歩行訓練の始め方|60代・高齢者が自宅でできる歩き方と続け方

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まちFit
スタジオ運営責任者

東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
60〜80代の会員様と日々向き合う中で得た現場知識をもとに、無理なく続けられる健康習慣を発信しています。

「シニア・高齢者の歩行訓練を始めたいけれど、何から手をつければよいのかわからない」——そう感じる60代・70代の方や、高齢者のご家族は多いものです。歩行は毎日の生活を支える基本の動作で、足腰の力やバランス、転倒予防と深くかかわっています。この記事では、シニア・高齢者の歩行訓練を自宅で無理なく始める方法を、基本の歩き方から室内・屋外のメニュー、続けるコツ、安全に行うための注意点まで、まちFit編集部監修でわかりやすく解説します。健康寿命を意識しながら、介護予防やフレイル予防にもつながる歩き方を一緒に確認していきましょう。

目次

歩行訓練とは?シニア・高齢者に必要とされる理由

歩行訓練とは、歩く力そのものを保ち、より安全に歩けるようにするための運動や取り組みを指します。ここでは歩行訓練の意味と、なぜ60代からこの取り組みが大切とされるのかを、足腰やロコモティブシンドロームの視点から整理します。

歩行訓練が意味するもの

歩行訓練というと、病院で行うリハビリのような専門的なものを思い浮かべる方もいらっしゃいますが、ここで扱うのは、ご自宅や近所で無理なく続けられる範囲の取り組みです。具体的には、正しい姿勢で歩く練習、足踏みやその場歩き、歩く時間や歩数を少しずつ増やしていくことなどが含まれます。特別な道具がなくても、自分の体力に合わせて始められるのが歩行訓練の良いところです。

大切なのは「歩けているうちから続けること」です。足腰の力は年齢とともに少しずつ変化しますが、日ごろから歩く習慣を保つことで、体力維持や自立した生活を続けやすくなると一般的にはされています。

60代から歩行訓練が大切とされる理由

加齢にともない、筋肉量が減っていくサルコペニアや、ロコモティブシンドローム(ロコモ)が起こりやすくなります。日本整形外科学会は、運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態を「ロコモティブシンドローム」=ロコモと説明しています。歩く力が落ちると外出がおっくうになり、さらに動かなくなるという悪循環に陥りやすいため、早めの対策が大切です。

歩行訓練を習慣にすることは、こうした足腰の衰えを予防し、転倒予防にもつながると考えられています。結果として、フレイル予防や介護予防、健康寿命を意識した毎日づくりの土台にもなります。まずは「歩き続けられる体」を保つことを目標にしていきましょう。

そもそも足腰が衰えていく背景には、筋力だけでなく関節や血流、姿勢もかかわっています。くわしくはこちらの記事で解説しています。

シニアの歩行訓練で目指したい運動量の目安

「どのくらい歩けばよいのか」は多くの方が気になるところです。ここでは、国が示す身体活動の指針をもとに、シニア・高齢者が目安にしたい運動量を紹介します。数字はあくまで目安で、体調や体力に合わせて調整することが大切です。

歩行の目安は1日40分以上・約6,000歩以上

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の高齢者版では、強度が3メッツ以上の身体活動を週15メッツ・時以上行うことを推奨しています。具体的には、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上行うことを推奨する(1日約6,000歩以上に相当)とされています。

とはいえ、いきなりこの目安を目指す必要はありません。同ガイドでは、上記の強度や推奨値に満たなくても、少しでも身体活動を行うことを勧めています。今より少しでも多く体を動かすことから始め、慣れてきたら歩く時間や歩数を増やしていくとよいでしょう。歩数の考え方は、こちらの記事でもくわしく紹介しています。

歩くだけでなく「筋力・バランス」も組み合わせる

同じガイドでは、筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を週3日以上行うことも推奨しています。さらに、筋力トレーニングを週2〜3日行うこと(多要素な運動に含めてもよい)も勧められています。歩行訓練だけに偏らず、足腰を支える筋力やバランスの運動を組み合わせることで、より安定した歩きにつながることが期待できます。

また、同ガイドは座位行動(座りっぱなし)の時間が長くなりすぎないように注意することも挙げています。長時間座り続けたら立ち上がって少し歩く、といった小さな積み重ねも、立派な歩行訓練の一部です。

