高齢者の便秘を改善する習慣|運動・食事・生活リズムで整えるコツ

椅子でお腹をひねる体操をする60代女性のイラスト|高齢者の便秘改善|まちFit

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まちFit
スタジオ運営責任者

東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
60〜80代の会員様と日々向き合う中で得た現場知識をもとに、無理なく続けられる健康習慣を発信しています。

目次

高齢者に便秘が増えるのはなぜ?加齢による体の変化

年齢を重ねると、「お通じの調子が悪い」「何日も出ない日が続く」と感じる方が増えてきます。高齢者の便秘は、加齢にともなう体の自然な変化や、運動不足・食事量の減少など、いくつかの要因が重なって起こりやすくなると考えられています。この記事では、シニアの方が自宅で無理なく取り組める便秘改善の習慣を、運動・食事・生活リズムの3つの視点からわかりやすくご紹介します。

そもそも便は、腸のぜん動運動(腸が伸び縮みして便を送り出す動き)によって体の外へと運ばれます。ところが加齢とともに腸の動きがゆるやかになったり、腹筋などの筋力が低下したりすると、便を押し出す力が弱まりやすくなります。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、運動不足や食物繊維・水分の不足、生活リズムの乱れなどが便秘に関わる要因として紹介されています。

さらに高齢になると、食事量そのものが減って食物繊維や水分をとりにくくなったり、のどの渇きを感じにくくなって水分が不足しがちになったりします。持病のお薬の影響でお通じに変化が出ることもあります。便秘は珍しいことではありませんが、「年のせいだから」とあきらめず、日々の生活習慣を少し見直すことで、腸の調子を整えていくことが期待できます。

高齢者の便秘改善に大切な3つの柱

便秘の改善というと「食物繊維をとる」ことばかりに目が向きがちですが、シニアの腸の調子を整えるには、いくつかの習慣をバランスよく組み合わせることが大切だと考えられています。ここでは、高齢者が便秘改善を目指すうえで意識したい3つの柱を整理してご紹介します。どれもむずかしいものではなく、毎日の暮らしに少しずつ取り入れられるものばかりです。

  • 体を動かす(運動):ウォーキングやお腹まわりの運動で腸を刺激し、ぜん動運動を後押しします。
  • 食事を整える(栄養・水分):食物繊維や発酵食品、こまめな水分補給で腸内環境をサポートします。
  • 生活リズムを整える(排便習慣):決まった時間にトイレへ行く習慣や、十分な睡眠で自律神経のバランスを保ちます。

この3つは、どれか一つだけをがんばるよりも、無理のない範囲で少しずつ組み合わせていくことが、結果として腸の調子を整える近道になると考えられています。次の章から、それぞれのポイントを具体的に見ていきましょう。まずは、自宅で手軽にできる運動からご紹介します。

腸を動かす!自宅でできる高齢者向けの簡単な運動

体を動かすことは、腸のぜん動運動を後押しし、便秘改善を支える大切な習慣です。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、年齢を問わず座りっぱなしを減らし、こまめに体を動かすことがすすめられています。ここでは、シニアの方が自宅で安全に取り組める、お腹まわりを中心とした簡単な運動をご紹介します。痛みのない気持ちよい範囲で、呼吸を止めずに行いましょう。

① 朝のウォーキングで腸を目覚めさせる

歩くことは全身の血行をうながし、腸への刺激にもつながると考えられています。まずは10〜15分ほど、無理のないペースで歩くことから始めてみましょう。朝の光を浴びながら歩くと、体内リズムが整いやすくなり、自然なお通じのリズムづくりにも役立つとされています。膝や腰に不安がある方は、距離よりも「毎日続けること」を優先してください。

② 椅子に座ってできるお腹ひねり

椅子に浅く腰かけ、背すじを軽く伸ばします。両手を胸の前で組み、息を吐きながら上半身をゆっくり左右にひねります。お腹まわりをやさしく動かすことで、腸への穏やかな刺激が期待できます。左右それぞれ5回ずつ、反動をつけずにゆっくり行いましょう。座ったままできるので、バランスに不安のある方でも安心して取り組めます。

③ あおむけでできるお腹の「の」の字マッサージ

あおむけに寝て、ひざを軽く立てます。手のひらで、おへそのまわりを時計回りに「の」の字を書くようにやさしくさすります。大腸の流れにそって刺激することで、お腹がリラックスしやすくなります。1〜2分ほど、力を入れすぎず気持ちよい範囲で行いましょう。就寝前や起床時など、リラックスした時間帯に取り入れるのがおすすめです。

