骨粗鬆症予防の運動|60代女性が自宅で始める骨活習慣

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まちFit
スタジオ運営責任者
東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
60〜80代の会員様と日々向き合う中で得た現場知識をもとに、無理なく続けられる健康習慣を発信しています。
「骨粗鬆症を予防するには、どんな運動をすればよいの?」——これは、60代・70代の女性からよくいただくご質問です。骨粗鬆症は、骨がもろくなって骨折しやすくなる状態のこと。骨密度は年齢とともに少しずつ減っていきますが、骨に刺激を与える運動や毎日の食事を意識することで、骨量の減少をゆるやかにし、転倒や骨折の予防につなげることが期待できます。
この記事では、骨粗鬆症予防のために60代女性が自宅で無理なく始められる運動を中心に、ウォーキングや筋力トレーニングのコツ、カルシウムやビタミンDのとり方まで、厚生労働省などの公的な指針をもとにやさしく解説します。フレイル予防やロコモティブシンドロームの予防、そして健康寿命を延ばすことにもつながる「骨活(こつかつ)」を、今日から一緒に始めていきましょう。
骨粗鬆症とは?骨がもろくなり骨折しやすくなる状態
まずは、骨粗鬆症がどのような状態なのかを整理しておきましょう。仕組みを知っておくと、なぜ運動や食事が予防に役立つのかが分かりやすくなります。ここでは、骨密度の意味や、年齢・性別による骨の変化について、公的機関の情報をもとにご説明します。
骨粗鬆症は「骨が脆くなって骨折しやすい状態」
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、骨粗鬆症について「骨が脆くなって骨折しやすい状態をいいます。腰椎や大腿骨の骨折によって、腰痛や寝たきりの原因になることさえあります」と説明されています。つまり骨粗鬆症そのものは痛みを感じにくく、転んだときの骨折をきっかけに気づくことも少なくありません。
背骨(腰椎)や太ももの付け根(大腿骨)を骨折すると、動ける範囲が狭くなり、そこから体力の低下や介護が必要な状態へと進んでしまうこともあります。だからこそ、骨折を防ぐ「転倒予防」と、骨そのものを守る「骨粗鬆症予防」の両方が大切になります。

骨密度は加齢で減り、女性は閉経後に減少が加速する
骨の丈夫さの目安となるのが「骨密度」です。e-ヘルスネットでは、骨密度を「骨を構成するカルシウムなどのミネラル成分のつまり具合」で、「骨の単位面積当たりの骨塩量で算出される」と定義しています。この数値が低くなるほど、骨がもろくなっているサインといえます。
同じ資料によると、骨密度は男女とも加齢によって減少することが確認されています。特に女性は「20歳ごろにピークを迎えて骨密度が最大となり、以後は骨密度が徐々に減少し閉経を迎える50歳ごろから骨密度の減少は加速します」とされています。閉経の前後で骨密度が減りやすくなるため、60代女性にとって骨粗鬆症予防は身近なテーマなのです。
放置すると転倒・骨折から要介護につながることも
骨がもろくなった状態で転倒すると、骨折し、そのまま動けない期間が続くことがあります。骨折や転倒は、要介護のきっかけになりやすい出来事のひとつです。逆に言えば、早めに骨粗鬆症予防に取り組むことは、フレイル予防やロコモティブシンドロームの予防、そして自立した生活を長く続けることにもつながります。

なぜ運動が骨粗鬆症予防につながるのか
「食事でカルシウムをとるのは分かるけれど、なぜ運動が骨によいの?」と思われる方も多いかもしれません。実は、骨は使うほど丈夫になろうとする性質があります。ここでは、運動が骨粗鬆症予防に役立つ理由を、仕組みからご説明します。
骨は刺激が加わると強くなろうとする
e-ヘルスネットでは、「骨はその長軸に対して物理的な刺激が加わると、微量の電流が骨に伝わり強さが増すといわれています」と紹介されています。歩いたり体を支えたりして骨に刺激が加わると、骨は「もっと丈夫にならなければ」と反応する、というイメージです。
