シニアのセラバンド体操9選|60代・高齢者が自宅でできるやり方

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まちFit
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東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
60〜80代の会員様と日々向き合う中で得た現場知識をもとに、無理なく続けられる健康習慣を発信しています。

「立ち上がるときに足に力が入りにくい」「重い道具を使う運動はこわい」。そんな60代・シニアの方が自宅で始めやすい筋力トレーニングが、ゴム製のバンドを使うセラバンド体操です。椅子に座ったままでも行え、バンドの強さを選べば、力に自信のない方でも自分に合った負荷で取り組めます。

この記事では、医療・介護の現場で使われているセラバンドのエクササイズマニュアル(酒井医療)をもとに、椅子に座ったまま自宅でできるセラバンド体操9選のやり方を、健康長寿ネットや厚生労働省などの公的な情報とあわせて、まちFit編集部監修のもとで紹介します。始める前の準備、安全に続けるための注意点、頻度の目安もまとめました。

目次

セラバンド体操とは?高齢者の筋力づくりに使われる理由

セラバンドは、薄くて幅のあるゴム製のバンドです。この記事では、セラバンドをはじめとする平たいゴム製のバンドを使って、椅子に座ったまま行う筋力トレーニングを「セラバンド体操」と呼んで紹介します。

ゴムの伸び縮みを使う「チューブトレーニング」の一つ

公益財団法人長寿科学振興財団が運営する健康長寿ネットは、ゴム製のチューブやバンドを使う運動を次のように説明しています。

「チューブトレーニングとは伸縮性に富んだ特殊なゴム製のチューブやバンドを使った運動です。」

同ネットによると、セラバンドのような平たいバンドは「フィットネスバンド」と呼ばれ、病院や介護施設でのリハビリテーション、集団体操で多く用いられているタイプです。色別に強度が分かれていて、二重にして強度を高めたり、長さを調整したりできます。握力のない高齢者の場合は、両端に輪っかを作り、手首を通して使うこともできるとされています。

高齢者が取り組みやすい5つの特徴

健康長寿ネットは、チューブトレーニングの特徴として次のような点を挙げています。

  • 筋肉や関節への負荷が少ない
  • 伸ばす長さや強度によって運動の段階付けができる
  • 軽くて扱いやすい
  • 場所をとらずに行える
  • 立位・座位・臥位のどのような姿勢でも使用できる

同ネットは、不注意による事故が起こりにくく、高齢者でも安全に使用できることも特徴に挙げています。重りを持ち上げる運動と違って、座ったまま、自分に合った強さのバンドで始められるのが、高齢者にとっての大きな利点です。

セラバンド体操で期待できること

健康長寿ネットは、高齢者に集団プログラムとしてチューブトレーニングを3か月間行った研究で、要介護となる可能性の高い「ハイリスク高齢者」の最大歩行速度、最大1歩幅、バランス能力をみるテスト(FRT)、椅子から立って歩いて戻るまでの時間をみるテスト(TUGT)、膝伸展筋力(膝を伸ばす力)が向上したという報告を紹介しています。

一方で、同じ研究では、すでに要介護状態にある高齢者ではTUGTや健康関連QOLの改善はみられなかったとされています。健康長寿ネットはこの結果から、「フレイルのうちに積極的に運動を含む対策を行うことが望まれます。」と述べています。フレイル予防として、足腰の衰えを感じ始めた段階で始めることに意味がある、ということです。

なお、この研究で使われたのは、東京都立大学の山田拓実先生が介護予防運動プログラムとして開発した「せらばん体操」です。東京都荒川区は、セラバンドを使った「荒川せらばん体操」を区の健康づくり体操として紹介しており、足腰の筋力をアップさせ、「歩く力」を向上させる効果があるとしています。

筋力が落ちる原因と、60代で起こる体の変化については、次の記事で詳しく解説しています。

高齢者は足腰の筋力から落ちやすい

健康長寿ネットは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返す「レジスタンス運動」について、「とくに高齢者は加齢によって、上肢(腕)よりも下肢(足)の筋力低下が起こりやすくなります。」と説明しています。足の筋力が落ちると歩く力も落ち、階段の昇り降りや買物袋を運ぶといった日常の動作がしにくくなって、サルコペニア(加齢にともなう筋肉量の減少や筋力低下)やフレイルが進むとされています。

