骨盤底筋体操のやり方|60代女性の尿もれ・頻尿対策に自宅で始める

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まちFit
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東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
60〜80代の会員様と日々向き合う中で得た現場知識をもとに、無理なく続けられる健康習慣を発信しています。
くしゃみや咳で「あっ」と尿もれを感じたり、トイレが近い頻尿が気になったりしていませんか。日本泌尿器科学会は、尿失禁を40歳以上の女性の4割以上が経験しており、恥ずかしいので我慢している方がほとんどだと説明しています。こうした尿もれの背景の一つが、体の奥で内臓を支える骨盤底筋のゆるみです。この記事では、骨盤底筋体操のやり方を、60代・シニア女性向けにやさしく解説します。加齢や出産でゆるみやすい骨盤底筋群を無理なく鍛え、尿もれ・尿失禁の予防につながる自宅ケアを、寝ながら・座りながらできる方法と続けるコツとあわせてご紹介します。今日から、まちのそばで健やかな毎日を始めましょう。
骨盤底筋とは?体の奥で内臓を支える「骨盤の底のハンモック」
骨盤底筋は、骨盤の底でハンモックのように広がり、膀胱や子宮、腸などの内臓を下から支えている筋肉の集まりです。普段は意識しにくい筋肉ですが、排尿や排便を調整する大切な役割を担っています。まずは、骨盤底筋がどんな働きをしているのか、そしてなぜ年齢とともにゆるみやすいのかを知っておきましょう。
骨盤底筋の主な役割
骨盤底筋群には、大きく分けて次のような役割があります。体の一番深いところにあるインナーマッスル(体幹の深層筋)の一つで、姿勢や呼吸とも関わりが深い筋肉です。
- 膀胱・子宮・腸といった骨盤内の臓器を下から支える
- 尿道や肛門を締めて、尿もれや便もれを防ぐ
- 腹圧がかかったときに内臓が下がらないように支える
- 体幹のインナーマッスルとして、姿勢を安定させる
日本泌尿器科学会は、軽い「腹圧性尿失禁」の場合は、骨盤底筋訓練で尿道のまわりにある外尿道括約筋や骨盤底筋群を強くすることで改善が期待できると説明しています。つまり骨盤底筋は、日々の暮らしの快適さと深く結びついた筋肉なのです。
なぜ加齢や出産でゆるみやすいの?
骨盤底筋は、加齢や出産をきっかけにゆるみやすいことが知られています。日本泌尿器科学会によると、お腹に力が入った時に漏れる「腹圧性尿失禁」は、骨盤底筋群という尿道括約筋を含む骨盤底の筋肉が緩むために起こり、加齢や出産を契機に出現したりするとされています。さらに、荷重労働や排便時の強いいきみ、喘息なども骨盤底筋を傷める原因になるといわれています。
女性の場合は、更年期以降に女性ホルモンが減ることも、骨盤まわりの組織がゆるみやすくなる背景の一つと考えられています。ホルモンの変化と体調の関係については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

骨盤底筋がゆるむと現れるサイン|尿もれ・頻尿・姿勢の変化
骨盤底筋のゆるみは、日常のちょっとした変化となって現れます。「年のせい」と見過ごされがちですが、早めに気づいてケアを始めることで、予防につなげやすくなります。ここでは、代表的なサインである尿もれ・頻尿と、姿勢や体幹との関係を見ていきましょう。
尿もれ・尿失禁にはタイプがある
ひとくちに尿もれといっても、原因によっていくつかのタイプがあります。日本泌尿器科学会では、尿失禁を大きく次の4つに分類しています。
- 腹圧性尿失禁:重い物を持ったとき、走ったりジャンプしたとき、咳やくしゃみをしたときなど、お腹に力が入った瞬間に漏れるタイプ
- 切迫性尿失禁:急に強い尿意が起こり、トイレまで我慢できずに漏れてしまうタイプ
- 溢流性(いつりゅうせい)尿失禁:尿が出しにくく、少しずつあふれるように漏れるタイプ
- 機能性尿失禁:膀胱や尿道の働きは保たれているのに、体の動きにくさなどで間に合わないタイプ
このうち腹圧性尿失禁は、女性の尿失禁の中で最も多いとされ、日本泌尿器科学会によれば週1回以上経験している女性は500万人以上といわれています。そして、この腹圧性尿失禁こそ骨盤底筋のゆるみが深く関わるタイプで、軽い症状の場合は骨盤底筋を鍛えることで改善が期待できるとされています。一方で、急な尿意を伴う切迫性尿失禁や頻尿は膀胱の働きも関わるため、気になる症状が続くときは医療機関で原因を確かめることが大切です。
姿勢・ぽっこりお腹・体幹とのつながり
骨盤底筋は体幹のインナーマッスルの一つで、お腹の深層筋や背中の筋肉と連動して姿勢を支えています。骨盤底筋がゆるむと、下腹部の支えが弱くなり、ぽっこりお腹や姿勢の崩れとして感じられることもあります。姿勢の乱れは腰やひざへの負担にもつながりやすいため、骨盤底筋のケアは尿もれ対策だけでなく、体全体を整える土台づくりとしても役立ちます。
姿勢そのものが気になる方は、猫背を整えるストレッチの記事もあわせて取り入れてみてください。

