地域包括支援センターとは?相談できることと使い方|60代・シニア

地域包括支援センターとは?相談できることと使い方|60代・シニア のイメージ

この記事を書いた人

まちFit
スタジオ運営責任者

東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
60〜80代の会員様と日々向き合う中で得た現場知識をもとに、無理なく続けられる健康習慣を発信しています。

「親の介護が心配だけれど、どこに相談すればいいのかわからない」「自分もそろそろ将来の備えを考えたい」。そんなとき、まず頼りにできるのが地域包括支援センターです。地域包括支援センターは、市町村が設置するシニアのための総合相談窓口で、介護や生活の困りごとを、保健師や社会福祉士などの専門職に相談できます。この記事では、60代の方やご家族に向けて、地域包括支援センターとは何か、相談できること、使い方と利用の流れ、そして介護予防への活かし方までを、わかりやすく解説します。介護保険や介護予防、フレイル予防といった言葉になじみがない方も、読み終えるころには「困ったらここに相談すればいい」という安心の窓口が見つかります。

目次

地域包括支援センターとは?シニアの総合相談窓口

地域包括支援センターは、市町村が設置し、シニアの暮らしを地域で支えるためにつくられた公的な相談窓口です。介護のことだけでなく、健康や生活の不安、家族の困りごとまで幅広く受け止めてくれる場所です。まずは、その位置づけと全国の設置状況、対応してくれる専門職を見ていきましょう。

介護保険法にもとづく公的な相談窓口

地域包括支援センターは、介護保険法(第115条の46第1項)にもとづいて設けられた施設です。厚生労働省の資料では「市町村が設置主体となり、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等を配置して、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設」と位置づけられています。運営は市町村が直接行う場合と、社会福祉法人などに委託する場合があり、実際には市町村直営が約2割、委託が約8割となっています。民間の営利目的の窓口ではなく、地域の公的なしくみである点が大きな特徴です。

こうしたセンターは、介護が必要になった方だけのものではありません。介護予防や自立した生活を続けるための入り口として、元気なうちから使える相談窓口でもあります。

全国に約5,500か所(設置状況)

厚生労働省によると、地域包括支援センターは全国で5,487か所に設置されています(令和7年4月末現在)。身近な場所で相談を受け付けてセンターにつなぐ窓口であるブランチ(1,567か所)と、センターと一体的に事業を行う支所にあたるサブセンター(320か所)を含めると、7,374か所にのぼります。すべての市町村に置かれているため、お住まいの地域にも担当のセンターがあります。

市町村ごとに担当するエリアが決められており、「自分の住所を担当するのはどのセンターか」が決まっています。まずはお住まいの市区町村に確認するか、市区町村のホームページで「地域包括支援センター 一覧」を探すのが近道です。

3つの専門職がチームで対応

地域包括支援センターの心強い点は、立場の異なる専門職がチームで相談に応じてくれることです。原則として、次の3つの職種が配置されています。

  • 保健師など:健康や病気の予防、介護予防の視点から、体の不安を支えます。
  • 社会福祉士など:福祉制度の活用や生活の困りごと、権利を守るための支援を担います。
  • 主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)など:介護サービスの調整や、ケアマネジャーへの支援を行います。

健康・福祉・介護という異なる専門性が一つの窓口に集まっているため、「どこに相談すればいいかわからない」という段階でも、まとめて受け止めてもらえます。

地域包括支援センターの4つの役割

地域包括支援センターの仕事は、大きく4つの役割に整理されています。厚生労働省の資料では、総合相談支援事業・権利擁護事業・包括的・継続的ケアマネジメント支援事業・第一号介護予防支援事業(介護予防ケアマネジメント)の4つが挙げられています。それぞれがどんな役割なのかを見ていきましょう。

総合相談支援(まず何でも相談できる窓口)