同ネットは、平均年齢90歳(86歳~96歳)の高齢者でもレジスタンス運動で筋肉量の増加と筋力アップが認められたという研究も紹介しています。何歳からでも、筋肉は応えてくれるということです。筋肉量を守る運動と食事のコツは、次の記事にまとめています。

セラバンド体操を始める前の準備と注意点

セラバンド体操は手軽な運動ですが、安全に続けるには道具と姿勢の準備、そして体調の確認が欠かせません。ここでは、セラバンドのエクササイズマニュアルと健康長寿ネットの注意点を整理します。

用意するもの:セラバンドと、背もたれのある椅子

セラバンドのエクササイズマニュアルでは、椅子に座って行う運動に、背もたれがあり、足が床に着く高さの椅子を使うとしています。肘かけのある椅子では行いにくい運動があるため、肘かけのない椅子が向いています。服装は、運動しやすい服と履物を選びましょう(荒川区)。

座り方は体の状態に合わせて選びます。マニュアルでは、座った姿勢が安定している方は、浅く腰掛けて背筋を伸ばし、体がぶれないように運動すると体幹の運動にもなるとしています。座った姿勢が不安定な方は、背もたれに背中をしっかりつけて、上体を安定させた状態で行いましょう。

バンドの強さの選び方

マニュアルによると、セラバンドは色別に8種の伸縮度があり、目標に合わせて段階的に使い分けができます。腕や肩の運動は、レベルの低い(伸ばしやすい)バンドから始めます。選び方の目安について、マニュアルは「1~2回が楽に感じるレベルが選定の目安となります。」としています。

続けるうちに筋力がつき、目標の回数が楽に感じるようになったら、次の段階のバンドに変えていきます。健康長寿ネットも、自分の筋力や体力、トレーニングの目的に合わせて、適したタイプと強度を選ぶようすすめています。

バンドの握り方

マニュアルでは、運動を始める位置でちょうど良い長さになるようにバンドを手のひらにかけ、さらに一巻きしてから握る方法を紹介しています。握力の弱い方は、バンドで輪をつくって手首に通してから握ります。運動したときに手の血行が悪くなるようであれば、バンドのレベルを下げるか、運動を中止してください。

始める前に体調をチェックする

健康長寿ネットは、運動を始める前に検温、血圧測定、脈拍測定を行い、いつもと変わらないか、自覚症状がないかを確認するようすすめています。同ネットが紹介している「運動開始前のセルフチェックリスト」では、次のような項目に一つでも当てはまれば、その日の運動は中止します。

  • 足腰の痛みが強い
  • 熱がある
  • 体がだるい
  • 吐き気がある、気分が悪い
  • 頭痛やめまいがする
  • 耳鳴りがする
  • 過労気味で体調が悪い
  • 睡眠不足で体調が悪い
  • 食欲がない
  • 二日酔いで体調が悪い
  • 下痢や便秘をして腹痛がある
  • 少し動いただけで息切れや動悸がする
  • 咳やたんが出て、風邪気味である
  • 胸が痛い
  • (夏季)熱中症警報が出ている

すべて当てはまらない場合でも、「いつもと違う」「体調がおかしい」と感じたら無理をせずに中止し、必要に応じて医療機関を受診しましょう。また荒川区は、「内科や整形外科などに通院している方は、主治医にあらかじめご相談ください。」と呼びかけています。自分の体力を事前に知っておきたい方は、自宅でできる体力チェックの方法を紹介した次の記事も参考になります。

バンドを安全に使うための注意

健康長寿ネットとセラバンドのマニュアルは、バンドの扱いについて次のような注意を挙げています。

  • ゴム製のため、ゴムアレルギーのある方は注意が必要。かゆみやショックなどの症状が出たら、すぐに使用をやめて医療機関を受診する
  • バンドは消耗品。使う前に、破れや穴などの傷がないか確認し、劣化したものは使わない
  • 靴を履いたまま踏んだり、指輪や長い爪、金属で傷つけたりしないようにする
  • 元の長さの3倍以上は伸ばさない
  • 直射日光の当たる場所や高温になる場所での保管は避け、結んだまま保管しない

