腰痛ストレッチ・体操7選|60代・高齢者に多い原因と自宅でできる予防

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まちFit
スタジオ運営責任者

東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
60〜80代の会員様と日々向き合う中で得た現場知識をもとに、無理なく続けられる健康習慣を発信しています。

「長時間座っていると腰が重くなる」「朝起きると腰がこわばっている」「立ち上がるときに腰が痛む」――こうした腰の不調は、60代以降に感じる方が増えていきます。腰痛の原因はさまざまですが、姿勢・筋力・日常習慣が腰への負担と深く関わっているものも少なくありません。

この記事では、60代・高齢者に多い腰痛の原因から、今日からできる日常のケア、そして自宅でできる腰痛ストレッチ・体操7選までをまとめて解説します。痛みが出る前の予防にも、今ある腰の重さやこわばりをやわらげるケアにも使える内容です。

この記事でわかること

  • 60代・高齢者の腰痛が起こる主な原因
  • 腰への負担を減らす日常生活の工夫
  • 自宅でできる腰痛ストレッチ・体操7選(椅子でできる4種+床でできる3種)
  • 腰痛を悪化させるNG行動
  • 病院に行くべき腰痛の目安
目次

60代・高齢者の腰痛が起こる主な原因

腰の痛みは、年齢を重ねた多くの方が感じている身近な症状です。厚生労働省の「2025(令和7)年 国民生活基礎調査」では、病気やけがなどで自覚症状のある人の割合(有訴者率)は人口千人あたり255.7で、65歳以上では392.6となっています。症状別にみると男女とも「腰痛」の有訴者率が最も高く、腰の悩みは年齢とともに感じる人が多いことがわかります。

腰痛はひとつの原因で起こることは少なく、いくつかの要因が重なって起こります。ここでは、60代以降に特に関わりの深い4つを整理します。

① 体幹(お腹まわり)の筋力低下

腰を支えているのは背骨だけでなく、お腹まわりの「体幹筋」です。体幹の筋肉が弱まると腰椎への負担が集中しやすく、腰の重さや痛みにつながります。体幹筋は歩く・立つ・座るという日常動作だけでは十分に使われにくいため、意識して動かすことが大切です。

② 長時間の「座りすぎ」による椎間板への負担

立っているときよりも、座っているときのほうが腰椎の椎間板にかかる負担は大きくなります。長時間座りっぱなしの生活は、腰を継続的に圧迫し続けることになります。テレビを長く見る、ソファでくつろぐ時間が増えるといった生活では特に注意が必要です。

参考データ

椎間板にかかる圧力を姿勢別に測定した古典的な研究(Nachemson AL)では、立位を100としたとき、座位はおよそ140〜150、前かがみの座位では185〜275に達すると報告されています。座る時間が長いほど腰への負担が積み重なることを示す数値です。

③ 姿勢のくせ(骨盤の後傾・前かがみ)

前かがみの姿勢や、骨盤が後ろに傾いた「腰が丸まった座り方」が習慣になると、腰の筋肉が常に緊張した状態になります。これが慢性的な腰の重さや張り感につながります。逆に反り腰(骨盤が前に傾きすぎる状態)も、腰椎への負担を増やします。

④ 股関節・ハムストリングスの硬さ

太もも裏(ハムストリングス)や股関節の柔軟性が低下すると骨盤の動きが制限され、その分の負担が腰に集中します。「腰が痛いと思っていたら、実は股関節やお尻の硬さが背景にあった」というケースは60代以降に少なくありません。

腰やお尻まわりの筋力低下は、足腰全体の衰えとも地続きです。日本整形外科学会は、運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態を「ロコモティブシンドローム」=ロコモと呼んでいます。足腰が衰える背景をくわしく知りたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。

腰痛を予防する日常生活の工夫

① 1時間に1回は立ち上がる

最も手軽な腰痛予防です。椅子から立ち上がるだけで腰椎への圧力が解放され、血流も回復します。テレビのCM中、電話中、食後など、立ち上がるタイミングをあらかじめ決めておくと習慣にしやすくなります。