骨盤底筋体操のやり方|基本の「締める・ゆるめる」を覚えよう
ここからは、自宅でできる骨盤底筋体操のやり方を具体的にご紹介します。道具はいりません。大切なのは、正しい部位を意識して、力みすぎないこと。まずは感覚をつかむところから、寝ながら・座りながらの方法へと順に進めていきましょう。
ステップ1:効かせる場所の感覚をつかむ
骨盤底筋体操は、鍛える場所を正しく意識できているかがポイントです。イメージしやすいのは、「おしっこやおならを途中で止めるように、肛門・膣・尿道をキュッと引き上げる」動きです。このとき、お腹やお尻、太ももに強く力が入っていないかを確認しましょう。東京女子医科大学附属足立医療センターの解説では、息を吐きながら、肛門と膣を胃の方向に引き込むように締めるとやりやすいとされています。
ステップ2:寝ながら行う基本の体操
東京女子医科大学附属足立医療センターの解説では、朝起きたときや寝る前に、布団の中でもできる基本姿勢が紹介されています。無理のない範囲で、次の流れで行ってみましょう。
- 仰向けに寝て足を少し開き、両ひざを立てます(ひざの間はこぶし1つ分くらい)
- 体の力を抜いて、肩やお腹はリラックスさせます
- 肛門を閉めながら、膣と尿道も10秒くらいぎゅーっと締めます
- そのあと30秒くらいリラックスします
- これを10回繰り返します
- 続けて、同じ動きをもっと速いテンポで行い、「キュッ(締める)・パッ(緩める)」を1セットとして10回繰り返します
- 慣れてきたら、だんだんと回数を増やしていきましょう
じっくり締める動きと、速く締める動きの両方を行うのがコツです。締めたあとは、締めていた時間よりも長めに、しっかりゆるめることも忘れないようにしましょう。
ステップ3:座って・立ってできるすきま時間の体操
骨盤底筋体操は、寝た姿勢だけでなく、椅子に座った姿勢や立った姿勢でも行えます。テレビを見ながら、電車を待ちながらなど、いつでもどこでも生活に取り入れやすいのが利点です。
- 椅子に少し浅めに座り、背筋を伸ばします
- 両足を肩幅に開いて床につけ、肩の力を抜きます
- お腹に力が入らないように意識しながら、締める・ゆるめるを繰り返します
座って行う骨盤底筋体操は、股関節まわりを動かすチェアストレッチとも相性が良い習慣です。椅子に座ってできる運動をまとめた記事も、あわせて参考にしてみてください。

注意:骨盤底筋体操は、力んでお腹に強く力を入れると逆効果になることがあります。あくまで「引き上げてゆるめる」やさしい動きを意識し、痛みが出るほど頑張らないようにしましょう。
効果を高めて続けるコツ|頻度・期間と生活習慣の見直し
骨盤底筋体操は、一度やって終わりではなく、毎日の習慣として続けることで力を発揮します。ここでは、無理なく続けるための頻度や期間の目安と、あわせて見直したい生活習慣を整理します。
頻度と続ける期間の目安
骨盤底筋体操は、毎日、数回に分けて合わせて5セット以上行う方法が紹介されています。大切なのは回数よりも継続です。始めてすぐに効果が出るものではなく、東京女子医科大学附属足立医療センターの解説では、毎日続けていると効果は2〜3カ月後に現れるので、根気よく続けることが大切だと説明されています。同センターは、骨盤底筋群のトレーニングで7割くらいの人に効果が出るといわれているとも紹介しています。「歯みがきのあと」「寝る前」など、毎日の生活の一場面とセットにすると習慣化しやすくなります。
あわせて見直したい生活習慣
骨盤底筋への負担を減らすことも、尿もれ予防では大切です。日本泌尿器科学会は、肥満の方や急に体重が増えた方では、減量が有効なことがあると説明しています。体操と並行して、次のような生活習慣も見直してみましょう。
- 便秘を防ぎ、排便時に強くいきまないようにする
- 適正体重を意識し、お腹まわりに余分な負担をかけない
- 重い荷物は膝を使って持ち上げ、一気にいきまない
- 水分を控えすぎない(極端な制限はかえって膀胱を刺激することがあります)
- 足腰を動かす習慣を持ち、全身の筋力と血流を保つ
排便時のいきみは骨盤底筋の負担になりやすいため、便通を整えることも予防の一歩です。便秘が気になる方は、こちらの記事も役立ちます。

また、骨盤底筋だけでなく足腰やお腹まわりの筋肉を保つことは、フレイル予防や介護予防、そして自分の足で歩ける生活を長く続けるうえでも大切です。60代のうちから習慣にしておくと安心です。自宅でできる下半身の運動や、女性向けの筋トレメニューもあわせてどうぞ。


