高齢者が外出しないとどうなる?シニアに現れる変化と予防法|60代

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まちFit
スタジオ運営責任者
東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
60〜80代の会員様と日々向き合う中で得た現場知識をもとに、無理なく続けられる健康習慣を発信しています。
年齢を重ねると、「用事がなければ一日中家にいる」という日が増えていきます。しかし高齢者が外出しない生活を続けると、外出頻度の低下とともに運動不足が進み、足腰の筋力低下やフレイル、気分の落ち込みなど、心と体の両面にさまざまな変化が現れやすくなります。この記事では、外出が減るとどうなるのか、なぜ出かけなくなるのかを整理したうえで、シニアが自宅や地域で無理なく活動量を保ち、健康寿命を延ばしていくための習慣をわかりやすくご紹介します。ご家族が親御さんの外出について気になっているという方にも役立つ内容です。
高齢者が外出しないと体と心に何が起きるのか
外出しない生活が続くと、その影響は足腰だけにとどまりません。高齢期の心身の弱まりは「フレイル」と呼ばれ、健康な状態と介護が必要な状態の中間にあると考えられています。フレイルには身体・こころ・社会という三つの側面があり、外出の減少はこのすべてに関わります。ここでは、外出しないことで起こりやすい変化を三つの面に分けて見ていきましょう。
身体面:足腰の筋力低下とロコモティブシンドローム
人の筋肉は、使わない時間が長くなるほど落ちやすくなります。外出が減って歩く機会が少なくなると、太ももやお尻、ふくらはぎといった歩行に欠かせない筋肉から衰えが進み、立ち上がりやすさや歩く速さに影響します。筋力低下が進むと、骨・関節・筋肉といった移動に関わる器官が衰えるロコモティブシンドローム(運動器の衰え)につながり、つまずきや転倒のリスクも高まります。転倒予防の観点からも、日ごろから足腰を動かしておくことが大切です。

こころの面:意欲の低下と気分の落ち込み
外の景色や人との会話といった刺激が減ると、気持ちにも影響が出やすくなります。「出かけるのがおっくう」「なんとなく気分が晴れない」という状態が続くと、活動そのものへの意欲が下がり、さらに外出が減るという悪循環に入りやすくなります。体を動かして日光を浴びることは、生活リズムを整え、気分を前向きに保つうえでも役立つと一般的に考えられています。
社会面:人とのつながりが減る「社会的孤立」
外出は、買い物や通院だけでなく、近所の人との立ち話や趣味の集まりなど、人とつながる機会でもあります。外出しない生活が続くと会話や役割が減り、社会的孤立につながりやすくなります。こうしたつながりの希薄化は、口の働きの衰え(オーラルフレイル)や食欲の低下ともかかわると指摘されており、心身の健康を保つうえで見過ごせない要素です。

「生活不活発病」──動かない生活が体力を奪う仕組み
外出しないことで体力が落ちていく背景には、「生活不活発病(廃用症候群)」と呼ばれる考え方があります。これは、病気そのものではなく「動かないこと」によって心身の働きが低下していく状態を指す言葉です。ここでは、その仕組みと、悪循環に入りやすい理由を見ていきます。
使わない機能は少しずつ低下していく
筋肉や関節、心臓や肺の働きは、日常的に使うことで保たれています。外出が減って体を動かさない時間が増えると、これらの機能は少しずつ低下し、「以前は平気だった距離で息が切れる」「階段がつらい」といった変化として現れます。一度落ちた体力は取り戻すのに時間がかかるため、大きく低下する前に手を打つことが、介護予防やフレイル予防の観点からも重要です。
この「手を打つ」ことの意味は、健康寿命という言葉に表れています。健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことで、厚生労働省 e-ヘルスネットによると2022(令和4)年の健康寿命は男性72.57歳、女性75.45歳。平均寿命との差は男性8.49年、女性11.63年で、この差が日常生活に制限のある「不健康な期間」を意味します。動ける状態をできるだけ長く保つことが、この期間を短くすることにつながります。
「動かない→さらに動けない」の悪循環
体力が落ちると動くのがつらくなり、つらいからさらに動かなくなる──この悪循環が生活不活発病の怖いところです。特に、季節の変化や体調不良、ちょっとしたけがなどをきっかけに数日間家にこもると、そのまま外出しない生活が定着してしまうことがあります。「最近あまり出かけていないな」と気づいたときが、生活を立て直すよいタイミングです。

