっている(爪白癬の可能性)
  • 親指の爪が厚く、前に曲がって伸びている(爪甲鉤彎症の可能性)
  • 爪の端が皮膚に食い込み、赤く腫れて痛い、じゅくじゅくしている(陥入爪の可能性)
  • 巻き爪で歩くと痛い、靴や靴下が履きにくい
  • 爪の周りの傷が赤くなる、熱を持つ、腫れる、うみが出る
  • 糖尿病があり、足の感覚が鈍い、傷が治りにくい
  • どんな道具や姿勢でも、自分では爪が切れない

爪が厚く濁っている:まず皮膚科で白癬菌の検査を

日本皮膚科学会によると、爪が濁る原因は爪白癬以外にもあり、白癬菌の有無を検査で確認することが最も重要です。爪の濁った部分を少し削って顕微鏡で調べ、白癬菌が見つかれば爪白癬と診断されます。同学会は「治療に先立ってその爪に白癬菌がいるのかいないのか、皮膚科で診断を確定しておく必要があります。」としています。

爪が厚くなって黄~白色に濁る爪白癬は、飲み薬での治療が中心になり、内服中は肝機能などを確かめる血液検査を行います。厚く濁った爪は見た目だけの問題と思われがちですが、同学会は、爪が浮くと足の筋力が足先に伝わりにくくなり、バランスが悪くなって転びやすくなるという問題も挙げています。

赤く腫れて痛い:陥入爪は早めに受診

爪の端が皮膚に食い込んで赤く腫れ、強い痛みがある場合は陥入爪が考えられます。日本皮膚科学会は、通常は皮膚に食い込んでいる部分の爪だけを切除して陥入状態を解除すれば、陥入爪は速やかに改善に向かうとしています。自分で角を深く切り込むと切り残しが棘になって悪化しやすいため、痛む爪の角を自分で切り取ろうとしないことが大切です。

糖尿病情報センターも、傷の周囲が赤くなったり、熱を持ったり、はれたり、うみが出たりしたら、すぐに医療機関を受診することが大切だとしています。

巻き爪がつらい:保存的治療と手術がある

日本創傷外科学会によると、巻き爪の治療は保存的治療が基本で、痛みがなく生活に支障がなければ必ずしも治療をする必要はありませんが、爪切りには注意が必要です。痛みがあれば爪が皮膚を圧迫しないように保護する方法で痛みを軽くし、爪の変形には爪の弯曲を平らにする矯正法で改善させます。

日本皮膚科学会によると、巻き爪の矯正治療は基本的に自由(自費)診療として行われます。日本創傷外科学会も、使う材料によっては保険適用外の治療になることがあるとしているので、費用は受診先で確認しましょう。巻き爪の手術は、変形した爪を除去して新しい爪が平らに生えそろうよう誘導するもので、結果が出るまで少なくとも半年はかかります。手術の適応については、形成外科で相談しましょう。

糖尿病がある方は特に慎重に

糖尿病情報センターによると、糖尿病で血糖値が高い状態が長く続くと、神経障害や動脈硬化が起こります。神経障害で足の感覚が鈍くなると、けがややけどに気づきにくくなり、動脈硬化で足の血流が悪くなると傷が治りにくくなります。からだの抵抗力も落ちるため、細菌に感染しやすくなります。

同センターは、爪について「巻き爪になっている場合は長めにまっすぐに切りましょう。」としたうえで、深爪に注意し、爪の角を深く切り落とさないよう呼びかけています。日本皮膚科学会も、糖尿病があると爪やその周辺に細菌感染が起こりやすく、重い細菌感染症に発展する例もあるとしています。糖尿病の方を対象に、看護師が足のお手入れ方法を一緒に考える「フットケア外来」を開設している医療機関もあります。