そのため骨粗鬆症の予防には、「ウォーキングやジョギングのような重力のかかる運動が効果的だと考えられます」とされています。寝たまま・座ったままでは骨に刺激が伝わりにくいので、自分の体重を支えながら体を動かす運動が、骨活の基本になります。
運動は筋力とバランスを保ち、転倒予防にもなる
運動には、骨に刺激を与えるだけでなく、足腰の筋力やバランス感覚を保つ役割もあります。筋力とバランスが保たれていれば、つまずいても踏みとどまりやすく、転倒そのものを減らすことにつながります。骨を強くする働きと、転ばない体づくりの両面から、運動は骨粗鬆症予防を支えてくれるのです。
厚生労働省も、カルシウムの摂取やビタミンDを合成する日光浴に加えて、「ウォーキングや筋力トレーニングなど、骨に刺激が加わる運動」を予防のためにすすめています。食事・日光・運動の3つをそろえることが、骨活のポイントといえます。
60代女性が自宅で始める骨粗鬆症予防の運動メニュー
ここからは、自宅でも取り入れやすい具体的な運動をご紹介します。特別な道具はいりません。ウォーキング・かかとの上げ下げ・筋力トレーニング・バランス運動を、体調に合わせて組み合わせてみましょう。痛みがあるときや持病がある場合は、無理をせず、かかりつけ医に相談してから始めてください。
①ウォーキング:体重を支えて骨に刺激を与える
もっとも手軽な骨活が、ウォーキングです。自分の体重を支えながら歩くことで、足腰の骨に自然と刺激が加わります。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の高齢者版では、「歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上行うことを推奨する(1日約6,000歩以上に相当)」とされています。
とはいえ、いきなり40分歩く必要はありません。10分の散歩を1日数回に分けたり、買い物や庭仕事の中で歩数を増やしたりする形でも構いません。まずは「昨日より少し多く歩く」ことから始めてみましょう。


②かかとの上げ下げ:立ったままできる骨活
台所やテーブルのそばで、椅子や机に軽く手を添えて行う「かかとの上げ下げ」もおすすめです。両足のかかとをゆっくり持ち上げ、つま先立ちになったら、かかとをストンと下ろします。かかとを下ろすときに、足の骨へ軽い刺激が伝わります。
- 椅子や机に手を添えて、転ばない位置で行います
- かかとを上げて2〜3秒キープし、ゆっくり下ろします
- 10回ほどを目安に、1日1〜2セットから始めましょう
- ふらつくときは座ったまま足踏みに切り替えます
痛みや違和感があるときは中止し、無理のない範囲で行うことが大切です。
③筋力トレーニング:スクワットや太もも上げ
身体活動・運動ガイド2023の高齢者版では、「筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨する」とされています。骨を支える筋肉を保つことは、骨活と転倒予防の両方に役立ちます。自宅では、椅子を使ったスクワット(立ち座り運動)や、座ったままの太もも上げなどが取り入れやすい運動です。
- 椅子スクワット:椅子から立ち上がり、ゆっくり座る動作をくり返す
- 太もも上げ:椅子に座り、片足ずつ太ももを持ち上げる
- 回数よりも、ゆっくり丁寧に行うことを意識する


④バランス運動:片足立ちで転倒を防ぐ
同じガイドでは、「筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を、週3日以上行うことを推奨する」とされています。バランスを養う代表的な運動が「片足立ち」です。壁や机に手を添え、片方の足を軽く浮かせて姿勢を保ちます。左右それぞれ無理のない秒数から始め、ふらついたら足をついて姿勢を整えましょう。転倒予防を意識した、安全な環境で行うことが大切です。
骨活運動を無理なく続ける・安全に行うコツ
運動は一度がんばるよりも、細く長く続けることが骨活につながります。ここでは、60代・70代の方が無理なく運動を習慣にするための工夫と、安全に行うための注意点をまとめました。
「ながら」と「小分け」で習慣にする
まとまった時間を確保しようとすると、かえって続きにくくなりがちです。歯みがきをしながらかかとの上げ下げをする、テレビを見ながら太もも上げをするなど、暮らしの動作に運動を組み込むと続けやすくなります。前述のとおり、身体活動は1日の中で小分けにしても構いません。