② 椅子・ソファの座り方を見直す

  • 深く腰をかけ、背もたれに軽くもたれる
  • 両足を床にしっかりつける
  • 骨盤を立てる意識で座る(座骨が座面に当たる感覚)
  • クッションを腰と背もたれの間に挟む

腰用のクッション(ランバーサポート)は、骨盤の傾きを自然に支えてくれます。長時間座る機会が多い方は試してみてください。

③ 荷物の持ち方・重いものを持つときの姿勢

  • 床のものを拾うときは膝を曲げてしゃがんでから持ち上げる(腰だけで前かがみにならない)
  • 重い荷物は体に引き寄せて持つ(体から離すほど腰への負担は大きくなります)
  • 片側だけに荷物を持ち続けない(左右のバランスを意識する)

④ 寝具の見直し

柔らかすぎるマットレスは腰が沈み込み、腰椎の自然なS字カーブが崩れます。ある程度の硬さがあり、腰が沈みすぎない寝具を選ぶことで、睡眠中の腰への負担を減らせます。

⑤ 腰まわりを冷やさない

腰まわりが冷えると血流が滞りやすくなります。季節を問わず、腹巻きやひざ掛けで温かく保ちましょう。入浴で体を温めてからストレッチを行うと、筋肉がやわらかく伸ばしやすくなります。

腰痛ストレッチ・体操7選|60代・高齢者が自宅でできる

腰のケアは「体幹をやさしく使うこと」と「腰まわりをゆるめること」の2つが柱です。ここでは、椅子に座ったままできる4種と、布団やマットの上でできる3種を紹介します。特別な道具はいりません。1日5分ほどを目安に、できるものから始めてみましょう。

いずれも「痛気持ちいい」と感じる範囲で、息を止めずにゆっくり行うのが基本です。動かして痛みが強くなる場合は中止してください。

運動① 椅子での骨盤前後傾(体幹・腰まわりの活性化)

ねらい:腰まわりの血流をうながし、骨盤の動きを保つ

  • 椅子に浅く座り、背すじを伸ばす
  • 骨盤をゆっくり前に傾ける(腰を反らせる)→3秒キープ
  • 骨盤をゆっくり後ろに傾ける(腰を丸める)→3秒キープ
  • これを1セットとして10回×2セット。呼吸を止めない

この骨盤の前後傾は、椅子に座って行うピラティスでも最初に習う基本の動きです。呼吸に合わせて骨盤と背骨を一つずつ動かしていく方法を、講師に見てもらいながら覚えたい方は、教室で習うという選び方もあります。

運動② 腰のひねりストレッチ(腰まわりの柔軟性)

ねらい:腰の回旋にかかわる筋肉をほぐし、張りや重さをやわらげる

  • 椅子に深く座り、両手を胸の前で交差する
  • 上半身をゆっくり右にひねって20秒キープ。反対側も同様に
  • 左右各20秒×2セット。急にひねらず、ゆっくりと

運動③ 膝抱えストレッチ(腰・お尻をゆるめる)

ねらい:腰からお尻にかけての筋肉をゆるめ、こわばりをやわらげる

  • 椅子に深く座り、片膝を両手で胸に引き寄せる
  • 腰からお尻にかけて伸びる感覚を確かめて20秒キープ
  • 左右各20秒×2セット
  • あお向けで行う場合は、両膝を胸へ引き寄せ、背中はマットにつけたまま20〜30秒キープ

運動④ お腹へこませ体操(体幹の基本)

ねらい:お腹の深いところにある筋肉を使い、腰への負担を分散する

  • 椅子に座り、息を吐きながらお腹をゆっくりへこませて5秒キープ
  • 10回×2セット。テレビを見ながらでもできます

運動⑤ 猫の背伸びストレッチ(背骨をやわらかく)

ねらい:背中から腰にかけての血流をうながし、朝のこわばりをほぐす

  • 四つんばいになり、息を吐きながら背中を天井へ向けて丸める
  • 次に息を吸いながらゆっくり反らす
  • この動きを5〜10回、呼吸に合わせてくり返す
  • 手首や膝が痛い場合は、テーブルに手をついて立ったまま背中を丸める方法でも構いません

