高齢者のむくみの原因と対策|シニアが自宅でできる予防と解消法

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まちFit
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東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
60〜80代の会員様と日々向き合う中で得た現場知識をもとに、無理なく続けられる健康習慣を発信しています。
高齢者のむくみとは?まず知っておきたい足のむくみの基礎知識
夕方になると足がパンパンになる、靴下の跡がなかなか消えない——高齢者のむくみは、多くのシニアが感じる身近な足の不調です。足のむくみは、加齢による筋力低下や運動不足、血行の滞りなどが重なって起こりやすくなるとされています。まずは足のむくみが起こる仕組みと、日常でできる対策の全体像を、60代・70代の方にもわかりやすく整理していきましょう。
むくみとは、血管の外側にある「間質液(かんしつえき)」と呼ばれる水分が、皮膚の下に必要以上にたまった状態のことを指します。厚生労働省の情報サイト「e-ヘルスネット」でも、むくみは体の水分バランスや血液・リンパの流れと関係すると説明されています。多くは一時的なもので、ひと晩休むと軽くなることも少なくありません。
特にふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、歩いたり足首を動かしたりするたびに筋肉が伸び縮みして、下半身にたまりがちな血液を心臓へ押し戻す「筋ポンプ作用」を担っています。ところが年齢を重ねて足の筋力が落ちたり、体を動かす機会が減ったりすると、この働きが弱まり、下半身に水分がたまりやすくなると考えられています。
むくみそのものは病気ではありませんが、放っておくと足の重だるさから外出がおっくうになり、運動不足がさらに進むという悪循環につながることもあります。足腰の衰えは、将来の転倒予防やフレイル予防、健康寿命を延ばすうえでも見逃せないテーマです。まずは原因を知り、無理なくできることから始めていきましょう。

高齢者のむくみを招く主な原因【加齢・生活習慣・病気】
高齢者のむくみには、いくつかの原因が重なっていることがほとんどです。加齢にともなう筋力の低下や運動不足といった生活習慣の要因もあれば、まれに体の病気が関係している場合もあります。ここでは代表的な原因を三つの角度から整理し、ご自身の生活を振り返るヒントにしていただければと思います。
筋力低下と運動不足による血行の滞り
シニアのむくみでとくに多いのが、足の筋力低下と運動不足によるものです。前述の筋ポンプ作用は足の筋肉が動いてこそ働くため、座っている時間が長かったり歩く機会が減ったりすると、下半身の血行が滞りやすくなります。加齢で全身の筋肉量が減っていく状態はサルコペニアと呼ばれ、進行すると立ち上がりや歩行が不安定になる原因にもなります。
また、足腰の衰えが進んで移動する力が低下した状態はロコモティブシンドローム(運動器症候群)と呼ばれ、日本整形外科学会が注意を呼びかけています。むくみとロコモティブシンドロームは直接の原因と結果ではありませんが、「動かない→筋力が落ちる→さらに動きにくくなる」という点で背景が重なりやすいと考えられます。まずは足を動かす習慣づくりが、むくみ対策の土台になります。

長時間の同じ姿勢・塩分や水分バランスの乱れ
立ちっぱなし・座りっぱなしなど、長時間同じ姿勢が続くことも足のむくみの一因です。デスクワークだけでなく、テレビの前で長く過ごす時間が増えると、足の血液が戻りにくくなります。加えて、塩分のとりすぎは体が水分をため込みやすくなる要因とされ、反対に「むくむのが嫌だから」と水分を控えすぎることも、かえって逆効果になる場合があります。
気温の高い季節は汗で水分が失われやすく、脱水と隣り合わせになります。厚生労働省も、こまめな水分補給の大切さを呼びかけています。塩分・水分のバランスは、むくみだけでなく体調全体に関わる大切なポイントです。