セラバンド体操の基本のやり方|回数・速さ・呼吸

9つの体操に共通する、基本の動かし方です。どの運動も、この3つを守ると安全に、効果的に行えます。

「1・2・3・4」で伸ばし、「5・6・7・8」で戻す

セラバンドのエクササイズマニュアルでは、心の中で1・2・3・4と数えながらゆっくりと一定の速度でバンドを伸ばし、5・6・7・8でゆっくりと運動の開始位置へ戻す動かし方をすすめています。反動をつけず、動かしている部位を意識しながら行うことで効果が得られる、とされています。

息を止めず、力を入れるときに吐く

マニュアルでは、バンドを伸ばすときにゆっくり息を吐き、戻すときにゆっくり息を吸うように心がけ、呼吸を止めずに行うことが重要としています。厚生労働省のe-ヘルスネットも、筋力トレーニングでは「いずれの方法も血圧の急激な上昇を抑えるために、息をこらえないように注意してください。」と注意をうながしています。

荒川区は、力を入れるときに軽く声を出して号令をかけながら行うと血圧の上昇を防ぐ効果がある、としています。「いち、に、さん、し」と声に出して数えれば、テンポと呼吸を同時に守れます。

回数は少なめから始めて、10回を目標に

回数について、マニュアルは次のように示しています。

「最初は1~2回、慣れてきたら2~3回というふうに少しずつ回数を増やしていくようにし、10回を目標に行います。」

また、運動は必ず痛みのない範囲で無理なく行い、痛みなどの異常がある場合には医師や専門家に相談するよう明記しています。年齢や体力、関節の動く範囲、昔のけがや病気の影響で、マニュアルどおりに動かすのが難しい場合もあります。できる範囲の動きで十分です。

自宅でできるセラバンド体操9選|椅子に座ったままのやり方

ここからは、セラバンドのエクササイズマニュアルで紹介されている「椅子に座って行うエクササイズ」から、足腰の運動4種と、腕・肩・背中など上半身の運動5種の、あわせて9種を紹介します。健康長寿ネットが指摘するように高齢者は足の筋力から落ちやすいので、はじめは足腰の運動から選ぶのがおすすめです。すべてを一度に行う必要はありません。

鍛えられる部位は、マニュアルの図で示されているものです。左右がある運動は、片側が終わったら反対側も同じように行います。

1. 膝を伸ばす運動(太ももの前側)

  1. バンドを両足首近くのすねに2回巻きます。
  2. バンドを椅子の高さで握り、そのまま椅子の座面をつかみます。
  3. 片足は動かさず、反対側の膝を伸ばします。
  4. ゆっくりと元の位置へ戻します。

ポイントは、上体をできるだけまっすぐに保つことです。健康長寿ネットでは、バンドを八の字にして両足に通し、バンドの抵抗に負けないように片足ずつ膝を伸ばす方法(左右各10回)も紹介されています。

2. 膝を曲げる運動(太ももの裏側)

  1. バンドを両足首近くのすねに2回巻きます。
  2. バンドを椅子の高さで握り、そのまま椅子の座面をつかみます。
  3. 片足は動かさず、反対側の足を真後ろに滑らせるように引きます。
  4. ゆっくりと元の位置へ戻します。

体が前のめりになったり、反ったりしないようにしましょう。足を後ろへ引くスペースが必要なので、浅めに座って行います。

3. 足を開く運動(お尻の横)

  1. バンドを膝近くの太ももに2回巻き、それぞれ両端を握って、両方の太ももの上に置きます。
  2. 片足は固定して、反対側の足を滑らせるように外に広げます。
  3. ゆっくりと元の位置へ戻します。

体が前のめりになったり、反ったりしないようにしましょう。お尻の横の筋肉を使う運動です。

4. ももを引き上げる運動(太ももの前・付け根)

  1. バンドを膝近くの太ももに2回巻き、それぞれ両端を握って、両方のももの上に置きます。
  2. 運動する側と反対の膝に両手を置き、足が動かないよう固定します。
  3. 運動する側のももを引き上げます。
  4. ゆっくりと元の位置へ戻します。

体が前のめりになったり、反ったりしないようにしましょう。健康長寿ネットでも、太ももの位置にバンドを通し、抵抗に負けないように片足ずつ交互に太ももを上げる「足踏み運動」(20回)が紹介されています。

足腰と太ももの筋肉を、道具を使わずに鍛える運動は、次の記事で紹介しています。

5. 手の突き出し運動(胸・腕の後ろ側)

