高齢者の夏バテ予防|運動と水分・食事でシニアが夏を乗り切るコツ

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まちFit
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東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
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高齢者の夏バテ予防には、涼しい室内でできる運動と、こまめな水分補給、そしてたんぱく質を切らさない食事が欠かせません。夏は食欲不振やだるさから活動量が落ち、シニアの体力低下が一気に進みやすい季節です。動かない期間が続けば、足腰の衰えやフレイルにもつながります。この記事では、シニアが夏に弱りやすい理由から、自宅でできる運動・水分・食事のコツまで、厚生労働省と環境省の資料をもとにやさしく解説します。
高齢者が夏バテしやすい理由|シニアの体に起きていること
「若い頃は夏バテなんてしなかったのに」という声をよく耳にします。これは気のせいではありません。加齢とともに、体温を調節するしくみそのものが変化していくためです。まずは、シニアの体に何が起きているのかを知ることから始めましょう。理由がわかれば、対策の優先順位も見えてきます。
体内の水分量がもともと少なくなっている
厚生労働省のリーフレット「高齢者のための熱中症対策」には、体内の水分量が小児で75%、成人で60%、高齢者で50%と示されています。つまりシニア世代は、成人よりも体に蓄えられる水分そのものが少ない状態です。加えて、体の老廃物を排出する際にたくさんの尿を必要とするため、水分が不足しやすくなります。
同じ量の汗をかいても、シニアのほうが脱水に傾きやすく、回復にも時間がかかりやすいということです。夏の体力維持を考えるうえで、水分は最初に押さえるべきポイントになります。

暑さやのどの渇きを感じにくくなる
環境省の「熱中症環境保健マニュアル2022」では、高齢者が熱中症にかかりやすい理由として、「暑い」と感じにくくなること、のどの渇きを感じにくくなること、発汗量や皮膚血流量の増加が遅れることなどが挙げられています。
皮膚にある温度センサーの感度が加齢とともに鈍くなるため、体は暑いのに本人は暑さに気づきにくい、という状態が起こります。実際に同マニュアルでは、夏季(7月から9月)の70歳以上の高齢者の居室は、若年者より室温が2度ほど高く、相対湿度も約5%高い環境になっていることが報告されています。「暑くない」という感覚をあてにせず、温度計の数字で判断することが大切です。
体に熱がたまりやすくなる
加齢が進むと、皮膚血流量と発汗量の増加が遅れ、体の熱を逃がす力そのものが低下します。その結果、体に熱がこもりやすくなり、循環器系への負担も大きくなります。だるさや食欲不振といった、いわゆる夏バテの症状は、こうした体温調節の負担が積み重なった結果として現れることがあります。
なお、厚生労働省の「熱中症を防ぎましょう」によれば、熱中症患者のおよそ半数は65歳以上の高齢者です。夏バテ対策と熱中症予防は、地続きの問題として考える必要があります。

見逃したくない夏バテのサイン
夏バテは医学的な病名ではなく、夏の暑さによって起こる食欲不振・だるさ・寝つきの悪さなどをまとめた呼び方です。はっきりした検査値があるわけではないため、日々の小さな変化に気づけるかどうかが分かれ目になります。ご本人だけでなく、ご家族の目も大きな助けになります。
こんな変化に気づいたら
- ごはんの量が減った、そうめんなど同じものばかり食べている
- 朝起きたときに疲れが残っている、体が重い
- 外出や散歩の回数が減り、日中も横になっている時間が増えた
- 寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める
- 汗をあまりかかなくなった、または大量に汗をかく
- 足元がふらつく、立ち上がるときにめまいを感じる
こうした変化が数日続くようなら、生活の見直しどきです。とくに食事量の低下は、たんぱく質不足から筋肉量の減少につながりやすく、注意が必要です。

