シニアのボール体操9選|60代・高齢者が自宅で始める転倒予防

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まちFit
スタジオ運営責任者
東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
60〜80代の会員様と日々向き合う中で得た現場知識をもとに、無理なく続けられる健康習慣を発信しています。
「ボール体操」は、やわらかいボールを1つ使うだけで、シニア・60代の方が自宅で無理なく取り組める運動です。ボールをはさむ、転がす、持ち上げるといった動きは、力の入れ加減を自分で調整しやすく、運動が久しぶりの方でも始めやすいのが魅力です。この記事では、座ったまま・立って・ご家族と一緒に楽しめるボール体操を9種目に分けてご紹介します。あわせて、転倒予防や体力維持、フレイル予防につなげるための続け方のコツ、安全に行うための準備までを、まちFit編集部監修でわかりやすく解説します。自分の足で歩ける毎日を長く続けるための習慣づくりの一歩として、できそうな種目から気軽に取り入れてみてください。
ボール体操とは?シニア・60代に選ばれる理由
ボール体操は、やわらかいボールをはさんだり転がしたりしながら体を動かす運動です。特別な器具や広い場所がいらず、椅子に座ったままでも行えるため、運動初心者のシニアや60代の方はもちろん、体力に不安のある高齢者の体力維持・介護予防の習慣としても親しまれています。ここでは、どんな運動なのか、どのような効果が期待できるのか、そして安全に始めるための準備を整理します。
ボール体操はどんな運動?
ボール体操では、両ひざでボールを軽く押す、足の裏でボールを前後に転がす、両手でボールを持ち上げるといった、ゆっくりとした動作を組み合わせます。ボールがクッションの役割をするため、関節に急な負担がかかりにくく、力の入れ具合を自分で加減できるのが特長です。ボールを目で追ったり、左右に持ち替えたりする動きは、体だけでなく気持ちの切り替えにもつながります。
立ち座りや歩行が不安な方は、座ったままの種目から始めれば十分です。自宅でできる足腰の運動と組み合わせると、生活のなかで体を動かす時間を無理なく増やせます。

期待できることと、体力維持・転倒予防とのつながり
ボールをはさむ・押す動作は太ももやお尻まわりの筋肉を使い、片足に体重を乗せる種目はバランス能力を保つことにつながります。筋力とバランス、そして体の柔らかさをバランスよく使う運動を続けることは、転倒予防や体力維持の土台づくりに役立つと一般的にされています。
加齢にともなって筋肉量が減っていくサルコペニアや、心身の活力が低下したフレイルの予防という観点でも、日常的に体を動かす習慣は大切です。骨・関節・筋肉・神経などからなる運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態は、ロコモティブシンドローム(ロコモ)と呼ばれます。ボール体操のような続けやすい運動を生活に取り入れることは、こうした状態の予防を意識した毎日の習慣として前向きに考えられます。ロコモがどのような状態で、何から備えればよいかは、次の記事で詳しく解説しています。

ボールの選び方と、安全に行うための準備
使うボールは、片手で軽く押してへこむくらいのやわらかいものが向いています。直径20〜30センチほどの空気を少なめに入れたボールや、やわらかいクッションボールなどが扱いやすいでしょう。硬いボールや大きすぎるボールは力が入りすぎるため、無理のない範囲で選んでください。
- 滑りにくい靴下や素足で、床がすべらない場所を選びます
- 立って行う種目は、椅子やテーブル、壁など支えになるもののそばで行います
- 呼吸を止めず、痛みを感じない範囲でゆっくり動かします
- 水分を近くに置き、こまめに休憩をとります
- 体調がすぐれない日や、めまい・強い痛みがあるときは無理をしません
持病がある方や、膝や腰に痛みがある方は、始める前にかかりつけの医師に相談すると安心です。ボールのかわりに1本の棒を使う体操も、同じように自宅で取り組めます。