  1. バンドを背中に回し、脇をしめ、肘を曲げた位置で握ります。
  2. 両手を肩の高さで、前へ突き出します。
  3. ゆっくりと元の位置に戻します。

背中のバンドは肩甲骨の下あたりにくるようにし、上体をできるだけまっすぐに保ちます。片手ずつ行うこともできます。

6. 斜めパンチ運動(胸・わき腹)

  1. バンドを背中に回し、脇をしめ、肘を曲げた位置で握ります。
  2. 右手を左肩の前方に突き出し、ゆっくりと元の位置に戻します。
  3. 左手を右肩の前方に突き出し、ゆっくりと元の位置に戻します。

5の「手の突き出し運動」を斜めに行う運動です。背中のバンドは肩甲骨の下あたりにくるようにし、頭の位置は一定に保ちます。

7. ボート漕ぎ運動(背中・腕)

  1. 椅子に浅く腰掛けて、かかとは膝より後ろに引いておきます。
  2. バンドを膝下にかけ、背筋と肘を伸ばして膝の横で握ります。
  3. ボートを漕ぐように肘を曲げながら、両手を体の横あたりまで引きます。
  4. ゆっくりと元の位置へ戻します。

上体をできるだけまっすぐに保ちましょう。背中の大きな筋肉を使う運動で、片手ずつ行うこともできます。

8. 肘曲げ運動(腕の前側)

  1. 膝の裏にバンドを通して、肘を軽く曲げ、手のひらを上にして太ももの上で握ります。
  2. 手のひらを肩に近づけるように肘を曲げます。
  3. ゆっくりと元の位置へ戻します。

上体をできるだけまっすぐに保ち、肩が痛くならない範囲で行いましょう。片手ずつ行うこともできます。

9. 前から両手を上げる運動(肩)

  1. 膝の裏にバンドを通して、肘を伸ばしておへその高さで握ります。
  2. 肘を伸ばしたまま、肩の高さまで引き上げます。
  3. ゆっくりと元の位置へ戻します。

目線はまっすぐ前に保ったまま、上体が反らないようにします。片手ずつ行うこともできます。マニュアルには、両手をハの字に広げて横から上げる運動も載っています。

マニュアルには、ほかに「腕を後ろに引く運動」「お腹を縮める運動」など座って行う運動と、胸をひらく運動・立ちしゃがみ運動など立って行う運動4種も紹介されています。座ったままの運動に慣れ、立った姿勢が安定している方は、こうした種目を加えるのも一つの方法です。肩まわりをやさしくほぐしたい方は、次の記事もあわせてどうぞ。

セラバンド体操の頻度の目安と続けるコツ

筋力トレーニングは週2~3日が目安

筋肉には、疲労から回復する時間が必要です。厚生労働省のe-ヘルスネットは、筋力トレーニングは標的の筋肉に負荷を集中する運動なので、その筋肉が回復できるようトレーニングの間隔をあける必要があると説明しています。そのうえで、「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が成人と高齢者に対して週あたり2~3回の実施を推奨していることを紹介しています。

同ガイドの推奨シート(高齢者版)には、筋力トレーニングについて次のように書かれています。

「筋力トレーニングを週2~3日行うことを推奨する(多要素な運動に含めてもよい)。」

e-ヘルスネットによると、筋力トレーニングによって筋力、身体機能、骨密度が改善し、高齢者では転倒や骨折のリスクが低減することが示されています。転倒予防の面からも、セラバンド体操は、この「筋力トレーニング」として週2~3日取り入れるのが目安です。毎日行う場合は、足腰の日と上半身の日に分けるなど、同じ筋肉が続けて休めない日をつくらない工夫をしましょう。

体全体の活動量も一緒に増やす

同じ推奨シートは、筋力トレーニングとは別に、体全体を動かす量についても目安を示しています。

「強度が3メッツ以上の身体活動を週15メッツ・時以上行うことを推奨する。具体的には、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上行うことを推奨する(1日約6,000歩以上に相当)。」

「筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を、週3日以上行うことを推奨する。」

あわせて、「上記の強度、推奨値に満たなくとも、少しでも身体活動を行うことを推奨する。」とも明記されています。セラバンド体操で筋力をつけながら、散歩などで体を動かす時間も少しずつ増やしていきましょう。筋力・バランス・柔軟性を組み合わせたい方は、自宅でできるバランス訓練を紹介した次の記事も参考になります。

