シニアの靴の選び方|60代・高齢者が転倒を防ぐ歩きやすい一足

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まちFit
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東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
60〜80代の会員様と日々向き合う中で得た現場知識をもとに、無理なく続けられる健康習慣を発信しています。

シニアの靴の選び方は、毎日の歩きやすさと転倒予防を左右する大切な土台です。年齢を重ねると足の形やむくみ方が少しずつ変わり、若いころと同じ感覚で選んだ靴が合わなくなることも少なくありません。合わない靴はつまずきや疲れ、足のトラブルの引き金になり、外出やウォーキングから足が遠のいて運動習慣が途切れる原因にもなります。この記事では、60代・高齢者の方が自分の足に合った一足を選ぶためのポイントを、サイズや靴底の見方から試し履きのコツ、避けたい履物まで、まちFit編集部がやさしく整理してお伝えします。

目次

なぜシニアの靴選びが大切なのか

「まだ履けるから」と長年同じ靴を使い続けている方は多いものです。けれど加齢とともに足そのものが変化するため、靴の選び方を見直すことは足腰の健康を守るうえで欠かせません。ここでは、足に起こる変化と、合わない靴が招きやすいトラブルを整理します。

加齢とともに足に起こる変化

年齢を重ねると、足の裏のアーチ(土踏まず)を支える力がゆるみ、足幅が広がったり足が長く感じられたりすることがあります。また夕方になると足がむくみやすく、朝と夕方でサイズ感が変わる方も少なくありません。皮膚が薄く乾きやすくなることで、わずかな靴ずれが傷につながりやすい点にも注意が必要です。

こうした変化は自然なものですが、放っておくと「昔のサイズ」のまま窮屈な靴やゆるい靴を履き続けることになります。足のむくみが気になる方は、原因と自宅でできる対処を次の記事でまとめています。

合わない靴が招きやすいトラブル

サイズや形が合わない靴は、足指の変形や靴ずれ、まめ、爪のトラブルの原因になります。さらに、かかとが安定しない靴やすべりやすい靴底は、つまずきや転倒のリスクを高めます。

転倒を「ころんだだけ」と軽く見ないほうがよい理由も、はっきりしています。健康長寿ネットは、加齢とともに運動能力や筋力が低下して転びやすくなるうえ、高齢者では骨が弱くなっていることが多く、転倒により容易に背骨の圧迫骨折や股関節付近の骨折(大腿骨頚部骨折)を伴うと説明しています。そしてこれらの骨折はさらなる移動能力の低下をもたらし、その後の健康的な生活を損なう原因となる、とされています。同サイトは、高齢者では一度骨折してしまうとなかなか受傷前の生活活動度にもどれないことから、転倒予防・骨折予防が重要だとまとめています。

足元が不安だと歩幅が小さくなり、外出がおっくうになって運動習慣が減り、フレイル(心身の活力が低下した状態)やロコモティブシンドロームにつながることも心配されます。日本整形外科学会のロコモONLINEは、ロコモティブシンドロームを「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態」と定義しており、運動器とは骨・関節・筋肉・神経などで成り立つ、立つ・歩く・作業するために必要な身体の仕組み全体を指すと説明しています。同サイトによると、要支援、要介護になる原因のトップは転倒、骨折や関節の病気など運動器の故障です。歩きやすい靴を選ぶことは、こうした流れを防ぐ介護予防の第一歩といえます。

シニアの靴の選び方で確認したい7つのポイント

靴を選ぶときは、デザインや価格だけでなく「足を守る作り」に目を向けることが大切です。ここでは60代・高齢者の方に特に確認してほしい点を、サイズ・足の当たる部分・靴底や留め具の3つの視点に分けて紹介します。次のポイントを押さえるだけで、転倒予防と歩きやすさがぐんと変わってきます。

サイズと足幅を合わせる

つま先に1センチほどのゆとりがあり、指を軽く動かせる程度が目安です。長さだけでなく、足の一番広い部分(親指と小指の付け根)がきつくないか、幅(ワイズ)も忘れずに確かめましょう。きつい靴は血流や足指の動きを妨げ、大きすぎる靴は中で足が滑ってつまずきの原因になります。

