高齢者の体力測定|シニア・60代が自宅でできる体力チェックと目安

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まちFit
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東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
60〜80代の会員様と日々向き合う中で得た現場知識をもとに、無理なく続けられる健康習慣を発信しています。
「最近、少し歩いただけで疲れる」「立ち上がるときに手すりがないと不安」——そんな変化を感じたとき、まず役立つのが高齢者の体力測定です。体力測定は、いまの自分の筋力やバランス、歩く力を目安で確かめ、フレイル予防や介護予防、健康寿命を延ばすための出発点になります。シニアや60代の方が、特別な道具や施設がなくても自宅でできる体力チェックはいくつもあります。この記事では、まちFit編集部が公的機関の資料をもとに、高齢者の体力測定の意味と自宅でできる方法、結果の見方、そして毎日の体力維持につなげるコツをやさしく解説します。
高齢者の体力測定とは?今の体力を知る意味
高齢者の体力測定とは、筋力・バランス能力・歩く力といった「動くための力」を、いくつかの決まった方法で確かめることをいいます。体重や血圧のように数字で残しておくと、去年の自分と比べて変化に気づきやすくなります。まずは、体力測定でわかることと、シニアにとっての意味を整理してみましょう。
体力測定でわかること
ひとことで「体力」といっても、その中身はいくつかの要素に分けられます。体力測定では、次のような力をそれぞれ確かめます。日常生活のどの動きが苦手になっているのかが見えてくると、対策も立てやすくなります。
- 脚の筋力:立ち上がる・階段をのぼるなど、体を支えて動かす力
- バランス能力:片足立ちやふらつきに関わる、姿勢を保つ力
- 歩く力・歩幅:外出やお出かけを支える、移動する力
- 握力:全身の筋力の目安として使われることが多い、手で握る力
- 全身持久力:長く歩いても息切れしにくい、体を動かし続ける力
これらの力は、年齢とともに少しずつ変化していきます。とくに脚の筋力は落ちやすく、放っておくと転倒予防の面でも心配が出てきます。自分の弱くなりやすいところを早めに知ることが、体力測定のいちばんの目的です。
なぜシニアに体力測定が役立つのか
加齢によって筋肉量が減っていく状態はサルコペニアと呼ばれ、進むと立ち上がりや歩行がつらくなります。また、筋力や心身の活力が低下した状態はフレイルと呼ばれ、その手前の段階で気づいて対策すれば、もとの元気な状態に戻せる可能性があるとされています。体力測定は、こうしたサルコペニアやフレイルの兆候に早めに気づくためのものさしになります。
さらに、骨や関節、筋肉といった移動に関わる器官が衰えた状態はロコモティブシンドローム(通称ロコモ)と呼ばれます。ロコモが進むと、将来的に介護が必要になるおそれが高まります。定期的な体力測定で自分の状態を知ることは、フレイル予防やロコモ対策、そして自立した生活を長く続けることにつながります。


自宅でできる高齢者の体力測定・体力チェック方法
ここからは、シニアが自宅で道具をほとんど使わずにできる体力チェックを紹介します。いずれも、日本整形外科学会が公開しているロコモ度テストの考え方をもとにした方法です。転倒しないよう、手すりや壁、丈夫な椅子のそばで、できればご家族に見守ってもらいながら、無理のない範囲で試してみましょう。
立ち上がる力をみる「立ち上がりテスト」
立ち上がりテストは、脚の筋力を確かめる方法です。日本整形外科学会の手順では、高さ40cm・30cm・20cm・10cmの台を使い、反動をつけずに立ち上がって3秒間そのままの姿勢を保てるかを確かめます。家庭では、座面の高さが40cmほどの椅子を台の代わりに使うとよいでしょう。
- 椅子に浅く腰かけ、両腕を胸の前で組み、両脚を肩幅くらいに開きます
- 反動をつけずに立ち上がり、立った姿勢を3秒間保てるか確かめます
- 両脚でできたら、片脚を軽く上げ、片脚だけで同じように立ち上がれるか試します
- 痛みやふらつきを感じたら、すぐに中止してください
日本整形外科学会の基準では、どちらか一方の片脚で40cmの台から立ち上がれず、両脚でなら20cmの台から立ち上がれる場合が、移動する力の低下が始まっている「ロコモ度1」とされています。両脚で20cmから立ち上がれない場合は、さらに低下が進んだ段階にあたります。当てはまっても慌てる必要はありませんが、足腰の運動を始めるよいきっかけととらえましょう。
バランスをみる「片足立ち」|高齢者は何秒を目安にする?
高齢者の片足立ちは、姿勢を保つバランス能力を確かめる、道具のいらないチェックです。ふらつきや転倒予防に関わる力なので、必ず壁やテーブルのそばで、いつでもつかまれる状態で行ってください。
- 壁やテーブルのそばに立ち、片方の脚を床から少し浮かせます
- 目を開けたまま、どのくらいの時間ふらつかずに立っていられるか数えます
- ぐらついたら、すぐに手をついて構いません。左右それぞれ試します
「高齢者の片足立ちは何秒できればよいのか」と気になる方が多いのですが、何秒という一つの基準を当てはめるより、前回の自分と比べて保てる時間が変わっていないかを見るほうが役に立ちます。体調や靴、床の状態でも変わるためです。開眼での片足立ちは、後述するスポーツ庁の新体力テストにも取り入れられている項目なので、目安がほしい方はそちらの記録と見比べてみてください。
歩く力・歩幅をみる「2ステップテスト」
2ステップテストは、歩幅から歩く力を確かめる方法です。歩幅はバランスや脚の筋力を反映するとされ、外出のしやすさにも関わります。滑りにくい床で、こちらもご家族に付き添ってもらいながら行うと安心です。
- スタートラインに両足のつま先をそろえて立ちます
- バランスを崩さない範囲で、できるだけ大股で2歩進み、両足をそろえます
- 最初のラインから、着地したつま先までの長さ(2歩分の歩幅)を測ります
- 2回行い、良かったほうの記録を使います
記録は「2歩幅(cm)÷身長(cm)=2ステップ値」で計算します。ジャンプはせず、無理をしないことが大切です。数値が気になる場合は、地域包括支援センターや整形外科などの専門機関に相談すると、より詳しい評価を受けられます。

