60代の筋肉をつける食べ物|落ちた筋肉を戻す高齢者の食事メニュー

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この記事を書いた人

まちFit
スタジオ運営責任者

東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
60〜80代の会員様と日々向き合う中で得た現場知識をもとに、無理なく続けられる健康習慣を発信しています。

「運動を頑張っているのになかなか体力が戻らない」「疲れやすさが改善しない」「筋肉がなかなかつかない」――こうした悩みの原因のひとつが「たんぱく質不足」かもしれません。

運動と食事は車の両輪です。どれだけ運動しても、筋肉の材料となるたんぱく質が不足していると効果が半減します。特に60代以降は若いころより多くのたんぱく質が必要になるため、意識的な食事設計が重要です。

この記事では、落ちた筋肉を戻すために60代・70代の方が食べたい筋肉をつける食べ物と、高齢者向けの食事メニューの組み立て方を中心に、具体的な食べ物選びを解説します。1日の必要量や毎食の摂り方の目安をくわしく知りたい方は、あわせて関連記事もご覧ください。

この記事でわかること

  • 落ちた筋肉を戻すために60代以降はなぜたんぱく質が要るのか
  • 1日に必要なたんぱく質の量と計算方法
  • たんぱく質を筋肉に活かす食べ方の工夫
  • 筋肉をつける食べ物ベスト10(手軽に摂れる高たんぱく食品)
  • たんぱく質不足のサインと対策
目次

落ちた筋肉を戻すには|なぜ60代以降はたんぱく質が要るのか

① 筋肉の合成効率が低下する「同化抵抗性」

若いころは少ないたんぱく質でも効率よく筋肉が合成されますが、60代以降は同じ量のたんぱく質を摂っても筋肉に変換される割合が低下します。これを「同化抵抗性(anabolic resistance)」と呼びます。

つまり60代以降は、若いころより多くのたんぱく質を摂らないと、筋肉量が維持できないということです。「以前と同じ食事量で十分」という考え方は60代以降には当てはまりません。

② 食事量が減り、たんぱく質が慢性的に不足しやすい

60代以降は食欲の低下・歯の問題・消化機能の変化などにより、食事量全体が減りやすくなります。食事量が減るとたんぱく質の摂取量も自然に減り、筋肉量の低下が加速します。

参考データ

厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査」によると、65歳以上で低栄養傾向(BMI20kg/m²以下)にある方の割合は19.5%にのぼります。たんぱく質の不足は、筋肉量の低下や疲労回復の遅れにつながると考えられています。

③ たんぱく質は筋肉以外にも全身で必要とされる

たんぱく質は筋肉だけでなく、免疫細胞・ホルモン・皮膚・髪・爪・骨の材料にもなります。不足すると筋肉だけでなく、免疫力の低下・傷の治りにくさ・骨密度の低下など多方面に影響が出ます。

1日に必要なたんぱく質の量

60代以降の推奨摂取量

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、65歳以上の推奨量は男性60g/日・女性50g/日とされています。また、筋肉の減少と筋力低下を防ぐ観点から、国立長寿医療研究センターは体重1kgあたり1g/日以上を目安としてすすめています。

体重別・1日の目安たんぱく質量(体重×1g以上):

  • 体重45kgの場合:45g以上/日
  • 体重50kgの場合:50g以上/日
  • 体重55kgの場合:55g以上/日
  • 体重60kgの場合:60g以上/日

「1食あたり20〜25g」が目標

重要なのは1日の合計量だけでなく「1食あたりの量」です。研究によると、1食あたり20〜25gのたんぱく質を摂ることが、筋肉合成を最大化する条件とされています。1日3食で均等に摂ることが理想です。

「朝は少なめ・昼は普通・夜は多め」というパターンは非効率です。朝食からしっかりたんぱく質を摂ることを意識してください。

1食で20〜25gというのは、肉や魚ならおよそ100g前後にあたります。食が細くなってきた方が毎食これを続けるのは、簡単ではありません。粉末タイプの補助食品を、汁物や飲み物に混ぜて足す方法もあります。

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※製品によってたんぱく質量は異なります。購入前に栄養成分表示をご確認ください。

筋肉をつける食べ物ベスト10|手軽に摂れる高たんぱく食品

以下の食品を日常の食事に意識的に取り入れてください。

動物性たんぱく質(吸収効率が高い):