運動⑥ 太もも裏(ハムストリング)のストレッチ

ねらい:太もも裏をやわらかく保ち、骨盤が後ろに傾くのを防ぐ

  • 椅子に浅く腰かけ、片足を前にまっすぐ伸ばしてかかとを床につける
  • 背すじを伸ばしたまま、股関節から上体をゆっくり前に倒す
  • 太もも裏が心地よく伸びるところで20〜30秒キープ。反対側も同様に

太もも裏が硬いと骨盤が後ろに傾き、腰への負担が増えます。原因④で挙げたハムストリングスの硬さに、直接はたらきかける動きです。

運動⑦ お尻(殿筋)のストレッチ

ねらい:お尻の筋肉をゆるめ、骨盤の動きを取り戻す

  • あお向けに寝て、片方の足首を反対の膝の上にのせる
  • 下の太ももを両手でかかえて手前に引き寄せる
  • 上にのせた側のお尻がじんわり伸びるところで20〜30秒キープ
  • 床が苦手な方は、椅子に座って足を組むように行っても構いません

お尻の筋肉が硬いと骨盤の動きが制限され、腰がその分をカバーしようとして負担がかかります。

椅子に座ってできるストレッチをもっと知りたい方、ストレッチに慣れて足腰の筋肉も少し鍛えたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。

腰痛を悪化させるNG行動

  • 痛みを我慢してそのまま動き続ける
  • 腰だけで前かがみになって重いものを持つ
  • 長時間同じ姿勢で座り続ける(椎間板への圧迫が積み重なる)
  • 急に激しい運動を始める(腰への過剰な負荷がかかる)
  • 痛いからと完全に動かない(安静にしすぎると筋肉が硬くなりやすい)

病院に行くべき腰痛の目安

腰痛の多くは日々のケアでやわらいでいきますが、なかには医療機関での診察が必要なものもあります。次のようなサインがあるときは、セルフケアだけで様子を見ず、整形外科などにご相談ください。

  • 足のしびれ・力の入りにくさ・感覚の異常をともなう腰痛
  • 排尿・排便のコントロールが難しくなってきた
  • 発熱や体重減少をともなう腰痛
  • 安静にしても痛みが増す、夜間に痛みで目が覚める
  • 転倒や尻もちのあとに急に強くなった痛み
  • ストレッチや生活の工夫を続けても改善しない

特に転倒のあとの痛みは、骨の変化が隠れていることもあるため注意が必要です。転倒そのものを防ぐ体づくりについては、次の記事も参考にしてください。

腰痛ケアを続けるためのコツと週間リズム

腰のケアは「毎日少しずつ・無理なく続ける」ことが基本です。以下の週間リズムを参考に、生活のなかに自然に組み込んでみてください。

  • 毎朝:起き上がる前に膝抱えストレッチを左右20秒
  • 毎時間:1時間に1回は立ち上がる
  • 入浴後:腰のひねりストレッチ+お腹へこませ体操を5分
  • 週2〜3回:椅子での骨盤前後傾を10回、余裕があれば太もも裏・お尻のストレッチも
  • 時間を決めて「ながら」で:入浴後や歯みがきの前など、毎日の行動とセットにすると忘れにくくなります
  • カレンダーに印をつける:できた日に印をつけると、続けている実感がわいて励みになります
  • たんぱく質をしっかり摂る:腰を支える筋肉を保つには、肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質が欠かせません

「すべてやらなきゃ」と思わずに、できそうなことを1つだけ今日から試してみてください。1つの習慣が定着したら、次の1つを足していくのが長続きのコツです。

ストレッチに慣れてきたら、ウォーキングなどの軽い運動を組み合わせると全身の体力維持にも役立ちます。歩き方のコツや、筋肉を保つための食事については次の記事にまとめています。

よくある質問(FAQ)

腰痛があっても運動していいですか?