専門的な体力測定「新体力テスト」と「ロコモ度テスト」
自宅でのチェックに加えて、公的機関が定めた本格的な体力測定の仕組みもあります。地域の運動教室や健診で行われることもあるため、どのようなものかを知っておくと安心です。ここでは代表的な2つを紹介します。
スポーツ庁の新体力テスト(65歳〜79歳対象)
スポーツ庁は、65歳から79歳までの男女を対象にした「新体力テスト」の実施要項を公開しています。まず日常生活活動テスト(ADL)で安全に測定できるかを確認したうえで、次のような項目を測ります。
- 握力:手で握る力を測り、全身の筋力の目安とします
- 上体起こし:あおむけから起き上がり、おなかまわりの筋力をみます
- 長座体前屈:座って前屈し、体の柔らかさ(柔軟性)をみます
- 開眼片足立ち:目を開けた片足立ちで、バランス能力をみます
- 10m障害物歩行:障害物をまたぎながら歩き、歩く機敏さをみます
- 6分間歩行:6分間で歩ける距離から、全身持久力をみます
これらは、脚の力・バランス・柔軟性・歩く力・持久力といった、暮らしを支える力を幅広く確かめる内容になっています。実施の際は、安全のための事前確認が必ず行われる点も特徴です。
日本整形外科学会のロコモ度テスト
日本整形外科学会は、ロコモティブシンドロームの程度を確かめる「ロコモ度テスト」を提唱しています。前の章で紹介した立ち上がりテストと2ステップテスト、そして体の状態や暮らしぶりを25の質問で確かめる「ロコモ25」の3つからなります。
3つのテストのうち、移動する力の低下がもっとも進んでいる結果が最終的な判定になります。低下の程度は、始まりの段階である「ロコモ度1」、進行した「ロコモ度2」、社会参加に支障が出るおそれのある「ロコモ度3」に分けられます。いずれかに当てはまったら、足腰の運動やバランスのよい食事など、できることから対策を始める合図と考えましょう。

体力測定の結果を毎日の習慣に活かすコツ
体力測定は、測って終わりではなく、その後の生活に活かしてこそ意味があります。結果の受け止め方と、無理なく続けるための工夫を知っておきましょう。数字に一喜一憂しすぎず、前向きな一歩につなげることが大切です。
結果の受け止め方と次の一歩
測定の結果は、いまの自分を知るための目安であり、優劣を決めるものではありません。思わしくない項目があっても、それは「これから伸ばせる部分が見つかった」ということです。次のように受け止めると、前向きに取り組みやすくなります。
- 前回の自分と比べる:他人ではなく過去の自分が比較の相手です
- 弱い項目に運動を合わせる:脚が弱ければ立ち上がり運動、といった具合に選びます
- 記録を残す:日付とともにメモしておくと、変化や成長が見えます
- 不安があれば相談する:かかりつけ医や地域包括支援センターを頼りましょう
無理なく続ける体力づくりの工夫
体力維持のためには、激しい運動を一度だけ頑張るより、やさしい運動を毎日少しずつ続けるほうがよいとされています。脚の筋力を保つスクワットや、椅子を使った立ち座りの運動、こまめなウォーキングなどは、自宅でも取り入れやすい方法です。あわせて、筋肉のもとになるたんぱく質を意識した食事をとることで、体力維持や転倒予防につながります。
一人だと続けにくいときは、家族や仲間と一緒に取り組んだり、地域の運動教室に参加したりするのもおすすめです。人との交流は心の張り合いにもなり、フレイル予防の面でも役立つと考えられています。