夏の体力低下がフレイルにつながる理由
暑さで動かない日が続くと、筋肉は思いのほか早く落ちていきます。とくにシニア世代では、活動量が下がった状態が数週間続くだけでも足腰の力が弱まり、サルコペニア(加齢による筋肉量の減少)やフレイルへと進みやすくなります。
夏に落ちた体力は、涼しくなったからといって自然に戻るわけではありません。秋以降の転倒予防や介護予防を考えるうえでも、夏をどう過ごすかは大きな分かれ目になります。自立した生活を長く続けたい、健康寿命を延ばしたいと考えるなら、夏の過ごし方は軽視できません。

【運動】高齢者の夏バテ予防は「涼しい室内で1日1回」
夏バテというと「休むこと」が対策のように思われがちですが、体を動かす習慣を手放さないことも同じくらい重要です。ここは誤解されやすいところなので、公的な資料が何と言っているかを確認しておきましょう。
夏こそ運動を止めないほうがよい理由
環境省の「熱中症環境保健マニュアル2022」には、日常的に運動して若年者と同等の体力レベルをもつ高齢者では、若年者に劣らない暑さに対する耐性(若年者と同等の発汗能力等)を持っていることが明らかにされている、と記されています。そして、高齢になっても日常的な運動習慣を身につければ、体温調節能力の老化を遅らせることができると述べられています。
同マニュアルでは、高齢者の注意点として「1日1回汗をかく運動」をして体力作りをすることがすすめられています。暑さに強い体は、涼しくして待っていても手に入りません。運動そのものが、夏を乗り切る土台になるという考え方です。
室内でできるやさしい運動メニュー
大切なのは、涼しい環境で、無理のない強度で行うことです。エアコンの効いた室内で、椅子を使いながらできるものから始めましょう。
- 椅子に座ったままの足踏み:1分を目安に、腕も軽く振りながら
- かかと上げ:椅子の背を支えに立ち、ゆっくり10回×2セット
- 座ったままの膝伸ばし:片脚ずつゆっくり伸ばして5秒キープ、左右10回
- 肩回し・首のストレッチ:呼吸を止めずにゆっくりと
- ラジオ体操:全身を無理なく動かせて、時間の目安も決めやすい
回数はあくまで目安です。息が上がりすぎない、会話ができる程度の強度を保ちましょう。体調がすぐれない日は休んで構いません。続けることのほうが、1回の量より大切です。

夏の運動で気をつけたいこと
- 炎天下や高温多湿の場所での運動は避け、室内か早朝・夕方の涼しい時間帯に行う
- 運動の前後と途中に、のどが渇く前から水分をとる
- めまい、頭痛、吐き気を感じたら中止し、涼しい場所で体を冷やす
- 持病がある場合は、運動の内容と量をかかりつけ医に確認してから始める
【水分・食事】夏バテを防ぐ水分とたんぱく質の摂り方
運動の効果を支えるのが、水分と栄養です。とくにシニア世代は「のどが渇いてから飲む」「食欲がないから食べない」という自然な反応に任せていると、不足しやすくなります。仕組みで補う工夫を取り入れましょう。
のどが渇く前に、1日1.2リットルを目安に
厚生労働省のリーフレット「高齢者のための熱中症対策」では、1日あたり1.2リットル(コップ約6杯)を目安に、1時間ごとにコップ1杯ずつ、のどが渇いていなくてもこまめに水分・塩分を補給することがすすめられています。入浴の前後や起床後にも、まず水分・塩分をとるよう案内されています。
飲む量を意識するより、飲むタイミングを決めてしまうほうが続きます。起床時、朝食時、10時、昼食時、15時、入浴前、就寝前——といった具合に、生活の節目とセットにするのがおすすめです。なお、心臓や腎臓に持病がある方は摂取量の指示が異なる場合がありますので、かかりつけの医師の指示に従ってください。
食事からも水分はとれます
水やお茶だけで1.2リットルを飲みきるのが大変な場合は、食事を活用しましょう。環境省のマニュアルでも、水分の多い夏野菜や果物、みそ汁やゼリーなどの食事から水分補給ができると案内されています。トマトやきゅうり、すいか、冷やしたスープなどは、のどを通りやすく水分も補えます。
食欲が落ちたときこそ、たんぱく質を切らさない
夏に不足しやすいのがたんぱく質です。そうめんやそばだけで食事を済ませる日が続くと、筋肉の材料が足りなくなり、体力低下やサルコペニアが進みやすくなります。冷奴、卵、納豆、ツナ、牛乳、ヨーグルト、しらすなど、火を使わずに食卓へ出せるものを常備しておくと続けやすくなります。
環境省のマニュアルには、運動直後30分以内に糖質とタンパク質を含む食品(例えば牛乳1〜2杯)を補給することで、血液量を増加し熱放散能力を改善することが報告されている、とも記されています。運動のあとの1杯を習慣にしてみるのもよい方法です。