座ってできるボール体操3種目
まずは椅子に座ったまま安全に行える3種目です。立ち座りが不安な方や、運動を再開したばかりの方でも取り組みやすく、足腰やお腹まわりをやさしく使えます。それぞれ10回ほどを目安に、呼吸を止めずに行いましょう。
①ひざはさみ(内もも)
椅子に浅めに腰かけ、背すじを軽く伸ばします。両ひざの間にボールをはさみ、太ももの内側でボールを3〜5秒かけてゆっくり押し、力をゆるめます。これを10回ほどくり返します。内ももとお腹に軽く力が入るのを感じられれば十分です。
②足裏コロコロ(足首・ふくらはぎ)
椅子に座り、片方の足の裏でボールを前後にゆっくり転がします。かかとからつま先へ、つま先からかかとへと、足首を大きく動かすイメージです。左右それぞれ30秒ほど行います。足先の血のめぐりや足首の動きを保つのに役立ちます。
③ボール持ち上げ(肩・体幹)
両手でボールを持ち、ひじを軽く伸ばして胸の前から頭の高さまでゆっくり持ち上げ、ゆっくり下ろします。10回を目安に、肩や背中に無理のない範囲で動かしましょう。椅子に座ってできるストレッチと組み合わせると、上半身をほぐしやすくなります。

立って・支えありで行うボール体操3種目
体力に少し余裕が出てきたら、支えを使いながら立って行う種目に挑戦してみましょう。片足に体重を乗せたり、体を伸ばしたりする動きは、バランス能力や体幹を意識するのに役立ちます。椅子や壁など支えのそばで、転倒予防に配慮して行ってください。
④かかと上げ(バランス・ふくらはぎ)
椅子の背もたれに手を添えて立ち、両手でボールを胸の前に軽く抱えます。かかとをゆっくり持ち上げてつま先立ちになり、ゆっくり下ろします。10回を目安に、ぐらつく場合はいつでも椅子につかまれるようにしておきます。ふくらはぎを使い、立つ・歩く力を保つことにつながります。
⑤体側のばし(わき腹・柔軟性)
足を肩幅くらいに開いて立ち、両手でボールを頭の上へ持ち上げます。息を吐きながら体を横にゆっくり倒し、わき腹が伸びるのを感じたら戻します。左右3回ずつ、反動をつけずに行いましょう。体の柔らかさを保つのに役立ちます。
⑥壁ボール押し(胸・腕)
壁に向かって立ち、胸の高さでボールを壁に当てて両手で支えます。ひじをゆっくり曲げ伸ばししながら、ボールを軽く壁に押し込みます。10回を目安に、腕や胸に無理のない範囲で行います。立って行うのが不安な場合は、座ってテーブルの上で同じ動きをしても構いません。
脳と体を同時に・家族と楽しむボール体操3種目
ボール体操は、頭を使ったりご家族と一緒に行ったりすることで、楽しみながら続けやすくなります。人と関わりながら体を動かすことは、フレイル予防で大切とされる社会参加の面でも前向きな時間になります。無理のない範囲で、笑顔で取り組める種目を選びましょう。
⑦左右持ちかえ(脳活)
座って、両手でボールを持ち、右手から左手、左手から右手へと体の前でゆっくり持ちかえます。慣れてきたら、頭の後ろや背中側を通して持ちかえてみましょう。動きに集中することで、体と頭を同時に使う時間になります。
⑧ボール回しひねり(体幹)
椅子に座り、両手でボールを持っておへその前に構えます。上半身をゆっくり右へひねってボールを右の腰へ、次に左へひねって左の腰へと動かします。左右5回ずつ、腰に痛みが出ない範囲で行いましょう。お腹まわりの筋肉を使い、体幹を意識するのに役立ちます。
⑨やさしいキャッチボール(家族と一緒に)
ご家族と向かい合って座り、やわらかいボールをゆっくりと転がし合ったり、下から軽く手渡すように受け渡したりします。会話をしながら行うと、自然と体も気持ちもほぐれます。手や指を使う運動を取り入れたい方は、手指の体操もあわせておすすめです。

効果を高め、無理なく続けるコツ
ボール体操は、続けることで体力維持や介護予防の習慣として力を発揮します。ここでは、どのくらいの頻度で行うとよいか、生活のなかに取り入れる工夫、そして安全に長く続けるための考え方を整理します。国の指針も参考にしながら、ご自身のペースを大切にしてください。
週に何回・どのくらいを目安にする?
厚生労働省(e-ヘルスネット)の「『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』推奨シート:高齢者版」では、高齢者に向けて「筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を、週3日以上行うことを推奨する。」とされています。ボール体操は、筋力・バランス・柔らかさをまとめて使える多要素な運動として取り入れやすいものです。
同じ推奨シートでは、「強度が3メッツ以上の身体活動を週15メッツ・時以上行うことを推奨する。具体的には、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上行うことを推奨する(1日約6,000歩以上に相当)。」ともされています。ボール体操だけでなく、無理のない範囲でのウォーキングなどと組み合わせると、体を動かす時間を増やしやすくなります。ただし、これらはあくまで目安です。まずは1日5分、できる種目を1つからでも、続けることを大切にしてください。
生活のなかに取り入れる工夫
毎日決まった時間に行うと習慣にしやすくなります。テレビを見ながら、朝の着替えのあとに、といった「ついで」の時間に組み込むのがおすすめです。ラジオ体操のように、音楽やリズムに合わせて行うと楽しく続けられます。介護予防を意識した運動を無理なく重ねることが、自分の足で歩ける毎日を長く続けることにつながります。