よくある質問
- 高齢者の体力測定は自宅でもできますか?
-
はい。立ち上がりテストや片足立ちなど、椅子と身近な場所があれば自宅でできる体力チェックがあります。転倒が心配な場合は、手すりや壁のそばで、ご家族に見守ってもらいながら無理のない範囲で行いましょう。
- 体力測定はどのくらいの頻度で行うとよいですか?
-
決まった正解はありませんが、季節の変わり目や数か月ごとなど、定期的に同じ方法で測ると変化に気づきやすくなります。毎日でなくても、記録を残して前回と比べることが大切です。
- 立ち上がりテストで片脚40cmから立ち上がれないと問題ですか?
-
日本整形外科学会の基準では、片脚で40cmの台から立ち上がれず、両脚でなら20cmの台から立ち上がれる状態が、移動する力の低下が始まっている「ロコモ度1」とされています。両脚で20cmから立ち上がれない場合は、より進んだ段階にあたります。すぐに大きく心配する必要はありませんが、足腰の運動を始めるきっかけととらえましょう。
- 体力に自信がなくても測定して大丈夫ですか?
-
無理のない範囲であれば問題ありません。痛みやふらつきを感じたらすぐに中止し、持病がある方や体調に不安がある方は、かかりつけ医や地域包括支援センターに相談してから行うと安心です。
- 何歳ごろから体力測定を意識するとよいですか?
-
特に決まりはありませんが、筋肉量は年齢とともに減りやすいため、60代のうちから今の状態を知っておくと、フレイル予防や介護予防に役立ちます。40代・50代でも早すぎることはありません。
- 測定の結果がよくなかったらどうすればよいですか?
-
結果は今の自分を知るための目安です。数字が思わしくなくても、足腰の運動やたんぱく質を意識した食事など、できることから始めれば、体力維持や改善が期待できます。心配な場合は専門機関に相談しましょう。
参考にした主なデータ・指針
- スポーツ庁「新体力テスト実施要項(65歳〜79歳対象)」(対象年齢とテスト項目(握力・上体起こし・長座体前屈・開眼片足立ち・10m障害物歩行・6分間歩行、ADLによる事前スクリーニング)を引用)
- 日本整形外科学会 ロコモONLINE「ロコモ度判定方法」(ロコモ度テストの3項目と、ロコモ度1・2・3の考え方を引用)
- 日本整形外科学会 ロコモONLINE「立ち上がりテスト」(台の高さ・3秒保持などの手順と、片脚40cmの目安を引用)
- 日本整形外科学会 ロコモONLINE「2ステップテスト」(2ステップ値(2歩幅÷身長)の測り方を引用)
まとめ|体力測定を、元気に暮らし続ける第一歩に
高齢者の体力測定は、いまの筋力やバランス、歩く力を確かめ、フレイルやロコモの兆候に早めに気づくためのものさしです。立ち上がりテストや片足立ちなど、シニアが自宅でできる体力チェックから始め、結果を毎日の運動や食事に活かしていくことが、体力維持や転倒予防、そして健康寿命を延ばすことにつながります。数字に一喜一憂せず、前回の自分と比べながら、無理なく続けていきましょう。
今日から始める体力チェックの習慣のポイント:
- まずは椅子を使った立ち上がりテストなど、ひとつ試してみる
- 測った日付と結果をメモに残し、前回の自分と比べる
- 弱いと感じた力に合わせて、足腰の運動をひとつ選んで続ける
- たんぱく質を意識した食事で、筋肉のもとを補う
- 不安があれば、かかりつけ医や地域包括支援センターに相談する
体力測定のその先へ|まちFitで無理なく体力づくりを始めませんか
「一人ではなかなか運動が続かない」「安全に体を動かせる場所がほしい」——そんな思いをお持ちのシニアの方に、まちFitはぴったりの場所です。まちFitは、シニア世代が無理なく健康習慣を続けられるよう、専門スタッフがやさしくサポートする地域密着の健康スタジオです。体力チェックで見えた弱いところに合わせて、体力や体調に合った運動に楽しく取り組めます。
- 週複数回の運動を、専門スタッフのもとで安全に続けられる
- 椅子や手すりを使った、運動初心者でも安心の内容
- 同年代の仲間との交流が生まれ、社会参加にもつながる
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「そろそろ体を動かしたい」「元気なうちに介護予防を始めたい」と思った今が、はじめどきです。体力維持や転倒予防、フレイル予防にもつながる習慣を、まちFitで一緒に育てていきましょう。
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