④ 下半身の筋力づくりで「押し出す力」を保つ

便を押し出すには、腹筋や足腰の筋力も関わってきます。椅子からの立ち座りをゆっくり繰り返すスクワットや、かかとの上げ下げなど、無理のない筋力づくりを習慣にすると、全身の体力維持にもつながります。運動不足を感じている方は、まず「座っている時間を減らす」ことから意識してみましょう。

便秘改善を支える食事のポイント|食物繊維・水分・発酵食品

腸の調子を整えるには、毎日の食事も大きな役割を果たします。高齢者は食事量が減りがちで、知らないうちに食物繊維や水分が不足していることも少なくありません。ここでは、便秘改善を支える食事のポイントを3つに分けてご紹介します。無理なく続けられるよう、いつもの食事に少しずつ取り入れていきましょう。

  • 食物繊維をバランスよく:野菜・海藻・きのこ・果物・豆類などに多く含まれます。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食物繊維の摂取目標量を65〜74歳で男性21g以上・女性18g以上、75歳以上で男性20g以上・女性17g以上としています。
  • 水分をこまめに:便がかたくなるのを防ぐため、のどが渇く前に少しずつ水やお茶をとりましょう。持病で水分制限がある方は、かかりつけ医の指示に従ってください。
  • 発酵食品で腸内環境をサポート:ヨーグルト・納豆・みそ・漬物などは、腸内の善玉菌のはたらきを助けると考えられています。

食物繊維には、水に溶けてやわらかくする「水溶性」と、便のかさを増して腸を刺激する「不溶性」の2種類があります。どちらか一方にかたよらず、いろいろな食材から少しずつとることが、腸内環境を整えるうえで大切だとされています。朝食をしっかりとることも、腸を目覚めさせるきっかけになります。食事から筋肉や体力を守る工夫については、あわせて次の記事も参考にしてみてください。

排便リズムを整える生活のコツ|トイレ習慣と睡眠

便秘の改善には、腸のはたらきをコントロールする自律神経のバランスも関わっています。規則正しい生活リズムを整えることは、シニアの快適なお通じを支える土台になります。ここでは、毎日の暮らしのなかで無理なくできる、排便リズムづくりのコツをご紹介します。

  • 朝、決まった時間にトイレへ:便意がなくても、朝食後にトイレに座る習慣をつけると、自然なリズムが整いやすくなります。
  • 便意をがまんしない:「あとで」と先のばしにすると、便意を感じにくくなることがあります。サインを感じたら早めにトイレへ。
  • 十分な睡眠でリラックス:睡眠不足やストレスは自律神経の乱れにつながり、腸のはたらきにも影響すると考えられています。
  • お腹を冷やさない:腹巻きや温かい飲み物で、お腹まわりを温かく保ちましょう。

特に、朝は腸が動きやすい時間帯といわれています。朝食をとって体を目覚めさせ、少し体を動かしてからトイレに向かう、といった一連の流れを習慣にすると、お通じのリズムが整いやすくなります。睡眠の質を高める工夫については、次の記事もあわせてご覧ください。

こんな便秘は医療機関へ|受診を考えたい目安

便秘の多くは生活習慣の見直しで整えていけると考えられていますが、なかには医療機関への相談が望ましいケースもあります。自己判断で市販薬を続けたり、がまんしすぎたりせず、気になる症状があるときは早めにかかりつけ医や専門の医療機関に相談しましょう。以下のような場合は、受診を検討する目安になります。

  • 急に便秘がひどくなった、これまでと便の様子が大きく変わった
  • 便に血が混じる、黒っぽい便が出る
  • 強い腹痛や吐き気、お腹の張りが続く
  • 体重が理由なく減ってきた
  • 生活習慣を見直しても、なかなか改善がみられない

便秘の背景に、別の病気や服用中のお薬が関わっていることもあります。日本消化器病学会などの専門機関も、気になる症状が続く場合は医師への相談をすすめています。「たかが便秘」と考えず、体からのサインとして受け止めることが、シニアの健康を守る大切な一歩です。

高齢者の便秘改善に関するよくある質問

最後に、高齢者の便秘改善について、シニアの方やご家族からよく寄せられる質問にお答えします。日々のセルフケアの参考にしてください。

何日お通じがないと便秘と考えればよいですか?