  • 鶏むね肉100g:約24g(脂質が少なく最もコスパが高い)
  • 卵1個:約6g(完全たんぱく質・手軽に摂れる)
  • サーモン100g:約20g(オメガ3脂肪酸も同時摂取できる)
  • ツナ缶1缶(70g):約11〜12g(常温保存で手軽)
  • ヨーグルト(無糖)100g:約4g(朝食に最適)

植物性たんぱく質(消化に優しく毎日続けやすい):

  • 木綿豆腐1丁(300g):約20g(安価で手軽)
  • 納豆1パック(45g):約7g(発酵食品でプラスアルファの効果)
  • 枝豆100g:約12g(おやつとしても手軽)
  • ギリシャヨーグルト100g:約10g(通常ヨーグルトの約2.5倍)
  • プロテインバー1本:約15〜20g(補助として活用可能)

参考データ

動物性たんぱく質と植物性たんぱく質を組み合わせることで、必須アミノ酸のバランスが向上します。目安として動物性6〜7割・植物性3〜4割の比率が筋肉合成に効果的とされています。(参考:日本栄養士会)

たんぱく質を筋肉に活かす食べ方の工夫

コツ①:朝食から摂る(最重要)

多くの60代の方が朝食のたんぱく質摂取量が最も少ないです。朝食にたんぱく質を加えることが、1日の筋肉合成効率を高める最重要ポイントです。

朝食に追加しやすいもの:

  • 目玉焼き・スクランブルエッグ(卵1〜2個)
  • ヨーグルト(無糖・100g)
  • 納豆1パック
  • 豆乳(200ml)

コツ②:1食で大量摂取より毎食少しずつ

夕食だけで1日分のたんぱく質を摂ろうとしても、体が一度に吸収できる量には限界があります。1食20〜25gを3食に分けて摂ることが最も効率的です。

コツ③:運動後30〜60分以内に摂る

運動後は筋肉がたんぱく質を最も吸収しやすい「ゴールデンタイム」です。ウォーキングや体操の後にヨーグルト・卵・豆腐などを摂ることで、運動効果が高まります。

コツ④:水分と一緒に摂る

たんぱく質の代謝には水分が必要です。1日1.5〜2リットルの水分を意識して摂ることで、たんぱく質の利用効率が向上します。

たんぱく質不足のサインを知る

以下の症状が続いている場合は、たんぱく質不足の可能性があります。

  • 最近疲れやすくなった・体力が落ちた
  • 筋肉量が落ちてきた(体重は変わらないのに体が柔らかくなった)
  • 傷の治りが遅くなった
  • 髪が抜けやすくなった・爪が割れやすくなった
  • 免疫力が落ちて風邪をひきやすくなった

これらのサインが複数当てはまる場合は、まず朝食にたんぱく質を1品追加することから始めてみてください。

高齢者の低栄養とは|たんぱく質不足が進んだ状態

前の章のサインが重なったまま食事量が減っていくと、「低栄養」と呼ばれる状態に近づきます。体重が大きく減るわけではない時期から静かに進むため、ご本人もご家族も気づきにくいのが低栄養のやっかいなところです。ここでは、高齢者の低栄養がどういう状態で、何を目安に気づけばよいのかを整理します。

低栄養とはどういう状態か

健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)は、低栄養を次のように説明しています。

低栄養とは食欲の低下や、噛む力が弱くなるなどの口腔機能の低下により食事が食べにくくなるといった理由から徐々に食事量が減り、身体を動かすために必要なエネルギーや、筋肉、皮膚、内臓など体をつくるたんぱく質などの栄養が不足している状態のことをいいます。

つまり低栄養は「食べる量が減る」ことと「たんぱく質が足りない」ことが重なって起こります。この記事でここまで見てきた、毎食20〜25gのたんぱく質という目安は、そのまま低栄養を遠ざけるための目安でもあります。

低栄養で体に起こること

同サイトは、低栄養によって起こる身体の変化として次の項目を挙げています。

  • 体重減少
  • 骨格筋の筋肉量や筋力の低下
  • 元気がない
  • 風邪など感染症にかかりやすく、治りにくい
  • 傷や褥瘡(じょくそう:床ずれ)が治りにくい
  • 下半身や腹部がむくみやすい

「疲れやすい」「傷の治りが遅い」「風邪をひきやすい」といった、前の章のサインとそのまま重なります。あわせて同サイトは、食事量が減ると同時に水分の摂取量も減るため脱水症状がみられることもある、と注意をうながしています。口の中が乾く、皮膚が乾燥して弾力がない、唾液に粘りがあるといった変化は、脱水と低栄養の両方でみられるサインです。

