高齢者の骨折予防|60代から骨と足腰を守る運動・食事・転倒対策

壁につかまってかかと上げ運動をする60代女性のイラスト|高齢者の骨折予防|まちFit

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東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
60〜80代の会員様と日々向き合う中で得た現場知識をもとに、無理なく続けられる健康習慣を発信しています。

目次

高齢者に骨折が多いのはなぜ?予防が大切な理由

高齢者の骨折予防は、いつまでも自分の足で歩き、自立した生活を続けるためにとても大切なテーマです。年齢を重ねると骨密度が少しずつ低下し、ちょっとした転倒でも骨折につながりやすくなるとされています。ここでは、なぜシニアに骨折が起こりやすいのか、そして転倒予防や介護予防、フレイル予防の観点からなぜ早めの対策が役立つのかを、公的なデータをもとにやさしくお伝えします。

厚生労働省の「2025年(令和7年)国民生活基礎調査」によると、介護が必要となった主な原因のうち「骨折・転倒」は全体で14.6%を占め、認知症、高齢による衰弱に次ぐ第3位となっています。とくに要介護者に限ると「骨折・転倒」は14.8%で第2位に上がり、要支援者でも14.7%と上位に入っています。骨折や転倒が、その後の生活の質を大きく左右しやすいことがわかります。

背景には、加齢にともなう骨の変化があります。骨は一見変わらないように見えても、内部では古い骨が壊され新しい骨がつくられる新陳代謝を繰り返しています。年齢とともにこのバランスがくずれ、骨がもろくなる骨粗鬆症が進みやすくなります。「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」では、国内の骨粗鬆症患者は推計約1,280万人(男性約300万人、女性約980万人)とされ、特に閉経後の女性で骨密度が下がりやすいと報告されています。

さらに、筋肉量が減るサルコペニアや、心身の活力が低下するフレイルが重なると、バランスを崩したときに踏ん張りがきかず、転倒・骨折のリスクが高まりやすくなります。骨折予防は骨だけの問題ではなく、足腰の筋力づくりや転倒予防、ロコモティブシンドローム(運動器の衰え)対策と一体で考えることが、健康寿命を延ばす近道になります。

シニアに多い骨折の種類と起こりやすい場所

ひとくちに骨折といっても、シニアに起こりやすい部位にはいくつかの特徴があります。どこを骨折すると生活への影響が大きいのかを知っておくと、転倒予防の意識も高まります。ここでは代表的な4つの骨折と、そのサインについて整理します。

特に注意したいのが、太ももの付け根を折る「大腿骨近位部骨折」です。日本整形外科学会などの全国調査では、近年は年間十数万件規模で発生していると報告されており、多くは転倒がきっかけとされています。手術やリハビリが必要になることが多く、そのまま歩く力が落ちて介護が必要になる方も少なくありません。だからこそ、日ごろからの転倒予防と骨密度の維持が重要になります。

  • 大腿骨近位部骨折:太ももの付け根。転倒で起こりやすく、歩行や生活への影響が大きい
  • 脊椎圧迫骨折:背骨がつぶれるように変形。気づかないうちに進み、背中が丸くなる原因にも
  • 橈骨遠位端骨折:転んで手をついたときに手首を骨折。比較的初期に起こりやすい
  • 上腕骨近位部骨折:肩の近く。手をつけずに肩から転倒したときに起こりやすい

脊椎圧迫骨折のように、はっきりした転倒がなくても「いつの間にか骨折」が起こることもあります。「身長が縮んだ」「背中が丸くなってきた」「原因のはっきりしない背中や腰の痛みが続く」といったサインがあるときは、自己判断せず整形外科への相談を検討しましょう。腰の痛みが気になる方は、こちらの記事も参考にしてください。

骨折予防の土台になる骨を強くする食事

骨折予防の基本は、骨の材料をしっかり届ける食事です。カルシウムだけでなく、その吸収を助けるビタミンD、骨の質を支えるビタミンKやたんぱく質をバランスよくとることが、骨密度の維持につながると考えられています。ここでは、シニアが毎日の食卓で意識したい栄養素をご紹介します。

カルシウムとビタミンDをセットで意識する

骨の主成分であるカルシウムは、日本人に不足しやすい栄養素とされています。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、カルシウムの推奨量は65〜74歳で男性750mg・女性650mg、75歳以上で男性750mg・女性600mgが目安とされています。牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、小魚、豆腐や納豆などの大豆製品、小松菜などの青菜を組み合わせてとるとよいでしょう。

カルシウムの吸収を助けるのがビタミンDです。同基準ではビタミンDの目安量は成人・高齢者でおおむね9.0μg/日とされ、さけ・さんまなどの魚やきのこ類に多く含まれます。ビタミンDは日光を浴びることで皮膚でもつくられるため、無理のない範囲での散歩や外出も役立ちます。骨と栄養の関係をさらに知りたい方は、たんぱく質のとり方の記事もあわせてご覧ください。