急性期(激しい痛み・動けない状態)以外は、腰への負担が少ない動きから体を動かしていくほうがよいとされています。座ったままできる骨盤前後傾や腰のひねりストレッチなど、痛みが出ない範囲の動きから始めてください。安静にしすぎることのほうが、かえって腰痛が長引く一因になると考えられています。

腰痛ストレッチは1日にどのくらい行えばよいですか?

まずは1日5分ほどを目安に、無理のない範囲で始めましょう。たくさん行うことよりも、毎日続けることのほうが大切です。朝と寝る前など、生活のなかで時間を決めると習慣にしやすくなります。

ストレッチ中に痛みを感じたらどうすればよいですか?

「痛い」と感じたら、その手前で止めてください。ストレッチは「痛気持ちいい」と感じる範囲で行うのが基本です。強い痛みやしびれがある場合は中止し、症状が続くときは整形外科などにご相談ください。

床に寝るのがつらい場合はどうすればよいですか?

椅子に座ったままできるストレッチから始めるのがおすすめです。この記事の運動①〜④はすべて椅子で行えますし、太もも裏やお尻を伸ばす動きも椅子で代用できます。ご自身が安全に取り組める姿勢を選ぶことが、長く続けるうえで大切です。

朝と夜、どちらに行うのが効果的ですか?

どちらでも構いませんが、体が温まっている入浴後は筋肉がやわらかく、伸ばしやすいためおすすめです。朝は動きが軽くなり、夜はこわばりをやわらげてくれます。ご自身の生活に合わせて続けやすい時間を選びましょう。

腰痛に筋トレは効果がありますか?

体幹(お腹まわり)の筋肉を保つことは、腰への負担を分散するうえで役立つと考えられています。腰への負担が少ない椅子でのお腹へこませ体操から始めて、体調に合わせて少しずつ増やしていくのがおすすめです。

ウォーキングは腰痛に効果がありますか?

適度なウォーキングは体幹や背中の筋肉を使うため、腰痛の予防に役立つと考えられています。ただし前かがみになりがちな歩き方では腰の負担が増えるため、背すじを伸ばした姿勢で歩くことが大切です。1回15〜20分のゆっくりした歩行から始めてみてください。

腰痛にコルセット・サポーターは有効ですか?

痛みが強い時期には負担をやわらげる助けになりますが、長く使い続けると腰まわりの筋肉を使う機会が減ってしまう可能性があります。日常は腰まわりの筋肉を保つことを中心にし、痛みが強いときの外出時などに活用するのがおすすめです。

運動が苦手でも続けられますか?

はい。ここで紹介した運動は、運動初心者の方でも取り組みやすいやさしい動きです。一人で続ける自信がない方は、シニア向けの教室で仲間と一緒に取り組むと、楽しく無理なく習慣にできます。

参考にした主なデータ・指針

まとめ|腰痛ケアは「動き方」と「腰まわりをゆるめること」から

60代・高齢者の腰痛の多くは、体幹の筋力低下・座りすぎ・姿勢のくせ・股関節まわりの硬さが重なって起こります。激しい運動は必要ありません。1時間に1回立ち上がる、椅子でできる体操を続ける、腰とお尻をやさしく伸ばす——これだけでも腰への負担は減らせます。

今日から始める腰のケア習慣:

  • 1時間に1回は必ず立ち上がる
  • 椅子での骨盤前後傾を1日10回
  • 腰のひねりストレッチを朝晩20秒ずつ
  • 入浴後に太もも裏とお尻を20〜30秒伸ばす
  • 荷物を持つときは膝を曲げてしゃがむ

しびれ・発熱・転倒後の痛みなど、セルフケアだけでは対応しきれないサインがあるときは、無理をせず医療機関にご相談ください。

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この記事は、シニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営する株式会社Envalueの編集部が、まちFitスタジオ運営者監修のもと作成しています。公的機関・学会などの公開情報をもとに、正確でわかりやすい健康情報の提供に努めています。

本記事は健康に関する一般的な情報の提供を目的としており、診断・治療などの医療行為を推奨するものではありません。症状の感じ方や経過には個人差があります。痛み・しびれ・はれなどが続く、または強くなる場合は、自己判断せず、医師などの専門家にご相談ください。

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