体重で気づく|低栄養のリスクの目安

低栄養は数字で気づけます。健康長寿ネットは、低栄養のリスクの目安として「体重が6か月間に2〜3kg減少」または「1〜6か月間の体重減少率が3%以上」を挙げています。あわせてBMI(体格指数)は18.5未満が「やせ」の範囲で、18.5未満より下がるほど死亡率が高くなる、とされています。

体重60kgの方なら、半年で2kg減れば目安に入ります。「年のせいで少し痩せただけ」と見過ごされやすい幅なので、月に一度でも体重計に乗る習慣をつくっておくと、自分で変化に気づけます。ご家族が離れて暮らしている場合は、帰省のたびに体重を聞いておくだけでも十分な備えになります。

目安にあてはまるとき、食事量が明らかに減っているときは、自己判断で様子を見ずに、かかりつけ医に相談してください。低栄養の背景に治療が必要な病気が隠れていることもあります。

低栄養からフレイルへ進む悪循環

低栄養が怖いのは、それ自体より「止まらなくなる」ことです。健康長寿ネットは、高齢者にとって低栄養は健康障害に直結するとしたうえで、筋肉量・筋力や骨量が減ることで転倒や骨折のリスクが増加し、サルコペニア(筋肉量・筋力が低下した状態)になると疲れやすくなったり活力が低下したりして身体活動量が下がる、と説明しています。そして身体活動量が低下すると1日のエネルギー消費量が減って食欲が低下し、食事の摂取量が減少してさらに低栄養になる——この悪循環を繰り返しながら、心身が衰えた状態である「フレイル」は進行していきます。

裏を返せば、どこか一か所で輪を止められれば進行は緩みます。たんぱく質を毎食1品足すことも、体を動かす機会をつくることも、その一か所になります。フレイルの考え方と防ぎ方は、こちらの記事でくわしくまとめています。

高齢者の低栄養を防ぐ食べ方

同サイトが挙げる低栄養の予防は、特別なものではありません。この記事の食べ方の工夫と重なる部分が多いので、あらためて整理しておきます。

  • 1日3食食べる。1回に食べる量が少ないため、3食とらないと1日に必要なエネルギーやたんぱく質が不足します。規則正しい食事リズムは生活リズムを整え、活動することで空腹感も感じられるようになります
  • 肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などたんぱく質を多く含む食品を毎食おかずに1品入れる。甘い菓子パンやカップラーメン、袋麺類など加工食品で食事を済ませない
  • 主食・主菜・副菜を好きな物だけに偏らせない。日本食は昔から「一汁三菜」と表現され栄養バランスが整いやすい食事ですが、塩分過剰になりがちなので汁物は1日1杯程度に
  • 誰かと一緒に食事を楽しむ。外出する機会をつくることが、食欲そのものを支えます
  • 少食で1度にたくさん食べられないときは、間食で補う。牛乳や乳製品、果物、市販の栄養調整食品からカロリーやたんぱく質を補います

栄養補助食品は、毎日の食事だけでは補えない栄養素を補うために便利な食品です。ゼリー状やドリンクタイプなど食べやすい形のものが多く、高カロリーのもの、たんぱく質を補うもの、ビタミンを補うものなど目的別に種類があります。選ぶときは、体の状態や食生活を伝えたうえで、かかりつけの薬剤師やかかりつけ医に適切なものを選んでもらうと安心です。

たんぱく質を意識した1日の食事例

「どんな食事をすればいいか」を具体的にイメージできるよう、1日の食事例をご紹介します。

朝食の例(たんぱく質:約20g)

  • ご飯・みそ汁・目玉焼き2個・納豆1パック
  • または:トースト・ゆで卵2個・ヨーグルト100g

昼食の例(たんぱく質:約20〜25g)

  • 鶏むね肉の炒め物・豆腐入りみそ汁・ご飯
  • または:サーモン定食・枝豆小鉢

夕食の例(たんぱく質:約25g)

  • 魚の煮付け・冷奴・納豆・ご飯・野菜の煮物
  • または:鶏肉の蒸し料理・豆腐サラダ

たんぱく質不足を防ぐ「小さな工夫」

食事量が少ない方のための補い方

食欲が落ちて食事量が減っている方は、「食事の品数を増やす」より「少ない量でたんぱく質を効率よく摂る」ことを意識してください。

  • ヨーグルト・チーズなどの乳製品は少量でたんぱく質が摂れる
  • 卵は調理が簡単でどんな料理にも追加できる
  • 大豆製品(豆腐・豆乳・納豆)は消化に優しく毎日続けやすい