シニアやご家族から寄せられる、さまざまな相談を最初に受け止める役割です。厚生労働省の通知では、初期段階での相談対応と継続的・専門的な相談支援を行い、地域の適切な保健・医療・福祉サービスや機関、制度の利用につなげるものとされています。「何から手をつければいいかわからない」というときの最初の入り口になります。

権利擁護(安心して暮らすための支え)

シニアが尊厳をもって暮らせるよう、専門的・継続的な視点から支援する役割です。厚生労働省の通知では、この事業の内容として、成年後見制度の活用促進、老人福祉施設等への措置の支援、高齢者虐待への対応、困難事例への対応、消費者被害の防止に関する諸制度の活用が挙げられています。悪質な訪問販売やお金の管理といったデリケートな心配ごとも、抱え込まずに相談できる先です。

包括的・継続的ケアマネジメント支援

地域のケアマネジャー(介護支援専門員)への支援や、主治医・地域の関係機関との連携づくりを通じて、一人ひとりの状況や変化に応じた切れ目のない支援を実現する役割です。センターはこの連携の輪をつくるため、介護サービス事業者や医療機関、民生委員、ボランティアなど、地域のさまざまな関係者とつながっています。

介護予防ケアマネジメント

要支援と認定された方などが、介護予防や日常生活の支援を目的とした活動を、自分の選択にもとづいて行えるように支援する役割です。「まだ介護は必要ないけれど、体力の衰えが気になる」という段階から、フレイル予防や転倒予防につながる取り組みを一緒に考えてくれます。介護保険で対応しきれない部分を、介護保険外サービスや民間の教室で補うという選び方もあります。サービスの種類や費用の目安については、次の記事にまとめています。

地域包括支援センターに相談できること

地域包括支援センターには、介護の手続きから日々の暮らしの小さな不安まで、幅広い相談が寄せられます。ここでは、60代・シニアご本人の相談と、離れて暮らす家族からの相談に分けて、具体的な相談例を紹介します。

シニア本人の体力・暮らしの不安

「最近つまずきやすくなった」「外出がおっくうで、家にこもりがち」といった、体力や暮らしの変化に関する相談ができます。こうした変化を放っておくと、筋力低下やフレイルが進み、転倒や閉じこもりにつながることもあります。早めに相談することで、介護予防教室や運動習慣づくりなど、自分に合った取り組みを紹介してもらえます。

  • 足腰が弱ってきた、歩くのが遅くなったと感じる
  • 物忘れが増えてきて、認知症が心配
  • 一人暮らしで、もしものときが不安
  • 買い物や通院など、日常のちょっとした手伝いがほしい

外出が減った状態が続くと体や心にどんな変化が現れるのか、その予防法は、次の記事でくわしく解説しています。

家族(親)の介護・見守りの心配

離れて暮らす親のことが心配な、40代・50代のお子様世代も相談できます。「実家の親の物忘れが増えた」「電話で様子がおかしいと感じる」といった段階でも相談でき、家族としてできるサポートや、使える制度を一緒に整理してもらえます。介護は家族だけで抱え込むと負担が大きくなりがちですが、地域包括支援センターを窓口にすることで、専門職と一緒に対応を考えられます。離れて暮らす親の体力低下が気になる方に向けて、家族ができるサポートを次の記事にまとめています。

地域包括支援センターの使い方・利用の流れ

実際に相談したいとき、どこへ行けばよいのか、どんな流れになるのかを知っておくと、いざというときに動きやすくなります。担当センターの探し方から相談の進み方まで、順を追って見ていきましょう。

担当のセンターの探し方

地域包括支援センターは担当エリアが決まっているため、まずは「自分の住所を担当するセンター」を調べることから始めます。お住まいの市区町村の窓口に電話で問い合わせるか、市区町村のホームページで一覧を確認するのがおすすめです。名称は「◯◯地域包括支援センター」「高齢者あんしん相談センター」など、自治体によって呼び方が異なる場合もあります。