ガイドでは、座りっぱなし(座位行動)の時間が長くなりすぎないように注意することも、ポイントとして示されています。30分から1時間に一度は立ち上がって、少し歩くだけでも骨と筋肉によい刺激になります。
痛み・持病があるときは専門家に相談を
膝や腰、股関節に痛みがあるとき、持病がある場合や薬を服用している場合は、自己判断で強い運動を始めるのは避けましょう。かかりつけ医や整形外科、地域包括支援センターなどに相談したうえで、自分に合った運動量を見つけることが、安全に骨活を続けるコツです。まちFitのような専門スタッフのいる施設で、姿勢や動きを確認してもらうのも一つの方法です。
運動とあわせて大切な食事と生活習慣
骨活は、運動だけでなく食事と生活習慣がそろってこそ力を発揮します。e-ヘルスネットでは、生涯を通じての骨粗鬆症の予防について「獲得する最大骨量を大きくすることと、骨量減少を最小限に留めることを基本」とし、「除去可能な危険因子を早期に取り除くこと」が大切だと説明されています。ここでは、運動とあわせて意識したい栄養素をご紹介します。
カルシウム:骨の材料になる栄養素
カルシウムは骨の重要な構成成分で、骨に取り込まれることで新しい骨が作られます。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、カルシウムの1日の推奨量は、65〜74歳の女性で650mg、75歳以上の女性で600mg(男性はいずれも750mg)とされています。牛乳・乳製品は、カルシウムの供給源として含有量だけでなく吸収率にもすぐれた食品です。小魚や大豆製品、青菜なども組み合わせるとよいでしょう。
なお、同基準ではカルシウムのとりすぎを避ける目安として、成人で1日2,500mgという上限も示されています。サプリメントなどを使う場合は、とりすぎにも気をつけましょう。
ビタミンD:カルシウムの吸収を助け、日光でもつくられる
カルシウムをとっても、吸収されなければ骨に届きにくくなります。e-ヘルスネットでは、カルシウムの吸収を促進する栄養素としてビタミンDが挙げられています。食事摂取基準(2025年版)では、ビタミンDの1日の目安量は65歳以上の男女で9.0μgとされています。
ビタミンDは、日光を浴びることで皮膚でもつくられます。食事摂取基準でも、「日常生活において可能な範囲内での適度な日光浴を心がける」ことの重要性が示されています。屋外でのウォーキングは、骨への刺激と日光浴を同時にかなえられる、骨活にうれしい習慣といえます。
ビタミンKやたんぱく質もあわせて
e-ヘルスネットでは、骨へのカルシウムの取り込みを助ける栄養素としてビタミンKも挙げられています。納豆や緑黄色野菜などに多く含まれます。また、骨を支える筋肉を保つには、たんぱく質をしっかりとることも欠かせません。特定の食品だけに偏らず、いろいろな食材をバランスよく組み合わせることが、骨と体を守る食事の基本です。
よくある質問
- 骨粗鬆症の予防は何歳から始めればよいですか?
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骨密度は男女とも加齢とともに減り、女性は閉経を迎える50歳ごろから減少が加速するとされています。そのため、思い立ったときが始めどきです。60代・70代からでも、骨に刺激を与える運動や食事を意識することで、骨量の減少をゆるやかにし、転倒や骨折の予防につなげることが期待できます。
- 運動が苦手でも骨粗鬆症は予防できますか?
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激しい運動は必要ありません。厚生労働省のガイドでも、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上に相当)行うことがすすめられています。まずは短い散歩や、椅子につかまってのかかとの上げ下げなど、無理のない動きから始めれば十分です。座りっぱなしを減らすことも大切なポイントです。
- ウォーキングだけでも骨粗鬆症予防になりますか?