  • かかとを合わせてから、つま先に指1本分のゆとりがあるか確認する
  • 足の幅・甲の高さが窮屈でないか、締めつけ感がないかを見る
  • 左右で足の大きさが違う場合は、大きいほうの足に合わせる

かかととつま先の作りを見る

かかとを包む部分(ヒールカウンター)がしっかりして横に倒れにくいものは、足首が安定して歩行を支えてくれます。つま先はやや上に反り返っているものだと、地面を蹴り出しやすく、わずかな段差でのつまずきを防ぎやすくなります。反対に、かかとがぐらつく靴やつま先が地面に引っかかりやすい靴は避けたいところです。

靴底・留め具・重さを確かめる

靴底は適度な溝があり、ぬれた床でもすべりにくいものを選びます。厚すぎて硬い靴底は路面の感覚がつかみにくいため、程よい弾力があるものが安心です。留め具は面ファスナー(マジックテープ)やゴムひもなど、脱ぎ履きしやすく足の甲でしっかり固定できるものがおすすめです。

  • 靴底の溝がすり減っていない、すべりにくい素材のもの
  • 手で軽く曲げたときに、つま先側の関節部分で自然に曲がるもの
  • 面ファスナーやゴムひもで、むくみに合わせて締め具合を調整できるもの
  • 片手で持って軽く感じる、足に負担の少ない重さのもの

場面別に見るシニアの靴の選び方

ひとくちに靴といっても、屋外の散歩用と家の中で履くものでは求められる作りが違います。生活の場面ごとに合った一足を用意することで、足腰への負担を減らし、安全に動ける範囲が広がります。ここでは屋外と室内に分けて、選び方の目安をお伝えします。

屋外・散歩やウォーキング用

散歩やウォーキングには、かかとが安定し、靴底がすべりにくいスニーカータイプが向いています。長く歩いても疲れにくいよう、クッション性と軽さのバランスを確かめましょう。雨の日に履くなら、なおのこと靴底のグリップが大切です。歩く時間帯や距離、疲れにくい歩き方のコツは、次の記事にまとめています。

室内・家の中で履くもの

家の中だから安心、とは限りません。健康長寿ネットは、骨折を伴う転倒は屋内での転倒者に多いことが知られていると述べ、段差をなくす、暗い廊下やトイレなどに自動点灯の照明を設置するなど、住環境の整備も重要な転倒予防法の一つだとしています。

足元も住環境の一部です。かかとのないスリッパやサンダルは脱げやすく、段差や敷居でつまずく原因になりがちです。室内でも、かかとを包み、足にフィットして脱げにくい室内履きを選ぶと安心です。バランスに不安がある方は、足元を整えると同時に体づくりも進めると効果的です。自宅でできるバランス訓練のやり方は、こちらの記事で手順を紹介しています。

試し履きのコツと、避けたい履物・買い替えの目安

どんなに評判の良い靴でも、自分の足に合うかどうかは履いてみないとわかりません。通販だけで決めず、できるだけ実際に試してから選ぶことが、後悔しない靴の選び方のいちばんの近道です。ここでは試し履きで押さえたいコツと、あわせて注意したい履物・買い替えの目安を整理します。

夕方に、両足で試す

足は夕方にかけてむくみやすいため、むくんだ状態でもきつくないかを確かめられる夕方以降の試し履きがおすすめです。また左右で足の大きさが違うことは珍しくないので、両方の足に履いて確認しましょう。普段使っている靴下をはいて試すと、実際の履き心地に近づきます。

実際に数歩あるいて確かめる

座ったままではなく、店内を数歩あるいてみて、かかとが浮かないか、指先が当たらないか、すべる感じがないかを確認します。少しでも当たる・痛いと感じたら、サイズや幅、別の形を試しましょう。「履いているうちになじむだろう」と無理をすると、足を痛める原因になります。