続けるための工夫

健康長寿ネットは、鍛えた筋肉を使い続けることも大切だとして、個別の筋力トレーニングに加えて、日常的にウォーキングを行うことや活動的な生活を送ることをすすめています。体操は、毎日の決まった時間とセットにすると忘れにくくなります。たとえば「朝食のあとに足腰の4種」「夕方のテレビの時間に上半身の5種」のように、生活の流れの中に組み込んでみてください。

一人では続かないという方は、体操教室や地域の介護予防の取り組みを利用するのも一つの方法です。健康長寿ネットによると、チューブトレーニングは地域の体育施設や介護施設などでも実施されています。60代の女性向けに、自宅でできる筋トレを部位別にまとめた次の記事もあわせてどうぞ。

セラバンド体操についてよくある質問

セラバンドはどこで買えますか?どの強さを選べばよいですか?

健康長寿ネットによると、トレーニングチューブやフィットネスバンドはスポーツ用品店や通販サイトなどで市販されており、購入すれば自宅でも取り組めます。セラバンドは色別に8種の伸縮度があり、セラバンドのエクササイズマニュアルでは、腕や肩の運動はレベルの低いバンドから始め、1~2回が楽に感じるレベルを選ぶ目安としています。

毎日行ってもよいですか?頻度の目安は?

厚生労働省のe-ヘルスネットは、筋力トレーニングは筋肉の回復のために間隔をあける必要があるとし、「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が成人と高齢者に週あたり2~3回の実施を推奨していることを紹介しています。毎日行う場合は、足腰の日と上半身の日に分けるなど、同じ筋肉を続けて使わない工夫をしましょう。

1つの運動は何回くらい行えばよいですか?

セラバンドのエクササイズマニュアルは、最初は1~2回、慣れてきたら2~3回というように少しずつ回数を増やし、10回を目標に行うとしています。1・2・3・4と数えながらゆっくり伸ばし、5・6・7・8でゆっくり戻すのが基本です。

どのくらい続けると変化を感じられますか?

感じ方には個人差があります。健康長寿ネットは、高齢者に集団プログラムとしてチューブトレーニングを3か月間行った研究で、要介護となる可能性の高い高齢者の最大歩行速度や歩幅、膝を伸ばす力などが向上したという報告を紹介しています。一方、すでに要介護状態の方ではTUGTや健康関連QOLの改善はみられなかったとされており、足腰の衰えを感じ始めた段階で続けることが大切です。

痛みや持病があるときも行ってよいですか?

セラバンドのエクササイズマニュアルは、運動は必ず痛みのない範囲で無理なく行い、痛みなどの異常がある場合は医師や専門家に相談するよう明記しています。荒川区も、内科や整形外科などに通院している方は主治医にあらかじめ相談するよう呼びかけています。ゴムアレルギーのある方は、かゆみやショックなどの症状に注意が必要です。

握力が弱くてバンドをしっかり握れません。どうすればよいですか?

セラバンドのエクササイズマニュアルでは、握力の弱い方はバンドで輪をつくって手首に通してから握る方法を紹介しています。健康長寿ネットも、握力のない高齢者の場合は両端に輪っかを作り、手首を通して使えるとしています。運動したときに手の血行が悪くなるようであれば、バンドのレベルを下げるか中止してください。