何科に行けばいい?皮膚科・形成外科・フットケア外来

ここまで紹介した資料をもとに、相談先を整理すると次のようになります。

  • 皮膚科:爪の濁りや厚み(爪白癬の検査と治療)、陥入爪、足の傷や皮膚のトラブル。糖尿病情報センターのフットケアノートも、自分で爪切りが難しい場合の選択肢に「皮膚科受診する」を挙げています
  • 形成外科:陥入爪・巻き爪の手術の相談(日本創傷外科学会)。同ノートも、傷は早めに皮膚科・形成外科を受診するよう呼びかけています
  • フットケア外来:糖尿病がある方の足のお手入れの相談(糖尿病情報センター)

糖尿病などで通院している方は、かかりつけ医にも足の爪の状態を伝えておきましょう。

家族や介護職員に爪切りを頼むときの注意点

自分で足の爪を切るのが難しくなったら、家族や介護サービスの手を借りるのも一つの方法です。ただし、どんな爪でも頼めるわけではありません。

介護職員が切れるのは異常のない爪だけ

厚生労働省の通知(医政発第0726005号・平成17年7月26日)は、高齢者介護の現場などで判断に迷うことの多い行為のうち、原則として医師法などの規制の対象とする必要がないものとして、次の行為を挙げています。

「爪そのものに異常がなく、爪の周囲の皮膚にも化膿や炎症がなく、かつ、糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合に、その爪を爪切りで切ること及び爪ヤスリでやすりがけすること」

この通知をふまえて厚生労働省が公開している介護職員向けのガイドラインは、介護職員が行ってよいのはこの場合の爪切りとやすりがけのみだとしたうえで、「専門的な管理が必要な爪の爪切りは行うことができません。」「専門的な管理が必要かどうかは、医師又は看護職員が判断します。」と明記しています。同ガイドラインは、専門的な管理が必要とされている例として巻き爪や陥入爪の写真を載せています。

つまり、厚く濁った爪、巻き爪や陥入爪、皮膚の化膿や炎症がある場合、糖尿病などで専門的な管理が必要な場合は、介護職員に頼むのではなく、医師や看護職員に相談する領域になります。爪切りを病院に任せるべきかどうかの目安として覚えておくと役立ちます。

家族が切ってあげるときのコツ

介護職員向けのガイドラインの手順は、家族が切ってあげるときにも参考になります。

  1. 爪の状態が見える明るさを確かめる
  2. 本人に声をかけて説明し、同意を得てから始める
  3. 肘付き椅子に座ってもらい、タオルを敷いた台に足を乗せてもらう
  4. 爪切りを持っていない方の手で指先を持って土台にし、足の下にティッシュペーパーなどを敷く
  5. 爪と皮膚の間に爪切りを差し込んだら、皮膚を挟んでいないかを確かめる
  6. 伸びた部分をまっすぐ切り、深爪や斜め切りにならないようにする
  7. 本人の表情を見ながら、痛みや不快感がないかを確かめる

同ガイドラインは、爪切りのときに爪の周りの皮膚から出血したり、本人が痛みを訴えたりしたときは、速やかに医療職へ報告するとしています。家族が切る場合も、出血や痛みがあったとき、爪の異常に気づいたときは、自己判断で続けずに医療機関に相談しましょう。親の体の変化に気づいたときに家族ができるサポートは、次の記事にまとめています。

相談先に迷ったら地域包括支援センターへ

介護サービスを使うかどうか、どこに相談すればよいか迷うときは、お住まいの地域の地域包括支援センターも相談先になります。センターの役割と相談のしかたは、次の記事で詳しく解説しています。

足の爪のトラブルを防ぐ毎日のフットケア

爪のトラブルは、毎日のちょっとした習慣で防ぎやすくなります。60代からの足のケアとして、糖尿病情報センターと日本創傷外科学会が紹介している足のお手入れから、どなたにも役立つものを紹介します。

毎日、足を見て触って確かめる

糖尿病情報センターは、毎日足の隅々まで見て触って、よく観察することをすすめています。見えないところは鏡を使ったり、家族に協力してもらったりする方法も紹介しています。爪の色や厚み、皮膚の傷やかさつきに早く気づければ、病院へ行くタイミングも逃しにくくなります。