なぜ外出しなくなるのか──よくある原因
外出を立て直すには、「なぜ出かけなくなったのか」を知ることが第一歩です。原因は一つとは限らず、体・環境・気持ちの要素が重なっていることがよくあります。代表的なきっかけを整理してみましょう。
- 体の不安:膝や腰の痛み、疲れやすさ、転倒への不安から出かけるのをためらう
- 気候・環境:夏の暑さや冬の寒さ、坂道や段差など、外出のハードルが高い
- 役割・用事の減少:退職や家事の変化で「出かける理由」が減る
- 気持ちの面:おっくうさや意欲の低下で、つい家で過ごしてしまう
- 人とのつながりの減少:誘い合う相手や集まりが少なくなる
これらは年齢とともに誰にでも起こり得ることで、けっして特別なことではありません。大切なのは、原因に合わせて「出かけやすい工夫」を少しずつ取り入れることです。次の章では、外出しない生活を防ぎ、立て直すための具体的な習慣をご紹介します。
外出しない生活を防ぐ・立て直す習慣
外出を無理に増やそうとすると長続きしません。まずは家の中で体を動かすことから始め、少しずつ活動範囲を広げていくのがおすすめです。ここでは「自宅の運動」「歩く習慣」「社会とのつながり」「生活の中で動く工夫」の四つの観点から、体力維持と自立した生活につながる習慣を見ていきます。
まずは自宅で足腰を動かす
天気や体調に左右されない自宅の運動は、外出への「準備運動」としても役立ちます。いすに座ったままの足踏みや、いすの背につかまってのかかと上げ・スクワットなど、転倒の心配が少ない動きから始めましょう。毎日少しずつでも続けることで、外を歩くための土台となる足腰の筋力維持につながり、転倒予防にも役立ちます。

短い距離から「歩く習慣」を取り戻す
外出に慣れてきたら、歩く習慣を少しずつ取り戻していきましょう。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート(高齢者版)では、高齢者に対して「歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上行うことを推奨する(1日約6,000歩以上に相当)」とされています。あわせて、筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を週3日以上行うこと、そして座位行動(座りっぱなし)の時間が長くなりすぎないように注意することも示されています。ただし同シートは冒頭で「個人差等を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む。今よりも少しでも多く身体を動かす」とも述べています。まずは「近所を一周」「一つ先のバス停まで」といった短い距離から始めてみてください。

人とのつながりを保つ
外出の目的として、人と会うことは大きな力になります。趣味の教室や地域の集まり、体操のグループなど、「行けば誰かに会える場所」があると、外出が自然と習慣になりやすくなります。人と話し、笑い、体を動かす時間は、フレイル予防のうち社会的な側面を支えるうえでも大切です。

生活の中で活動量を増やす工夫
運動の時間をわざわざ作らなくても、日々の暮らしの中で体を動かす機会は増やせます。座りっぱなしの時間を減らす小さな工夫を積み重ねましょう。
- テレビのコマーシャルのあいだに立ち上がって足踏みをする
- 買い物は少し遠いお店まで歩いてみる
- 洗濯物を干す・片づけるなど家事でこまめに動く
- 窓を開けて外の空気にふれ、生活リズムを整える
- 家族や友人と外出の予定を一緒に立てる
こうした積み重ねは、脳への刺激にもなり、認知機能を保つうえでも役立つと考えられています。無理のない範囲で、生活の一部として続けていきましょう。