相談してから利用までの流れ

相談は、電話や窓口で受け付けてもらえます。必要に応じて、職員が自宅を訪問して話を聞いてくれることもあります。相談内容に応じて、介護保険の申請案内、介護予防教室の紹介、福祉用具や住宅改修の相談先の案内など、次の一歩へつないでくれます。たとえば、手すりの設置など住まいの安全対策についても、使える制度を教えてもらえます。手すりに使える介護保険の補助や申請の流れは、次の記事にまとめています。

対象となる方や利用できるサービスの範囲は、お住まいの市区町村によって異なります。「これは相談してよいことなのかな」と迷う内容でも、まずは電話で聞いてみるのがおすすめです。

介護予防に地域包括支援センターを活かす

地域包括支援センターは、介護が必要になってから使う場所というイメージがあるかもしれません。けれども本来は、介護予防やフレイル予防に取り組み、自分の足で歩ける生活を長く続けるための窓口でもあります。60代のうちから知っておきたい、元気な今だからこそできる使い方を紹介します。

「まだ元気」なうちから使ってよい

地域包括支援センターは、要介護認定を受けていない方でも相談できます。「体力の衰えが気になり始めた」「これから何に気をつければいいか知りたい」という段階で相談することで、地域の介護予防教室や体操の集まりなど、無理なく続けられる取り組みを紹介してもらえます。早めに動くほど、選べる選択肢は広がります。介護予防教室の選び方や通うメリットは、次の記事でくわしく解説しています。

運動習慣で自立した生活を長く続ける

フレイル予防や転倒予防のカギになるのが、日々の運動習慣です。ウォーキングや自宅でできる体操など、無理のない運動を続けることで、筋力やバランスを保ちやすくなり、自立した生活を長く続けることが期待できます。地域包括支援センターで相談しながら、公的な介護予防教室と民間のスタジオを組み合わせて、続けやすい環境を整えるのも一つの方法です。フレイルの意味や、運動・食事・社会参加を含めた予防の考え方は、次の記事が参考になります。

よくある質問

地域包括支援センターの利用に費用はかかりますか?

地域包括支援センターの運営は、市町村が行う地域支援事業(包括的支援事業)として実施されています。費用の扱いは市区町村によって異なる場合があるため、心配な場合は事前にお住まいの市区町村へ確認すると安心です。なお、相談から紹介された介護サービスや教室には、別途費用がかかる場合があります。

誰が相談できますか?本人でなくても大丈夫ですか?

ご本人はもちろん、ご家族や近所の方などからの相談も受け付けています。離れて暮らす親のことが心配な40代・50代の方が、代わりに相談することもできます。対象や利用の範囲は市区町村によって異なるため、まずは電話で聞いてみるとよいでしょう。

まだ介護は必要ないのですが、相談してもよいですか?

はい、要介護認定を受けていない方でも相談できます。「体力の衰えが気になる」「将来に備えて知っておきたい」という段階から、介護予防やフレイル予防につながる取り組みを紹介してもらえます。元気なうちから使える窓口です。

どこにあるのか、どうやって探せばよいですか?

地域包括支援センターは担当するエリアが決まっています。お住まいの市区町村の窓口に問い合わせるか、市区町村のホームページで一覧を確認すると、自分の住所を担当するセンターがわかります。全国で5,487か所(令和7年4月末現在)が設置されています。

どんな専門職が対応してくれますか?

保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員などの専門職が配置されています。健康・福祉・介護という異なる専門性を持つスタッフがチームで対応するため、「どこに相談すればよいかわからない」段階でも、まとめて受け止めてもらえます。

地域包括支援センターと民間の運動教室は、どう使い分ければよいですか?