「1食でたくさん食べる」より「3食毎回少しずつたんぱく質を追加する」方が、60代の体に無理なく合っています。

食事の量そのものを増やすのが難しい場合は、1回あたりの栄養密度を上げるという考え方があります。栄養補助飲料は1本でたんぱく質やビタミン・ミネラルをまとめて含む製品が多く、食事に1本そえるといった使い方ができます。

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※製品によって栄養成分は異なります。かかりつけ医から食事の指導を受けている方は、事前にご相談ください。

運動とたんぱく質の組み合わせ効果

たんぱく質の効果は「運動と組み合わせること」で最大化されます。筋トレやウォーキングで筋肉に刺激を与えた後、30〜60分以内にたんぱく質を摂ることで、筋肉の合成効率が通常の1.5〜2倍になるとされています。

  • ウォーキング後→ヨーグルト・牛乳・豆乳
  • 体操後→ゆで卵・豆腐
  • まちFitのレッスン後→ギリシャヨーグルト・チーズ

食事とあわせて行う運動のやり方は、60代女性の筋トレメニュー|自宅でできる部位別プログラムで種目ごとに紹介しています。

よくある質問(FAQ)

肉・魚が苦手な場合、たんぱく質はどうやって摂ればいいですか?

大豆製品(豆腐・納豆・豆乳・枝豆)・卵・乳製品(ヨーグルト・チーズ)でも十分なたんぱく質を摂ることができます。多様な食品を組み合わせることで、アミノ酸バランスも良くなります。

プロテインドリンクを利用してもいいですか?

食事だけでたんぱく質が摂れない場合の補助として活用しても問題ありません。ただし食事から摂れる場合は食事を優先することをおすすめします。プロテインドリンクを選ぶ場合は、人工甘味料が少なくたんぱく質含有量が高いものを選んでください。

たんぱく質を摂りすぎることはありますか?

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、たんぱく質の耐容上限量は設定されていません。ただしこれは「いくら摂っても安全」という意味ではなく、上限を決めるだけの十分な根拠がまだないためです。同基準は65歳以上の目標量を1日のエネルギーの15〜20%としており、推奨量を大きく超えて摂っても健康上の良い効果が得られる根拠は乏しいとも指摘されています。極端な高たんぱくを目指すより、3食に分けてしっかり摂ることを優先しましょう。腎臓の病気がある方や、健診で腎機能の指摘を受けたことがある方は、必ず主治医にご相談ください。

参考にした主なデータ・指針

まとめ|たんぱく質は毎食・少しずつ・継続することが大切

60代以降のたんぱく質摂取のポイントは「毎食20〜25g・動植物性を組み合わせる・運動と一緒に取り組む」の3点です。難しく考える必要はありません。今日の朝食に卵1個かヨーグルト1つを追加するだけで、明日の体は変わり始めます。

今日から始めること:

  • 朝食に卵・ヨーグルト・豆腐のどれか1品を追加する
  • 昼食・夕食の主菜に肉・魚・大豆食品を1品加える
  • 運動後30〜60分以内に軽くたんぱく質を摂る習慣をつける

体力を取り戻したいなら、まちFitがおすすめ

「食事と運動、両方取り組みたいけれど何から始めればいいかわからない」そんな方も多いのではないでしょうか。

まちFitでは、60〜70代の女性を中心に、運動初心者でも安心して取り組めるレッスンを提供しています。

池上スタジオのフラダンスの様子

「最近体力が落ちてきたかも」と感じた今こそ、体を動かすきっかけを作るタイミングです。

まずは見学や体験から始めてみませんか?

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この記事は、シニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営する株式会社Envalueの編集部が、まちFitスタジオ運営者監修のもと作成しています。公的機関・学会などの公開情報をもとに、正確でわかりやすい健康情報の提供に努めています。

本記事は健康に関する一般的な情報の提供を目的としており、診断・治療などの医療行為を推奨するものではありません。必要な栄養量や食事の制限は、年齢・体格・持病によって一人ひとり異なります。医師や管理栄養士から食事の指示を受けている方は、その指示を優先してください。判断に迷うときは、かかりつけ医にご相談ください。

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