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ウォーキングは体重を支えて骨に刺激を与えられる、骨活の基本となる運動です。あわせて筋力トレーニングやバランス運動を週に数回取り入れると、骨を支える筋力や転倒を防ぐバランス感覚も保ちやすくなります。運動と食事の両面から取り組むことがおすすめです。
- カルシウムはサプリメントでとってもよいですか?
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まずは牛乳・乳製品や小魚、大豆製品、青菜など、食品からとることが基本です。食事摂取基準(2025年版)では、カルシウムの上限量として成人で1日2,500mgが示されています。サプリメントを使う場合はとりすぎに注意し、持病や服薬がある方はかかりつけ医に相談すると安心です。
- 膝や腰が痛くても運動して大丈夫ですか?
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痛みがあるときは、無理に運動を続けないでください。まずはかかりつけ医や整形外科に相談し、自分に合った運動量を確認することが大切です。座ったままでできる足踏みや太もも上げなど、痛みの出にくい動きから始める方法もあります。
- 日光浴はどのくらいすればよいですか?
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ビタミンDは日光を浴びることで皮膚でもつくられます。食事摂取基準(2025年版)では、日常生活において可能な範囲内での適度な日光浴を心がけることの大切さが示されています。屋外でのウォーキングは、骨への刺激と日光浴を同時にかなえられるため、骨活として取り入れやすい習慣です。
参考にした主なデータ・指針
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「骨粗鬆症予防のための運動 -骨に刺激が加わる運動を」(骨粗鬆症の定義、骨に刺激が加わると強くなる仕組み、重力のかかる運動が効果的である点を引用)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「骨粗鬆症の予防のための食生活」(最大骨量を大きくし骨量減少を抑える基本方針、カルシウム・ビタミンD・ビタミンK・乳製品に関する記述を引用)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「骨密度」(骨密度の定義と、加齢・閉経後に骨密度が減少するという記述を引用)
- 厚生労働省「『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』推奨シート:高齢者版」(歩行1日40分以上・1日約6,000歩以上に相当、筋力トレーニング週2〜3日、多要素な運動週3日以上、座位行動への注意を引用)
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(カルシウムの推奨量と上限量、ビタミンDの目安量、日光浴に関する記述を引用)
まとめ|骨粗鬆症予防は今日の骨活習慣から
骨粗鬆症は、骨がもろくなって骨折しやすくなる状態です。骨密度は加齢とともに減り、女性は閉経後に減少が加速しますが、骨に刺激を与える運動と、カルシウム・ビタミンDを意識した食事を続けることで、骨量の減少をゆるやかにし、転倒や骨折の予防につなげることが期待できます。ウォーキングや筋力トレーニング、バランス運動を、無理のない範囲で今日から少しずつ。骨活は、フレイル予防やロコモティブシンドロームの予防、そして健康寿命を延ばし、自立した生活を長く続ける力になります。痛みや持病が気になるときは、無理をせず専門家に相談しましょう。
今日から始める骨活習慣のポイント:
- ウォーキングで体重を支え、骨に刺激を与える(まずは昨日より少し多く歩く)
- かかとの上げ下げ・スクワット・片足立ちを、無理のない回数から
- 座りっぱなしを減らし、こまめに立ち上がって動く
- カルシウム・ビタミンD・ビタミンK・たんぱく質をバランスよく
- 屋外の散歩で、骨への刺激と適度な日光浴を同時に
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「一人で運動を続ける自信がない」「自分に合った運動量が分からない」という方は、シニア向けの健康スタジオ「まちFit」をのぞいてみませんか。まちFitは「健やかな毎日を、まちのそばで。」をコンセプトに、60代・70代の方が無理なく体を動かせるプログラムをご用意しています。
- 骨や足腰に配慮した、シニア向けの運動プログラム
- スタッフが姿勢や動きを確認し、無理のない範囲でサポート
- ウォーキングや筋力・バランス運動を、みんなで楽しく継続
- 同世代の仲間ができ、通うことが習慣づくりの後押しに

体を動かす習慣は、骨と足腰を守り、これからの毎日を自分の足で歩いていくための土台になります。運動が久しぶりの方や、体力に自信のない方も、その方のペースに合わせて始められます。
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