洗って、よく拭いて、保湿する

同センターは、足を石けんでやさしく洗い、指の間も忘れずに洗ったあと、水気をよく拭きとるようすすめています。皮膚が乾燥している場合は保湿クリームで保湿しますが、指の間は湿って水虫の原因になることがあるため、保湿クリームはさけるとしています。爪白癬は皮膚の白癬菌が爪の中に入り込んで起こるため、日本皮膚科学会は足白癬(足の水虫)の段階で治療しておくべきだとしています。かかとや足裏の痛みが気になる方は、次の記事も参考になります。

爪を圧迫しない靴と靴下を選ぶ

日本皮膚科学会は巻き爪の原因の1つとしてつま先の窮屈な履物を、日本創傷外科学会は陥入爪の原因として合わない靴や圧迫の強い靴下を挙げています。糖尿病情報センターは、つま先に1センチ程度の余裕があり、足の形に合った靴を選ぶことや、きつすぎない靴下を選ぶことをすすめています。転びにくく歩きやすい靴の選び方は、次の記事にまとめています。

歩く力を保つことも爪を守る

日本創傷外科学会によると、足の指の爪は歩くときに下からの力を受けることで、なだらかなアーチ形に保たれています。この力が不足すると爪は丸まってしまうと考えられ、足の指に力のかからない寝たきりや車椅子の方にも巻き爪がよく見られます。同学会は巻き爪の予防として、足の指に適度な力が伝わる正しい歩き方を挙げています。

反対に、爪のトラブルは歩く力をうばいます。厚生労働省のガイドラインは「足の爪に痛みやトラブルがあると、身体を支えられず、歩くことが困難になって生活が不活発になったり、爪に汚れがたまって感染症にかかる可能性もあります。」と説明しています。爪を整えることは、自分の足で歩き続けるための土台づくりでもあります。

歩く量の目安として、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート(高齢者版)は、次のように示しています。

「強度が3メッツ以上の身体活動を週15メッツ・時以上行うことを推奨する。具体的には、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上行うことを推奨する(1日約6,000歩以上に相当)。」

同じ推奨シートは、「上記の強度、推奨値に満たなくとも、少しでも身体活動を行うことを推奨する。」とも明記しています。足の爪に痛みがある方は、まず爪のトラブルを医療機関で相談してから、少しずつ歩く時間を増やしていきましょう。自宅でできる歩き方の練習は、次の記事で紹介しています。

爪が浮いてバランスが悪くなると転びやすくなる、という点は先に紹介したとおりです。足の爪のケアは、転倒予防の面からも欠かせません。転倒を防ぐ体づくりは、次の記事も参考にしてください。

足の爪切りについてよくある質問

足の爪が厚くて、普通の爪切りでは切れません。どうすればよいですか?

爪が白や黄色に濁って厚くなっている場合は、爪白癬(爪の水虫)の可能性があります。日本皮膚科学会は、爪が濁る原因は爪白癬以外にもあるため、白癬菌の有無を皮膚科の検査で確認することが最も重要だとしています。自分で整える場合は、入浴後のやわらかいときに少しずつ切るか、爪ヤスリで長さを整えます。日本創傷外科学会は、変形し厚みのある爪にはニッパーやヤスリの使用が便利だとしています。

深爪や巻き爪を防ぐには、どんな切り方がよいですか?

爪の先を指先と同じくらいの長さでまっすぐ横に切り、角を斜めに深く切り落とさない「スクエアオフ」が基本です。糖尿病情報センターのフットケアノートは、爪は一度に切らずに数回に分けて切り、爪の先の白い部分が約1mm残る長さを目安にするとしています。日本皮膚科学会によると、深爪で切り残しが生じると、それが棘となって皮膚に刺さり、陥入爪を起こしやすくなります。

足の爪切りは病院の何科に相談できますか?