自宅でできる歩行訓練の始め方【準備と基本】

歩行訓練は、正しい準備と基本のフォームを押さえることで、より安全に、疲れにくく続けられます。ここでは始める前の安全確認と、基本の歩き方のポイントを見ていきましょう。

始める前に確認したい準備と安全対策

けがなく続けるために、歩き出す前の準備を整えましょう。次のような点を確認しておくと安心です。

  • 足に合った、かかとが安定する靴を選ぶ
  • 室内では滑りにくい床にし、つまずきやすい物を片づける
  • 水分をとり、体調がすぐれない日は無理をしない
  • 歩く前後に、ふくらはぎや太ももを軽く伸ばす
  • 不安がある方は、手すりや壁のそばで行う

特に身体機能が気になる方は、安全に配慮し、転倒に注意しながら行うことが大切です。ふくらはぎのストレッチのやり方は、こちらの記事も参考になります。

疲れにくい基本の歩き方フォーム

歩くときの姿勢を少し意識するだけでも、足腰への負担のかかり方は変わります。背すじを軽く伸ばし、目線はやや前に。かかとから着地して、足の裏全体、つま先へと体重を移すように歩きます。腕は自然に振り、歩幅は無理のない範囲で保ちましょう。

呼吸は止めず、会話ができる程度のペースが目安です。歩くとすぐ疲れてしまうという方は、フォームや歩くペースに原因があることもあります。次の記事もあわせてご覧ください。

室内・屋外でできる歩行訓練メニュー例

歩行訓練は、天候や体調に合わせて室内と屋外を使い分けると続けやすくなります。ここでは、ご自宅でできる運動から屋外ウォーキング、足腰を支える簡単な運動まで、取り入れやすいメニューを紹介します。

室内でできる足踏み・その場歩き

雨の日や外出しにくい日は、室内での足踏みがおすすめです。テーブルや壁に軽く手を添え、その場でひざを少し高く上げる足踏みを行います。無理のない回数から始め、慣れてきたら少しずつ時間を延ばしていきましょう。

室内で足腰や太ももを鍛える運動を組み合わせると、歩く力の土台づくりに役立ちます。自宅でできる運動は、次の記事でくわしく紹介しています。

屋外ウォーキングの進め方

体調が良い日は、屋外を歩いてみましょう。最初は5〜10分程度の短い距離から始め、平らで歩きやすい道を選ぶと安心です。慣れてきたら、時間や距離を少しずつ増やしていきます。前述の「1日40分以上・約6,000歩以上」を最終的な目安に、あくまで自分のペースで近づけていく気持ちで取り組みましょう。

歩く時間帯や距離のとり方、疲れにくいコツについては、こちらの記事も参考になります。

歩きを支えるバランス・筋力の運動

安定して歩くためには、足腰の筋力とバランスの力も欠かせません。いすの背もたれにつかまって行うかかと上げや、片足立ち(不安な方は手すりや壁のそばで行いましょう)などは、自宅で取り入れやすい運動です。歩行訓練とあわせて行うことで、転倒予防や介護予防にもつながることが期待できます。

「足腰が弱ってきた」と感じ始めた方は、最初に取り組みたいことをまとめたこちらの記事もご覧ください。

歩行訓練を無理なく続けるコツと注意点

歩行訓練は、続けてこそ体力維持や健康寿命の意識づくりにつながります。ここでは、毎日の習慣にするための工夫と、安全のために知っておきたい注意点をまとめます。

毎日の習慣として続けるコツ

続けるためには、頑張りすぎないことが何よりも大切です。次のような工夫を取り入れてみましょう。

  • 「食後に5分歩く」など、生活の中に組み込む
  • 歩いた時間や歩数を手帳やカレンダーに記録する
  • 家族や友人と一緒に歩き、楽しみながら続ける
  • 調子の良い日と悪い日で、量を柔軟に変える
  • 達成できたら自分をほめ、小さな成功を積み重ねる

介護予防に役立つ運動習慣づくりの考え方は、次の記事でもくわしく紹介しています。あわせてご覧ください。

こんなときは中止して相談を

安全に続けるために、体からのサインを見逃さないようにしましょう。歩いている途中で胸の痛みや強い息切れ、めまい、ひざや腰の強い痛みを感じたときは、無理をせず中止してください。

また、持病がある方や、痛みが続く方、体調に不安がある方は、始める前にかかりつけの医師に相談すると安心です。歩行訓練は体調と相談しながら、あせらず取り組むことが、結果的に長く続ける近道になります。転倒が心配な方は、こちらの記事も参考になります。

よくある質問

歩行訓練は毎日行った方がよいですか?