病気や薬が関係しているむくみ
多くのむくみは生活習慣が関係する一時的なものですが、まれに心臓・腎臓・肝臓の働きや、足の静脈・リンパの流れに関する病気が背景にあることもあります。また、一部の薬の影響でむくみが出ることも知られています。これらは自己判断が難しいため、後述する「受診を検討したいサイン」に当てはまる場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。ここで大切なのは、過度に不安になりすぎず、いつもと違う様子に気づけるようにしておくことです。
見逃さないで|医療機関の受診を検討したいむくみのサイン
ほとんどのむくみは生活の工夫でやわらいでいきますが、なかには体からのサインとして受診が望ましいケースもあります。ここでは、シニアやご家族に知っておいていただきたい「受診を検討したい目安」をまとめます。あくまで一般的な情報であり、診断に代わるものではありませんが、迷ったときの判断材料にしてください。
- 片方の足だけが急に腫れて、痛みや熱っぽさをともなう
- 息切れや急な体重増加、尿の量が減るなどの変化がある
- 押すとへこんだまま戻りにくい、皮膚の色や状態が変わってきた
- むくみが数日から数週間にわたって続き、休んでも軽くならない
- 心臓・腎臓・肝臓などの持病がある、または新しく薬を飲み始めた
こうしたサインがある場合は、まずはかかりつけ医や内科にご相談ください。足の血管が気になるときは循環器内科など、症状に応じた専門の医療機関が適しています。近くに相談先が思い当たらないときは、お住まいの地域包括支援センターに問い合わせると、適切な窓口を案内してもらえます。「大したことないだろう」と我慢しすぎず、気になる状態が続くときは専門家の目で確認してもらうことが、自立した生活を長く続けるための安心につながります。

自宅でできる高齢者のむくみ対策|足の運動とストレッチ
ここからは、ご自宅で無理なく取り組める足のむくみ対策をご紹介します。ポイントは、ふくらはぎを中心に足の筋肉を動かして、血行を促すことです。どれも特別な道具はいりません。痛みが出たときは中止し、体調に合わせて回数を調整しながら、毎日少しずつ続けることを大切にしてください。
ふくらはぎを動かす「かかと上げ」運動
壁や椅子の背に軽く手を添えて立ち、かかとをゆっくり持ち上げてつま先立ちになり、また下ろします。これを10回ほど、ゆっくり繰り返します。ふくらはぎの筋ポンプ作用を促し、下半身にたまった血液を戻す助けになると考えられています。ふらつきが心配な方は、しっかり支えを使い、転倒予防を意識して行いましょう。
座ったままできる足首の運動
椅子に腰かけ、足首をゆっくり大きく回したり、つま先を上げ下げしたりする運動です。テレビを見ながらでも取り組めるので、長く座っているときの気分転換にもなります。足首まわりを動かすことで血行の改善が期待でき、むくみの予防につながるとされています。左右それぞれ10回程度から始めてみましょう。

足を高くして休む・ウォーキングを取り入れる
横になって足の下にクッションを置き、心臓より少し高い位置で休むと、たまった水分が戻りやすくなるといわれています。また、日中は無理のない範囲でウォーキングを取り入れるのもおすすめです。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、65歳以上の方について1日40分以上、体を動かすことが勧められています。まずは近所を歩くことからで十分です。体力維持や介護予防の観点からも、歩く習慣は大きな味方になります。

むくみを予防する生活習慣|食事・水分・入浴・睡眠
運動とあわせて見直したいのが、毎日の生活習慣です。食事や水分のとり方、体の休め方を少し工夫するだけでも、むくみにくい体づくりにつながります。ここでは無理なく続けられる習慣のヒントをお伝えします。どれか一つからでも、今日の生活に取り入れてみてください。
塩分を控えめに、たんぱく質はしっかり
塩分のとりすぎは体に水分をため込みやすくするため、味つけを少し薄めにするだけでもむくみ予防の助けになります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食塩の目標量は成人男性で1日7.5g未満、女性で6.5g未満とされています。一方で、たんぱく質が不足すると低栄養からむくみやすくなることも知られており、肉・魚・卵・大豆製品などをバランスよくとることが大切です。しっかり食べることは、サルコペニアやフレイルの予防にもつながります。