爪の濁りや厚み、陥入爪、足の傷などは皮膚科が相談先になります。糖尿病情報センターのフットケアノートも、自分で爪切りが難しい場合の選択肢に皮膚科の受診を挙げています。陥入爪や巻き爪の手術は形成外科で相談できます(日本創傷外科学会)。糖尿病がある方は、フットケア外来を開設している医療機関もあります。

糖尿病があります。自分で足の爪を切っても大丈夫ですか?

糖尿病情報センターによると、糖尿病で神経障害があると足の感覚が鈍くなってけがに気づきにくく、血流が悪いと傷が治りにくくなります。同センターは、深爪に注意し、爪の角を深く切り落とさないこと、巻き爪になっている場合は長めにまっすぐに切ることを呼びかけています。厚生労働省の通知も、糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要な場合の爪切りを、介護職員が行える範囲から外しています。かかりつけ医やフットケア外来に相談しておくと安心です。

親の足の爪を切ってあげたいのですが、注意点はありますか?

厚生労働省の介護職員向けガイドラインの手順が参考になります。明るい場所で、肘付き椅子に座ってもらい、タオルを敷いた台に足を乗せてもらいます。指先を持って土台にし、爪と皮膚の間に爪切りを差し込んだら皮膚を挟んでいないかを確かめ、伸びた部分をまっすぐ切ります。本人の表情を見ながら行い、出血や痛み、爪の異常があるときは医療機関に相談しましょう。

デイサービスやヘルパーさんに足の爪切りを頼めますか?

爪に異常がなく、周りの皮膚に化膿や炎症もなく、糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合の爪切りとやすりがけは、厚生労働省の通知で原則として医師法などの規制の対象とする必要がないとされ、介護職員も行えます。一方、厚生労働省のガイドラインは、専門的な管理が必要な爪の爪切りは介護職員は行うことができず、その判断は医師又は看護職員が行うとしています。巻き爪や陥入爪、厚く濁った爪などは、医療機関に相談しましょう。

参考にした主なデータ・指針

まとめ|足の爪切りは「まっすぐ・少しずつ・迷ったら病院へ」

足の爪切りが難しくなる背景には、爪白癬や爪甲鉤彎症、巻き爪・陥入爪といった爪の病気や変形、そして見えにくさや姿勢のとりにくさがあります。異常のない爪なら、入浴後の明るい場所で足を台にのせ、まっすぐ少しずつ切って、やすりで整えるのが安全な切り方です。爪が厚く濁る、赤く腫れて痛む、糖尿病がある、自分では切れないといったときは、無理をせず皮膚科などの病院に相談しましょう。

今日から始める足の爪ケアの習慣:

  • 入浴後、明るい場所で足を台にのせてから切る
  • まっすぐ横に、数回に分けて切り、角は深く切り落とさない
  • 白い部分を約1mm残し、やすりでなめらかに整える
  • 毎日足を見て触り、爪の濁り・厚み・赤みに気づいたら皮膚科へ
  • つま先にゆとりのある靴で、歩く習慣を少しずつ続ける

歩く力を守る運動は、まちFitで一歩ずつ

足の爪を整えることは、自分の足で歩き続けるための土台づくりです。そして、その歩く力そのものを無理なく育てていくことも大切です。まちFitは「健やかな毎日を、まちのそばで。」をコンセプトに、60代からのシニアの方が安心して続けられる運動の場をご用意しています。一人では続けにくい運動習慣も、仲間やスタッフと一緒なら積み重ねやすくなります。

  • 椅子を使うなど、無理のない姿勢で続けられる運動
  • 足腰やバランスを支える力を、少しずつ育てる内容
  • 同年代の仲間と通うから、運動習慣が続けやすい
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この記事はまちFit編集部監修のもと、公的機関などが公開する情報を参照して作成しています。内容は一般的な健康情報の整理であり、特定の効果を保証するものではありません。

本記事は情報提供を目的としたものであり、診断・治療を目的とする医療行為に代わるものではありません。足の爪や皮膚に痛み・変形・化膿・炎症がある場合や、糖尿病などの持病がある場合は、自己判断で処理を続けず、皮膚科やかかりつけ医などの医療機関にご相談ください。

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