たんぱく質で筋肉と骨の両方を守る

骨を支えるのは筋肉です。たんぱく質が不足すると筋肉量が減り、サルコペニアが進んで転倒しやすくなるだけでなく、骨の健康にも影響するとされています。肉・魚・卵・大豆製品・乳製品を3食に分けてとり、1食ごとに手のひら1枚分程度を目安にすると、無理なく続けやすくなります。極端な食事制限は低栄養やフレイルを招くおそれがあるため、しっかり食べることを大切にしましょう。

あわせて、骨の質を支えるビタミンK(納豆や青菜)、カルシウムの働きを助けるマグネシウム(海藻やナッツ)なども意識できると理想的です。特定の食品だけで骨が強くなるわけではなく、いろいろな食材をバランスよく組み合わせることが、骨密度の維持と骨折予防の土台になります。

骨折予防に役立つ運動|自宅でできる簡単メニュー

骨は、適度な負荷がかかることで丈夫さを保ちやすくなるとされています。ウォーキングなど体重がかかる運動や、足腰の筋力づくり、バランス運動を組み合わせることで、骨密度の維持と転倒予防の両方が期待できます。ここでは、シニアや運動初心者でも自宅で無理なく続けられるメニューを紹介します。痛みがあるときは中止し、体調に合わせて行いましょう。

骨に刺激を与える体重負荷運動

かかとを上げてストンと下ろす「かかと落とし」は、骨に軽い刺激を与える運動として知られています。壁や椅子につかまり、両足のかかとをゆっくり上げてから、かかとで着地するように下ろします。10回程度を1日2〜3セットが目安です。ウォーキングも体重がかかる有酸素運動で、骨と足腰の両方の維持に役立ちます。無理のない距離から、こまめに歩く習慣を意識しましょう。

足腰の筋力とバランスを鍛える

転倒を防ぐには、足腰の筋力とバランス感覚が欠かせません。椅子に座って立ち上がる動作をくり返す「スクワット」、椅子や壁につかまって片足で立つ「片足立ち」は、自宅で手軽にできる代表的な運動です。片足立ちは左右それぞれ30秒ほどを目安に、ふらつくときは必ず支えを使いましょう。ふくらはぎを動かす運動は血流や転倒予防にも役立ちます。

運動は「続けること」が何よりも大切です。一度にがんばりすぎず、テレビを見ながら、歯みがきのついでになど、生活の中に無理なく組み込むと習慣になりやすくなります。介護予防や健康寿命の観点からも、毎日少しずつ体を動かすことが、ロコモやフレイルの予防につながると考えられています。転倒予防の運動をもっと知りたい方は、次の記事も参考にしてください。

転倒を防ぐ暮らしの工夫|住まいと生活習慣

骨折の多くは、家庭内でのちょっとした転倒がきっかけになります。実は、シニアの転倒は屋外よりも住み慣れた家の中で起こることが少なくありません。運動や食事とあわせて、住まいの環境を整えることも、転倒予防・骨折予防の大切な柱です。ここでは今日から見直せるポイントを紹介します。

  • 床の段差やコード、めくれたマットなど、つまずきの原因を片づける
  • 廊下や階段、トイレ、浴室に手すりを設け、夜間は足元灯で明るさを確保する
  • 滑りにくい靴やかかとのある室内履きを選び、スリッパの引っかかりに注意する
  • あわてて動かず、立ち上がるときはひと呼吸おいてふらつきを防ぐ
  • 視力やめまい、服用中の薬の影響が気になるときはかかりつけ医に相談する

生活習慣の面では、喫煙や過度の飲酒が骨の健康によくない影響を与えるとされています。また、家に閉じこもりがちになると活動量が減り、筋力低下やフレイルが進みやすくなります。地域のサロンや運動教室など、人と交わる機会を持つことも、心身の元気を保ち、結果として転倒予防や介護予防につながります。骨折後のリハビリや回復期の過ごし方が気になる方は、こちらもご覧ください。

よくある質問

高齢者の骨折予防について、シニアやご家族からよく寄せられる質問をまとめました。日々の不安を減らすヒントとしてお役立てください。

高齢者の骨折予防は何歳から始めればよいですか?

骨密度は年齢とともに少しずつ低下するため、思い立ったときが始めどきです。特に女性は閉経後に骨密度が下がりやすいとされ、40代・50代のうちから食事と運動を意識しておくと、その後の骨折予防に役立つと考えられています。もちろん60代・70代からでも、栄養と運動、転倒対策の習慣づくりは十分に意味があります。

骨密度が下がっているか心配です。どこで調べられますか?