つまずきやすい・避けたい履物

次のような履物は脱げやすかったり足が安定しなかったりするため、外出時にはできるだけ避けたいものです。どうしても履く場面では、平らな場所で短時間にとどめるなど、使い方に気をつけましょう。

  • かかとのないスリッパ・つっかけ・ミュール
  • 底が平らでつるつるした素材のサンダル
  • かかとが高い靴や、足を固定できないゆるい靴
  • 靴底の溝がすり減り、すべりやすくなった古い靴

買い替え・お手入れの目安

靴底の溝がすり減ってきたり、かかとの内側がつぶれてきたりしたら買い替えのサインです。見た目がきれいでも、クッションや支える力は少しずつ落ちていきます。中敷きの汚れやにおい、変形が気になったら早めに見直しましょう。日ごろから風通しの良い場所で乾かし、複数の靴を履き回すと長持ちします。

靴を味方に、歩く習慣を続けましょう

自分の足に合った靴は、歩くことを楽にし、外出や運動を続ける後押しになります。歩きやすい靴で無理なく体を動かすことは、転倒予防フレイル予防介護予防にもつながっていきます。

厚生労働省の「『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』推奨シート:高齢者版」では、高齢者について次のように示されています。

強度が3メッツ以上の身体活動を週15メッツ・時以上行うことを推奨する。具体的には、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上行うことを推奨する(1日約6,000歩以上に相当)。

あわせて、同じ推奨シートでは「筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を、週3日以上行うことを推奨する。」とも示されています。数字だけ見ると遠く感じるかもしれませんが、同じシートには「上記の強度、推奨値に満たなくとも、少しでも身体活動を行うことを推奨する」という一文もあります。いきなり1日40分以上・約6,000歩以上を目指す必要はありません。まずは合う靴で近所を歩くところから、無理のない範囲で運動習慣を育てていきましょう。1日の歩数の考え方については、次の記事でくわしく解説しています。

靴とあわせて体のほうも整えておくと安心です。健康長寿ネットは、転倒・転倒による怪我の予防として、下肢筋力およびバランス機能の改善が有効であり、片足立ちやスクワットといった簡単な運動から始めること、柔軟性をあげるストレッチ運動や身体活動量をあげる体操も転倒予防に有効であることを挙げています。歩く前後にふくらはぎをほぐしておくと、足の疲れやつりの予防に役立ちます。

転倒のリスクそのものを減らす体づくりの考え方は、こちらの記事で整理しています。

よくある質問

シニアの靴のサイズは、どのくらいゆとりがあればよいですか?

つま先に1センチ程度のゆとりがあり、指を軽く動かせるくらいが目安です。長さだけでなく足幅もあわせて確認し、きつすぎず、中で足が滑らない程度を選ぶと安心です。夕方のむくんだ状態でも試しておくと失敗しにくくなります。

マジックテープの靴とひもの靴、どちらがよいですか?

脱ぎ履きのしやすさや調整のしやすさを重視するなら、面ファスナー(マジックテープ)タイプがおすすめです。足のむくみに合わせて締め具合を変えやすく、かがむのがつらい方にも扱いやすい作りです。ひも靴でも、しっかり固定できていれば問題ありません。

家の中でもスリッパはやめたほうがよいですか?

健康長寿ネットは、骨折を伴う転倒は屋内での転倒者に多いことが知られていると述べています。かかとのないスリッパは脱げやすく、段差や敷居でつまずく原因になりやすいため、外出時と同じように注意したい履物です。室内でも、かかとを包んで脱げにくい室内履きを選ぶと、家の中での転倒予防につながります。

靴はどのくらいで買い替えればよいですか?

靴底の溝がすり減った、かかとの内側がつぶれた、クッションのへたりを感じる、といった変化が買い替えの目安です。見た目がきれいでも支える力は落ちていくため、履き心地の変化を感じたら早めに見直しましょう。

外反母趾や足の痛みがあるときの靴の選び方は?