地域包括支援センターは、公的な相談や制度の案内が中心です。運動を習慣にしたい場合は、地域包括支援センターで介護予防教室を紹介してもらいつつ、続けやすい民間のスタジオを併用する方法もあります。目的や通いやすさに合わせて組み合わせるとよいでしょう。

参考にした主なデータ・指針

  • 厚生労働省「地域包括支援センターについて」(PDF)(地域包括支援センターの定義〈市町村が設置主体となり、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等を配置して、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設。介護保険法第115条の46第1項〉、総合相談支援事業・権利擁護事業・包括的・継続的ケアマネジメント支援事業・第一号介護予防支援事業〈介護予防ケアマネジメント〉の4業務、すべての市町村に設置されていること、設置数〈5,487か所。ブランチ1,567か所・サブセンター320か所を含めて7,374か所。令和7年4月末現在〉、運営形態〈市町村直営が2割・委託が8割〉を引用)
  • 厚生労働省「地域包括支援センターの設置運営について」(PDF)(総合相談支援事業の内容〈初期段階での相談対応及び継続的・専門的な相談支援、地域における適切な保健・医療・福祉サービス、機関又は制度の利用につなげる支援〉、権利擁護事業の内容〈成年後見制度の活用促進、老人福祉施設等への措置の支援、高齢者虐待への対応、困難事例への対応、消費者被害の防止に関する諸制度の活用〉、包括的・継続的ケアマネジメント支援事業の内容〈介護支援専門員、主治医、地域の関係機関等の連携と、個々の介護支援専門員に対する支援〉、担当圏域を市町村の判断で設定することを引用)
  • 厚生労働省「地域包括ケアシステム」(地域包括支援センターが、地域の高齢者の総合相談、権利擁護や地域の支援体制づくり、介護予防の必要な援助などを行う、地域包括ケア実現に向けた中核的な機関として市町村が設置しているという位置づけと、全国で5,487か所〈令和7年4月末現在〉という設置状況を参照)

まとめ|困ったときの相談窓口として覚えておく

地域包括支援センターは、市町村が設置するシニアのための総合相談窓口です。介護や生活の不安を、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員などの専門職にまとめて相談でき、介護予防や自立した生活を長く続けるための入り口にもなります。困ってからではなく、60代の元気な今のうちに「相談できる場所がある」と知っておくことが、これからの安心につながります。

今日から始める、地域包括支援センターの使い方:

  • お住まいの市区町村で、自分の住所を担当するセンターを調べておく
  • 「まだ元気」なうちから、介護予防や体力づくりの相談をしてみる
  • 離れて暮らす親のことも、家族として早めに相談する
  • 公的な介護予防教室と、続けやすい民間のスタジオを組み合わせて考える

まちFitで、自分の足で歩ける毎日を続けませんか

地域包括支援センターで介護予防の相談をしたら、次は「無理なく続けられる運動の場」を見つけることが大切です。まちFitは、東京都大田区・池上と神奈川県川崎に拠点を置く、シニア向けの健康スタジオです。体力に自信がない方や運動が久しぶりの方でも、一人ひとりのペースに合わせて、少しずつ体を動かすことから始められます。

  • フレイル予防・転倒予防を意識した、シニア向けの運動プログラム
  • 体力や目的に合わせて、専門スタッフが強さを調整
  • いすに座ったままできる体操など、運動が久しぶりでも安心
  • 仲間と一緒に通うことで、社会参加や外出のきっかけにも
まちFit池上スタジオでシニアが体を動かす様子

運動を習慣にすることは、フレイル予防や転倒予防につながり、自立した生活を長く続ける支えになります。ご家族と一緒に見学することもできます。

まずは見学や体験から始めてみませんか?

スタジオの雰囲気や見学のご予約は、施設紹介ページからご確認いただけます。ご自身のために、そして大切なご家族のために、気軽な一歩を踏み出してみてください。

あわせて読みたい関連記事

【編集体制】この記事は、まちFit編集部が制作し、まちFitスタジオ運営者監修のもとで公開しています。介護・福祉に関する公的機関の情報をもとに、シニアの方やご家族にわかりやすい表現を心がけています。

【ご注意】本記事は介護・健康づくりに関する一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療を目的とするものではありません。介護保険や地域包括支援センターの対象・利用方法などの制度の内容は、お住まいの市区町村によって異なる場合があります。詳しくはお住まいの市区町村の窓口にご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次