参考にした主なデータ・指針

  • 酒井医療株式会社「セラバンド エクササイズマニュアル」(PDF・2020.05)(椅子に座って行うエクササイズ9種の手順と鍛えられる部位、1・2・3・4で伸ばし5・6・7・8で戻す基本動作、呼吸、回数の目安、色(強度)の選び方、握り方、椅子と座り方、使用上・保管上の注意を参照し、回数の目安を引用)
  • 健康長寿ネット「高齢者のチューブトレーニングの効果と方法」(チューブトレーニングの定義と特徴、フィットネスバンドの特徴、3か月間の集団プログラムの研究結果、せらばん体操、膝を伸ばす運動と足踏み運動、注意点、運動開始前のセルフチェックリストを参照し、定義とフレイルの段階での対策についての記述を引用)
  • 健康長寿ネット「レジスタンス運動の効果と方法」(高齢者は上肢よりも下肢の筋力低下が起こりやすいことと、平均年齢90歳の高齢者でもレジスタンス運動で筋肉量増加と筋力アップが認められた研究を参照し、下肢の筋力低下についての記述を引用)
  • 健康長寿ネット「高齢者の筋力トレーニングの効果」(個別の筋力トレーニングに加えて日常的なウォーキングや活動的な生活で鍛えた筋肉を使い続けることの重要性を参照)
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」(筋肉の回復期間としてトレーニング間隔をあける必要があること、ガイド2023が成人と高齢者に週あたり2~3回の筋力トレーニングを推奨していること、高齢者では転倒や骨折のリスクが低減することを参照し、息をこらえないようにという注意を引用)
  • 厚生労働省「『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』推奨シート:高齢者版」(「強度が3メッツ以上の身体活動を週15メッツ・時以上行うことを推奨する。具体的には、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上行うことを推奨する(1日約6,000歩以上に相当)。」「筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を、週3日以上行うことを推奨する。」「筋力トレーニングを週2~3日行うことを推奨する(多要素な運動に含めてもよい)。」「上記の強度、推奨値に満たなくとも、少しでも身体活動を行うことを推奨する。」を引用)
  • 荒川区「荒川せらばん体操【体操編】」(セラバンドを使った荒川せらばん体操の特徴、運動しやすい服装と履物、力を入れるときに声を出して号令をかけると血圧上昇を防ぐ効果があることを参照し、通院中の方は主治医に相談するよう呼びかける記述を引用)

まとめ|セラバンド体操は「軽いバンド・少ない回数・ゆっくり」から

セラバンド体操は、ゴム製のバンドの伸び縮みを使って、椅子に座ったまま自宅で筋力をつけられる運動です。高齢者は足の筋力から落ちやすいため、膝を伸ばす・曲げる、足を開く、ももを引き上げるといった足腰の運動から始め、慣れてきたら腕や肩、背中の運動も加えていきましょう。伸ばしやすいバンドを選び、1~2回から10回を目標に、週2~3日を目安に続けることが、シニアの歩く力を守る第一歩です。それぞれのやり方は、この記事の9選を見返しながら少しずつ覚えていきましょう。

今日から始めるセラバンド体操の習慣:

  • 背もたれがあり、肘かけのない椅子と、1~2回が楽に感じる強さのバンドを用意する
  • 運動前にセルフチェックリストで体調を確かめる
  • 「1・2・3・4」で伸ばし「5・6・7・8」で戻す。息は止めずに声を出して数える
  • 1~2回から始めて、10回を目標に少しずつ増やす
  • 筋力トレーニングとして週2~3日。散歩など体を動かす時間も増やす

一人で続けるのが不安な方は、まちFitへ

「正しいやり方でできているか分からない」「一人だと続かない」という方にこそ、同世代の仲間と一緒に体を動かせる場所が力になります。まちFitは「健やかな毎日を、まちのそばで。」をコンセプトに、60代からのシニアの方が無理なく通える健康スタジオです。足腰の筋力が気になる方も、自分のペースで続けられます。

  • 同世代の仲間と一緒だから、楽しく続けやすい
  • 一人ひとりの体力に合わせて、無理なく参加できる
  • 足腰を支える運動を、スタッフと一緒に確認できる
  • まちのそばで通いやすく、外出のきっかけにもなる
まちFit池上スタジオで体を動かすシニアの様子

まちFit川崎スタジオの「かんたん体幹トレーニング」では、やわらかいボールやセラバンドを使い、椅子にすわった姿勢と立った姿勢で体の中心をきたえる45分のレッスンを行っています。ボールとセラバンドはスタジオで用意しているので、持ち物はお飲みものとタオルだけ。自宅で続けているセラバンド体操の動きを、インストラクターと一緒に確かめる場としても使えます。

運動は、自分に合った強さで、続けられることが何より大切です。まちFitでは、体験や見学を通して雰囲気を確かめてから始められます。

まずは見学や体験から始めてみませんか?

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この記事はまちFit編集部監修のもと、公的機関などが公開する情報を参照して作成しています。内容は一般的な健康情報の整理であり、特定の効果を保証するものではありません。

本記事は情報提供を目的としたものであり、診断・治療を目的とする医療行為に代わるものではありません。体調や症状に不安がある場合は、自己判断せず医療機関や専門家にご相談ください。

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