こんなときは医療機関へ|受診を考えたいサイン
骨盤底筋体操はセルフケアとして役立ちますが、すべての尿トラブルを自分だけで解決できるわけではありません。尿もれや頻尿の背景には、体操以外の対応が必要な原因が隠れていることもあります。次のような場合は、自己判断せずに泌尿器科などの医療機関に相談しましょう。
- 急に強い尿意が起こり、我慢できずに漏れてしまうことが多い
- 尿もれや頻尿で日常生活や外出に支障が出ている
- 排尿時の痛み、血が混じる、発熱などをともなう
- 数週間セルフケアを続けても変化が感じられない
- 持病がある、妊娠中・産後まもない、痛みが強いなど不安がある
尿の悩みは相談しにくいと感じる方も多いものですが、原因に応じた対応で改善が期待できるケースもあります。一人で抱え込まず、専門家に相談することも、健やかな毎日への大切な一歩です。
よくある質問
- 骨盤底筋体操は1日にどのくらい行えばよいですか?
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締める・ゆるめる動作を1日数回に分けて、合わせて5セット以上を目安に行う方法が紹介されています。回数よりも毎日続けることが大切で、力みすぎないことがポイントです。
- 効果を感じるまでどのくらいかかりますか?
-
始めてすぐに効果が出るものではありません。毎日続けていると効果は2〜3カ月後に現れるとされていますので、根気よく続けることが大切です。
- 寝たままでもできますか?
-
はい。仰向けに寝てひざを立てた姿勢は、骨盤底筋体操の基本姿勢として紹介されています。朝起きたときや寝る前に、布団の中でも行えます。
- 尿もれが気になります。体操だけで解消しますか?
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軽い腹圧性尿失禁では骨盤底筋を鍛えることで改善が期待できるとされますが、症状には個人差があり、原因もさまざまです。気になる症状が続く場合は泌尿器科などの医療機関にご相談ください。
- 男性が行っても意味はありますか?
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骨盤底筋は男女ともにあり、加齢とともにゆるみやすい筋肉です。男性の尿トラブル対策として取り入れられることもありますが、症状が続く場合は医療機関に相談しましょう。
- やってはいけない人や注意点はありますか?
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お腹に強く力を入れて力むと逆効果になることがあります。持病がある方、妊娠中・産後まもない方、痛みや血尿など気になる症状がある方は、自己判断せず医師に相談してから始めてください。
参考にした主なデータ・指針
- 日本泌尿器科学会「尿が漏れる・尿失禁がある」(尿失禁を40歳以上の女性の4割以上が経験しているとされること、尿失禁の4分類、腹圧性尿失禁が女性の尿失禁で最も多く週1回以上経験する女性が500万人以上とされること、骨盤底筋群のゆるみが原因となり荷重労働・排便時の強いいきみ・喘息なども骨盤底筋を傷める原因になるとされること、軽い腹圧性尿失禁は骨盤底筋訓練で改善が期待でき、肥満の方や最近急に太った方は減量が有効なことがあると引用)
- 東京女子医科大学附属足立医療センター 骨盤底機能再建診療部「骨盤底筋訓練」(仰向けの基本姿勢と締める・ゆるめる手順、椅子に座った姿勢での方法、1日数回に分けて合わせて5セット以上という頻度、力んでしまうと逆効果になること、効果は2〜3カ月後に現れること、骨盤底筋群のトレーニングで7割くらいの人に効果が出るとされることを引用)
まとめ|骨盤底筋体操で、尿もれを気にしない毎日へ
骨盤底筋体操は、加齢や出産でゆるみやすい体の奥の筋肉を、道具なしで無理なく鍛えられるセルフケアです。60代から始めても遅くはありません。締める・ゆるめるをやさしく繰り返し、毎日の習慣として続けることで、尿もれ・尿失禁の予防につながります。骨盤底筋を含めた全身の筋肉を保つ習慣は、フレイル予防や介護予防にもつながります。
今日から始める骨盤底筋ケアの習慣:
- 朝起きたときと寝る前に、仰向けで「締める・ゆるめる」を10回ずつ
- お腹・お尻・太ももに力を入れず、力みすぎないことを最優先に
- 椅子やバス待ちのすきま時間にも、こっそり締めゆるめる
- 便秘・体重・重い荷物の持ち方など、骨盤底筋に負担をかけない生活を意識
- 2〜3カ月は根気よく。気になる症状が続くときは医療機関へ
自宅ケアの先へ|まちFitで、続けられる運動習慣を
骨盤底筋体操のようなセルフケアは、続けることでこそ意味があります。とはいえ「一人だと続かない」「正しくできているか不安」という声も少なくありません。シニア向け健康スタジオ「まちFit」では、専門スタッフが体の状態に合わせて、無理なく続けられる運動をご案内しています。同じ目標を持つ仲間と一緒なら、習慣づくりもぐっと楽しくなります。
- 体の状態や体力に合わせた、無理のない運動プログラム
- 姿勢・体幹・足腰を整える、シニア世代に寄り添ったメニュー
- 専門スタッフが正しい動きをやさしくサポート
- 仲間と通えるから、楽しく続けられる習慣づくり

健やかな毎日を、まちのそばで。骨盤底筋ケアをきっかけに、体を動かす楽しさを見つけてみませんか。
まずは見学や体験から始めてみませんか?
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