一人で続けるのが難しいときは「通う場所」を持つ
ここまでご紹介した習慣は、頭では分かっていても一人で続けるのは簡単ではありません。そんなときに頼りになるのが、定期的に「通う場所」を持つことです。外出のきっかけと、体を動かす習慣、人とのつながりを一度に得られます。
見守りのある環境なら安心して体を動かせる
足腰に不安がある方や、久しぶりに運動する方にとって、スタッフが体の状態を見ながらサポートしてくれる環境は心強いものです。シニア向けのスタジオでは、一人ひとりの体力に合わせて無理のない運動から始められるため、「ついていけるだろうか」という不安を感じにくく、外出そのものが楽しみになりやすいという良さがあります。体力維持や介護予防を目的に、地域で通える場を選ぶ方が増えています。
決まった曜日に通う先があると、外出そのものが習慣になります。まちFitのエアロビクスは、ダンスの経験がない方でもその場ですぐに一緒に楽しめる内容なので、久しぶりの外出先としても選びやすいレッスンです。
よくある質問
- 高齢者が外出しないと、まず何から衰えやすいですか?
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一般的には、歩くことに使う足腰の筋肉から衰えやすいとされています。外出が減ると歩く機会が減り、太ももやふくらはぎの筋力低下が進みやすくなります。あわせて、人と話す機会や気分の張りも失われやすいため、体・こころ・社会の三つの面から少しずつ影響が出ると考えておくとよいでしょう。
- 1日どのくらい体を動かせばよいですか?
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厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023(高齢者版)では、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上に相当)行うことが推奨されています。ただし個人差等を踏まえて強度や量を調整し、可能なものから取り組むことが大切とされているので、まずは今より少し多く歩くことを目標に、できる範囲から始めてください。
- 足腰が弱く外出が不安です。家の中でもできることはありますか?
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はい、あります。いすに座ったままの足踏みや、いすの背につかまってのかかと上げなど、転倒の心配が少ない動きから始められます。自宅で足腰を動かして自信がついてから、短い距離の外出に広げていくと安心です。
- 外出しない生活は、もの忘れなど頭の働きにも影響しますか?
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外出による会話や景色の変化は、脳への刺激になります。外出が減って刺激が少なくなると、意欲の低下などが起こりやすくなると考えられています。運動と人との交流を組み合わせることが、認知機能を保つうえで役立つとされています。
- 暑い日や寒い日、天気が悪い日はどう過ごせばよいですか?
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無理に外に出る必要はありません。室内でできる足踏みや体操で体を動かし、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないようにしましょう。室内で通える運動の場を持っておくと、天候に左右されずに活動量を保ちやすくなります。
- 一人だと外出が続きません。続けるコツはありますか?
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「行けば誰かに会える場所」を持つことが大きな助けになります。地域の体操教室や趣味の集まりなど、決まった曜日に通う予定があると、外出が自然と習慣になりやすくなります。ご家族と一緒に予定を立てるのもおすすめです。
参考にした主なデータ・指針
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「平均寿命と健康寿命」(健康寿命の令和4年値〈男性72.57歳・女性75.45歳〉と、平均寿命との差〈男性8.49年・女性11.63年〉を参照)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』推奨シート:高齢者版」(高齢者の身体活動・歩行の目安、多要素な運動、座位行動に関する記述を参照)
まとめ:外出しない生活は、小さな一歩から立て直せる
高齢者が外出しない生活を続けると、足腰の筋力低下やフレイル、気分の落ち込み、社会的孤立など、心身の広い範囲に変化が現れやすくなります。その背景には「動かないことで機能が落ちる」生活不活発病の仕組みがあります。一方で、これらは自宅の運動や短い距離の歩行、人とのつながりを取り戻すことで、少しずつ立て直していけるものです。
今日から始める、外出しない生活を防ぐ習慣:
- まずは自宅で足腰を動かし、外へ出る土台をつくる
- 短い距離から歩く習慣を取り戻し、座りっぱなしの時間を減らす
- 人と会える場所を持ち、外出のきっかけと楽しみをつくる
- 「最近出ていない」と気づいたら、その日が立て直しのタイミング
外に出るきっかけを、まちFitで見つけませんか
「一人ではなかなか外出が続かない」「体を動かしたいけれど、何から始めればいいか分からない」──そんな方にこそ、決まった曜日に通える場所が力になります。シニア向け健康スタジオ「まちFit」は、”健やかな毎日を、まちのそばで。”をコンセプトに、あなたのペースで無理なく続けられる運動の時間をご用意しています。
- 体力に合わせて無理のない運動から始められる
- スタッフが体の状態を見ながらサポート
- 通うことが外出と運動の習慣になる
- 仲間との交流で楽しく続けられる

運動が久しぶりの方や、足腰に不安のある方も少なくありません。だからこそ、一人ひとりの体力に合わせて、できることから一緒に始めていきます。
まずは見学や体験から始めてみませんか?
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