足幅にゆとりがあり、当たって痛い部分を締めつけない、やわらかい素材の靴が向いています。ただし痛みが続く場合は自己判断だけで対処せず、整形外科など専門の医療機関に相談することをおすすめします。

通販で靴を買っても大丈夫ですか?

サイズや幅の感覚は商品ごとに違うため、できれば一度実際に履いて確かめてから選ぶのが安心です。通販を利用する場合は、普段のサイズだけで決めず、返品や交換ができるかを確認し、届いたら室内で歩いて確かめましょう。

参考にした主なデータ・指針

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』推奨シート:高齢者版」(強度が3メッツ以上の身体活動を週15メッツ・時以上、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上に相当)、筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を週3日以上、上記の強度・推奨値に満たなくとも少しでも身体活動を行うことを推奨、という推奨事項を引用)
  • 日本整形外科学会 ロコモONLINE「ロコモを知ろう」(ロコモティブシンドロームの定義「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態」、運動器は骨・関節・筋肉・神経などで成り立つ立つ・歩く・作業するために必要な身体の仕組み全体であること、要支援・要介護になる原因のトップが転倒、骨折や関節の病気など運動器の故障であること、を引用)
  • 健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)「転倒」(加齢とともに運動能力や筋力が低下して転びやすくなること、転倒により背骨の圧迫骨折や大腿骨頚部骨折を伴いやすくさらなる移動能力の低下をもたらすこと、一度骨折すると受傷前の生活活動度にもどりにくいこと、骨折を伴う転倒は屋内での転倒者に多く住環境の整備も重要な転倒予防法の一つであること、転倒予防には下肢筋力およびバランス機能の改善が有効で片足立ちやスクワット・ストレッチ運動・体操が挙げられること、を引用)

まとめ:自分の足に合う一足で、安心して歩ける毎日を

シニアの靴の選び方は、サイズと足幅、かかとの安定、すべりにくい靴底、脱ぎ履きしやすい留め具の4点を押さえることが基本です。加齢で足は変化するため、夕方に両足で試し履きし、実際に歩いて確かめてから選びましょう。足元を整えることは、転倒予防と歩きやすさを支え、自分の足で歩ける生活を長く続ける助けになります。

今日から始める靴の選び方の習慣:

  • 朝と夕方で足のサイズ感が変わることを意識し、夕方に試し履きする
  • 長さだけでなく足幅とかかとの安定、靴底のすべりにくさを確かめる
  • 室内でもかかとを包む脱げにくい室内履きを選ぶ
  • 靴底のすり減りやかかとのつぶれを見つけたら早めに買い替える

歩きやすい体づくりは、まちFitで無理なく続けられます

「合う靴を履いても、少し歩くと疲れてしまう」「転ばないか不安で外出が減った」——そんなときは、靴の選び方とあわせて足腰の体づくりを始めてみませんか。シニア向け健康スタジオ「まちFit」では、60代からでも無理なく続けられる運動を、経験豊富なスタッフがサポートします。

  • 一人ひとりの体力に合わせた無理のないプログラム
  • 転倒予防やバランスを意識した足腰の運動
  • 椅子を使うなど、体力に不安がある方も安心の内容
  • 同世代の仲間と楽しく続けられる雰囲気
まちFit川崎スタジオでシニアが体を動かす様子

足元と体づくりの両方を整えることで、外出やお出かけがもっと楽しくなります。60代の今から「自分にもできそう」と感じたら、まずは気軽に一歩を踏み出してみてください。

まずは見学や体験から始めてみませんか?

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この記事は、シニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営する株式会社Envalueの編集部が、まちFitスタジオ運営者監修のもとで制作しています。日々のレッスンで得た知見と公的機関の情報をもとに、60代からの健やかな毎日づくりに役立つ情報をお届けしています。

本記事は健康づくりに関する一般的な情報提供を目的としており、診断・治療を目的としたものではありません。足の痛みや変形、持病がある方、体調に不安がある方は、靴選びや運動を始める前に医師など専門家にご相談ください。効果の感じ方には個人差があります。

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