水分は控えすぎない・入浴と睡眠で巡りを整える
むくみが気になると水分を我慢したくなりますが、控えすぎは脱水を招くおそれがあり、かえって逆効果になることもあります。のどが渇く前に、こまめに少しずつ補給しましょう。また、ぬるめのお湯にゆっくりつかる入浴は体を温めて血行を促し、足を高くして休むことと同じように巡りを整える助けになります。夜はしっかり睡眠をとって体を休めることも、翌朝のむくみ軽減に役立つとされています。
なお、着圧ソックス(弾性ストッキング)は足の血行をサポートする目的で使われることがありますが、動脈の病気などがある場合は注意が必要です。使ってみたい方は、自己判断だけで決めず、かかりつけ医や専門家に相談してから取り入れると安心です。こうした毎日の積み重ねが、健康寿命を延ばし、自立した生活を続ける土台になります。
よくある質問
最後に、高齢者のむくみについて多く寄せられる質問をまとめました。日々のケアや受診の判断に迷ったときの参考にしてください。
- 高齢者のむくみは何科を受診すればよいですか?
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まずはかかりつけ医や内科への相談が基本です。足の血管が気になるときは循環器内科など、症状に応じた診療科が適しています。相談先に迷うときは、お住まいの地域包括支援センターに問い合わせると窓口を案内してもらえます。
- 足のむくみ対策としておすすめの運動はありますか?
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「これだけで解消する」と言い切れる運動はありませんが、かかと上げや足首を動かす運動でふくらはぎの筋ポンプ作用を促すと、血行の改善が期待できるとされています。無理のない範囲で毎日続けることが大切です。
- 水分を控えればむくみは減りますか?
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控えすぎはかえって脱水を招き、逆効果になることがあります。むくみが気になっても、こまめに少しずつ水分を補給することが基本です。気になる状態が続く場合は医療機関にご相談ください。
- 着圧ソックスは高齢者が使っても大丈夫ですか?
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血行をサポートする目的で使われることがありますが、動脈の病気などがある場合は注意が必要です。使用を考える際は、自己判断だけで決めず、かかりつけ医や専門家に相談してから取り入れると安心です。
- むくみと運動不足は関係がありますか?
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関係があると考えられています。体を動かす機会が減るとふくらはぎの筋ポンプ作用が弱まり、下半身の血行が滞ってむくみやすくなります。座りっぱなしを避け、こまめに足を動かす習慣が予防につながります。
- 塩分を控えるとむくみ予防になりますか?
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一般的に、塩分のとりすぎは体が水分をため込む一因とされ、控えめにすることはむくみ予防の助けになると考えられています。厚生労働省の食事摂取基準を目安に、味つけを少し薄めにする工夫から始めてみましょう。
参考にした主なデータ・指針
- 厚生労働省 e-ヘルスネット(高齢者の健康に関する情報)
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
- 日本整形外科学会 ロコモティブシンドローム公式サイト(ロコモONLINE)
まとめ|高齢者のむくみは毎日の習慣で予防・改善が期待できる
高齢者のむくみは、加齢による筋力低下や運動不足、塩分・水分バランスの乱れなどが重なって起こりやすくなるとされています。かかと上げや足首の運動でふくらはぎを動かし、食事や水分のとり方を整える毎日の小さな習慣が、むくみの予防・改善につながります。同時に、転倒予防やフレイル予防、介護予防、そして健康寿命を延ばすことにも役立ちます。片側だけの急な腫れなど気になるサインがあるときは、無理をせず医療機関に相談しましょう。
今日から始めるむくみ対策の習慣のポイント:
- かかと上げや足首回しで、ふくらはぎの筋ポンプ作用をこまめに促す
- 塩分は控えめに、たんぱく質はしっかりとってサルコペニアを防ぐ
- 水分は控えすぎず、こまめに補給して巡りを整える
- 足を高くして休み、ぬるめの入浴と十分な睡眠で体を労わる
- 片側の急な腫れや息切れなど、気になるサインは早めに専門家へ相談する
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