転倒予防や介護予防を意識して運動を組み立てたい方は、バランスを養う運動をまとめた次の記事も参考になります。

痛みや不安があるときの考え方
動いている途中で痛みやしびれ、強い息切れを感じたときは、早めに休みましょう。「がんばりすぎない」ことも、長く続けるための大切なコツです。体を動かす機会が減っていた方は、まずは座って行う種目から少しずつ体を慣らしていくと安心です。フレイル予防の観点からも、自分のペースで運動を続けることが何よりの近道です。

よくある質問
- ボール体操はどんなボールを使えばよいですか?
-
片手で軽く押すとへこむくらいのやわらかいボールがおすすめです。直径20〜30センチほどで、空気を少なめに入れたものやクッションボールが扱いやすいでしょう。硬いボールは力が入りすぎるため避け、無理のない範囲で選んでください。
- 運動が久しぶりでも続けられますか?
-
はい、座ったままできる種目から始められるので、運動が久しぶりの方や運動初心者のシニアの方にも取り組みやすい運動です。最初は1日1種目、5分程度からで構いません。できる範囲で少しずつ回数や種目を増やしていきましょう。
- 週に何回くらい行うとよいですか?
-
厚生労働省のガイドでは、筋力・バランス・柔軟性などの多要素な運動を週3日以上行うことが推奨されています。これは一つの目安ですので、まずはご自身の体調に合わせ、無理のない頻度で続けることを大切にしてください。
- 膝や腰に痛みがあるときも行ってよいですか?
-
痛みがあるときは無理をせず、休むことが大切です。持病がある方や痛みが続く方は、始める前にかかりつけの医師に相談すると安心です。痛みを感じない範囲で、座って行うやさしい種目から様子を見てください。
- 立って行うのが不安です。座ったままでも意味はありますか?
-
はい、座ったままの種目でも、内ももやお腹、足首などをしっかり使えます。転倒が心配な方は、無理に立って行う必要はありません。まずは椅子に座って安全に行える種目を中心に、体力維持につなげていきましょう。
- 専用のボールがない場合はどうすればよいですか?
-
やわらかいクッションや丸めたバスタオル、空気を抜いた風船などでも代用できます。大切なのは、力を入れても痛くない・けがをしにくいものを選ぶことです。手に入る範囲のもので、まずは気軽に始めてみてください。
参考にした主なデータ・指針
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』推奨シート:高齢者版」(強度が3メッツ以上の身体活動を週15メッツ・時以上、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上に相当)、筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を週3日以上、という推奨事項を引用)
- 日本整形外科学会「ロコモを知ろう|ロコモONLINE」(「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態」というロコモティブシンドロームの定義を引用)
まとめ
ボール体操は、やわらかいボールが1つあれば、シニア・60代の方が自宅で無理なく始められる運動です。座って・立って・ご家族と一緒に、できる種目から取り入れることで、シニア・60代はもちろん高齢者の体力維持や転倒予防、フレイル予防を意識した毎日の習慣づくりにつながります。大切なのは、痛みのない範囲で楽しみながら続けることです。
今日から始めるボール体操の習慣:
- まずは座って行う1種目から、1日5分を目安に始める
- やわらかいボールを選び、支えのそばで安全に行う
- テレビを見ながらなど「ついで時間」に組み込んで習慣にする
- 痛みや強い息切れがあるときは無理をせず休む
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- 体力や体調に合わせた無理のないプログラム
- 専門スタッフが安全な動き方をていねいにサポート
- 同世代の仲間と楽しく続けられる雰囲気
- 転倒予防や体力維持を意識した内容
- まちのそばで通いやすい立地

運動は、正しい姿勢や動き方を知り、安心できる環境で続けることで、より前向きに取り組めます。まちFitは、シニアの毎日をまちのそばで支えます。
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