整形外科や一部の内科、自治体の骨粗鬆症検診などで骨密度を測定できます。背中が丸くなってきた、身長が縮んだ、原因のはっきりしない腰や背中の痛みが続くといったサインがあるときは、早めに医療機関へ相談すると安心です。相談先に迷うときは地域包括支援センターに問い合わせてみましょう。

カルシウムのサプリメントを飲めば骨折は防げますか?

サプリメントだけで骨折を防げると言い切ることはできません。基本は食事からカルシウムやたんぱく質、ビタミンD・Kをバランスよくとることです。持病がある方や薬を服用中の方は、サプリメントの利用前にかかりつけ医や薬剤師に相談すると、より安心して取り入れられます。

運動で骨は強くなりますか?

適度に体重がかかる運動や筋力づくりは、骨密度の維持や転倒予防に役立つことが研究で報告されています。ただし効果には個人差があり、「必ず強くなる」とは言えません。痛みのない範囲で、ウォーキングやかかと落とし、スクワットなどを無理なく続けることが大切です。

骨粗鬆症と言われました。運動しても大丈夫ですか?

一般的には、無理のない運動は骨や筋肉の健康維持に役立つとされますが、骨折のリスクや運動の内容は状態によって異なります。すでに骨粗鬆症と診断されている場合は、自己判断で強い運動を始める前に、主治医や理学療法の専門家に相談し、自分に合った運動を確認しましょう。

もし骨折してしまったら、どうすればよいですか?

強い痛みや腫れ、変形、動かせないといった症状があるときは、無理に動かさず早めに整形外科を受診してください。特に太ももの付け根を痛めて立てない場合は、大腿骨近位部骨折の可能性もあります。早期の治療とリハビリが、その後の回復や自立した生活の維持に大切です。

参考にした主なデータ・指針

まとめ|高齢者の骨折予防は今日の習慣から

高齢者の骨折予防は、骨を強くする食事・自宅でできる運動・転倒を防ぐ暮らしの工夫という3つの習慣を、毎日少しずつ積み重ねることが基本です。骨折・転倒は要介護の主な原因の一つであり、早めの対策が、フレイル予防やロコモ予防、そして健康寿命を延ばすことにつながります。骨密度や足腰の筋力を守る小さな一歩が、自立した生活を長く続ける力になります。気になるサインがあるときは、無理をせず医療機関に相談しましょう。

今日から始める骨折予防の習慣のポイント:

  • カルシウム・ビタミンD・たんぱく質をそろえ、しっかり食べて低栄養を防ぐ
  • かかと落としやウォーキングなど、骨に軽い刺激を与える運動を続ける
  • スクワットや片足立ちで足腰の筋力とバランスを鍛え、転倒予防につなげる
  • 床の段差や手すり、明るさなど住まいを整え、家の中の転倒を防ぐ
  • 背中が丸くなる・身長が縮むなど気になるサインは早めに専門家へ相談する

まちFitで骨折予防の習慣を無理なく始めませんか?

「一人だと運動が続かない」「足腰の衰えや骨折が心配だけれど、何から始めればいいかわからない」——そんな方に寄り添うのが、シニア向け健康スタジオ「まちFit」です。骨折予防の土台となる足腰の運動やバランス運動を、専門スタッフのサポートのもとで安全に続けられます。

まちFitでは、椅子や壁を使った運動初心者でも安心のプログラムをそろえ、一人ひとりの体力や体調に合わせて無理なく体を動かせます。同年代の仲間と一緒に続けられるので、「今日も行こう」という気持ちが自然と生まれ、体力維持や転倒予防、フレイル予防、介護予防にもつながる習慣を育てられるのが魅力です。

  • 週複数回の運動を、専門スタッフのもとで安全に続けられる
  • 椅子や壁を使った、運動初心者でも安心の足腰・バランスケア
  • 同年代の仲間との交流が生まれ、続ける楽しさが得られる
  • 一人ひとりの体力や体調に合わせた、無理のない運動指導
まちFit池上スタジオでシニアが足腰を守る運動をする様子

「そろそろ足腰を整えたい」「元気なうちに骨折予防を始めたい」と感じた今が、はじめどきです。自立した生活を長く続けるための一歩を、まちFitで一緒に踏み出していきましょう。

まずは見学や体験から始めてみませんか?

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この記事はまちFit編集部が制作し、まちFitスタジオ運営者監修のもとで内容を確認しています。健康づくりに役立つ情報を、公的機関の資料をもとにわかりやすくお届けしています。

本記事は健康づくりに関する一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を目的とした医療上の助言ではありません。骨や関節の痛みが続く場合、転倒や骨折が疑われる場合、持病や服用中の薬がある場合は、自己判断せずかかりつけ医や整形外科、地域包括支援センターなどの専門機関にご相談ください。

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