排便の回数には個人差があり、必ずしも「毎日出ない=便秘」とは限りません。一般的には、3日以上出ない状態が続いたり、便がかたくて出しにくい、残った感じがしてすっきりしない、といった不快感があるときに便秘と考えられます。ご自身がつらいと感じるかどうかが一つの目安になります。

運動が苦手でもできる便秘対策はありますか?

ご安心ください。今回ご紹介した椅子に座ってのお腹ひねりや、あおむけでのお腹マッサージは、体力に自信のない方でも取り組みやすい方法です。まずは座ったままできるものや、水分・食事の見直しなど、無理のない範囲から始めてみてください。

水分はどのくらいとればよいですか?

のどが渇く前に、こまめに少しずつとることが基本です。一度にたくさん飲むよりも、朝起きたときや食事のときなど、タイミングを決めて分けてとるとよいでしょう。ただし、心臓や腎臓の病気などで水分制限を受けている方は、必ずかかりつけの医師の指示に従ってください。

ヨーグルトは便秘に役立ちますか?

ヨーグルトなどの発酵食品は、腸内の善玉菌のはたらきを助け、腸内環境を整えるサポートになると考えられています。ただし、効果の感じ方には個人差があります。数週間続けてみて合うものを選び、食物繊維や水分、運動とあわせてバランスよく取り入れることが大切です。

市販の便秘薬に頼ってもよいのでしょうか?

市販薬は一時的に頼ることもありますが、自己判断で長く使い続けるのは避けたほうがよいとされています。使い方によっては体が慣れてしまうこともあるため、続けて使いたい場合や、使っても改善しない場合は、薬剤師や医師に相談しましょう。

どのくらい続ければ体の変化を感じられますか?

生活習慣による腸の調子の変化には個人差があり、すぐに実感できる方もいれば、時間がかかる方もいます。一日で結果を求めず、運動・食事・生活リズムの見直しを数週間単位でこつこつ続けることが大切です。続けても改善がみられない場合は、医療機関に相談してください。

参考にした主なデータ・指針

まとめ|高齢者の便秘は毎日の習慣でやさしく整える

高齢者の便秘は、加齢による腸の動きの変化や運動不足、食物繊維・水分の不足などが重なって起こりやすくなります。改善のカギは、「体を動かす」「食事を整える」「生活リズムを整える」の3つをバランスよく続けること。どれも毎日の暮らしに少しずつ取り入れられるものばかりです。気になる症状が続くときは、無理をせず医療機関に相談しましょう。

今日から始める便秘ケアの習慣:

  • 朝、コップ1杯の水を飲んで軽くウォーキング
  • 椅子に座ってお腹ひねりを左右5回ずつ
  • 野菜・海藻・発酵食品を毎食少しずつ取り入れる
  • 朝食後にトイレに座る習慣で排便リズムを整える

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「一人だと運動が続かない」「どんな体操をすればよいか分からない」——そんな方は、シニア向け健康スタジオ「まちFit」をのぞいてみませんか。まちFitは“健やかな毎日を、まちのそばで。”をコンセプトに、60代・70代の方が無理なく体を動かせる運動プログラムをご用意しています。お腹まわりや足腰をやさしく動かす習慣づくりを通して、体力維持や健康寿命を延ばす毎日を応援します。

  • 専門スタッフがそばで見守るので、運動が初めてでも安心
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  • 同世代の仲間と一緒だから、楽しく通い続けられる
  • 体を動かす習慣づくりを、まちのそばで気軽にサポート
まちFit池上スタジオでシニアが体を動かす様子

運動を続けるいちばんのコツは、「がんばりすぎないこと」と「一人で抱え込まないこと」です。まちFitでは、その方のペースに合わせてスタッフが寄り添いますので、体力に自信がない方も安心してお過ごしいただけます。

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編集体制:本記事はまちFit編集部が企画・執筆し、まちFitスタジオ運営者監修のもとで内容を確認しています。掲載情報は公開時点のものです。

免責事項:本記事は健康づくりに関する一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を目的とするものではありません。体調やお身体の状態には個人差があります。便秘が続く場合や、体調に不安のある方は、自己判断せずかかりつけの医師にご相談ください。

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