毎日続けられれば理想的ですが、体調に合わせて無理のない範囲で行うことが大切です。厚生労働省のガイドでも、推奨値に満たなくても少しでも体を動かすことが勧められています。週に数回からでも、続けることを優先しましょう。

歩行訓練は1日どのくらいが目安ですか?

「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の高齢者版では、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上行うことが推奨されています(1日約6,000歩以上に相当)。ただしこれは最終的な目標で、最初は5〜10分の短い時間から少しずつ増やしていけば十分です。

雨の日など外に出られないときはどうすればよいですか?

室内での足踏みやその場歩きがおすすめです。テーブルや壁に手を添えて、ひざを軽く上げる足踏みをするだけでも、歩く力の維持に役立ちます。座りっぱなしの時間が長くならないよう、こまめに体を動かしましょう。

膝や腰に痛みがあっても歩行訓練はできますか?

軽い違和感であれば、無理のない範囲で歩くことは可能な場合もありますが、痛みが強いときや続くときは中止し、かかりつけの医師に相談してください。自己判断で我慢して続けることは避けましょう。

歩くだけで十分ですか?筋トレも必要でしょうか?

歩行に加えて、筋力やバランスの運動を組み合わせることが勧められています。同ガイドでは、筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を週3日以上、筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。かかと上げなど簡単なものから取り入れてみましょう。

運動が続かないのですが、何かコツはありますか?

生活の中に組み込む、記録をつける、家族と一緒に行うなどの工夫が続けやすさにつながります。頑張りすぎず、できた日を自分でほめることも大切です。小さな習慣の積み重ねが、体力維持につながっていきます。

参考にした主なデータ・指針

まとめ:歩行訓練で「歩き続けられる体」を保ちましょう

歩行訓練は、シニア・高齢者が足腰の力を保ち、転倒予防や介護予防、健康寿命を意識した毎日づくりの土台になります。特別な道具は必要なく、正しい姿勢と安全への配慮があれば、今日からご自宅で始められます。大切なのは、頑張りすぎず、自分のペースで長く続けることです。

今日から始める歩行訓練の習慣:

  • まずは室内の足踏みや5〜10分の散歩から始める
  • 「1日40分以上・約6,000歩以上」は最終的な目安として少しずつ近づける
  • 歩きに加えて、かかと上げなど筋力・バランスの運動も組み合わせる
  • 歩いた時間や歩数を記録し、できた日を自分でほめる
  • 痛みや強い息切れを感じたら中止し、不安があれば医師に相談する

まちFitで、歩き続けられる体づくりを始めませんか

「一人ではなかなか運動が続かない」「正しい歩き方や運動を教えてほしい」という方には、シニア向け健康スタジオ「まちFit」がお役に立てます。まちFitは「健やかな毎日を、まちのそばで。」をコンセプトに、60代からの体づくりを、まちのそばで無理なく続けられるようサポートしています。

  • 無理のない範囲で足腰やバランスを整えるプログラム
  • 運動が初めての方やシニアの方も安心の内容
  • 同世代の仲間と一緒だから楽しく続けられる
  • スタッフが一人ひとりの体調に合わせてサポート
まちFit池上スタジオで体を動かすシニアの様子

歩くことは、毎日を自分らしく過ごすための大切な力です。まちFitでは、その力を無理なく保ち、育てていくお手伝いをしています。

まずは見学や体験から始めてみませんか?

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この記事は、シニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営する株式会社Envalueの編集部が制作し、まちFit編集部監修のもとで公開しています。公的機関が公表する情報をもとに、シニアの方やご家族にわかりやすい形でお届けすることを心がけています。

本記事は健康づくりに関する一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療を目的とした医療上の助言ではありません。持病のある方や体調に不安のある方、痛みが続く方は、運動を始める前にかかりつけの医師にご相談ください。体調に異変を感じた場合は、無理をせず運動を中止してください。

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