夏を乗り切る住まいと生活リズムの整え方
どれだけ運動や食事に気を配っても、過ごす部屋が暑ければ体は消耗し続けます。住環境を整えることは、それ自体が夏バテ予防であり、熱中症予防でもあります。ここはご家族の協力が力を発揮する部分です。
室温は28度前後を目安に、数字で確認する
環境省の「熱中症環境保健マニュアル2022」では、高齢者の部屋に温湿度計を置き、周囲の方も協力して室内温度をこまめにチェックし、暑い日には冷房を積極的に使用して室温をほぼ28度前後に保つようすすめています。エアコンの風が直接当たらないよう風向きを調整する、窓を少し開けて冷気を逃がさないよう工夫するといった方法も紹介されています。
厚生労働省のリーフレットに掲載された東京都監察医務院の調査(令和3年夏・東京都23区、計39人の速報値)では、屋内で亡くなった方のうち約9割がエアコンを使用していませんでした。また、亡くなった方の約8割は65歳以上でした。「暑くない」という感覚ではなく、温度計の数字で判断する習慣をつけましょう。エアコンのフィルターは2週間に1回を目安に手入れをすると、効きも保ちやすくなります。
生活リズムと、家族ができる見守り
睡眠が浅くなると疲れが抜けず、食欲もさらに落ちるという悪循環に入りやすくなります。就寝中もエアコンを適切に使い、朝は決まった時間に起きて日の光を浴びる。日中は室内で体を動かす——この繰り返しが、自立した生活を支える土台になります。
環境省のマニュアルでは、水分をとっているか、エアコンの温度調整ができているかは本人任せにせず、周りの人が気にかけてサポートすることがすすめられています。離れて暮らすご家族なら、電話で「今、部屋は何度?」と聞くだけでも意味があります。

よくある質問
- 高齢者の夏バテ予防に、運動は逆効果ではありませんか?
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涼しい環境で無理のない範囲で行う運動は、夏バテ予防の助けになると考えられています。環境省の「熱中症環境保健マニュアル2022」では、日常的に運動して若年者と同等の体力レベルをもつ高齢者は、若年者に劣らない暑さへの耐性を持つことが明らかにされており、日常的な運動習慣によって体温調節能力の老化を遅らせることができると記されています。ただし炎天下や高温多湿の場所は避け、エアコンの効いた室内で行いましょう。
- 水分は1日どのくらいとればよいですか?
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厚生労働省のリーフレット「高齢者のための熱中症対策」では、1日あたり1.2リットル(コップ約6杯)を目安に、1時間ごとにコップ1杯ずつ、のどが渇いていなくてもこまめに水分・塩分を補給することがすすめられています。ただし心臓や腎臓に持病がある方は摂取量の指示が異なる場合があるため、かかりつけの医師の指示に従ってください。
- 食欲がないときは、無理に食べなくてもよいですか?
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食べられない状態が続くと、体力低下やフレイルにつながるおそれがあります。一度にたくさん食べようとせず、回数を分けて少量ずつとる方法があります。冷奴や卵料理、牛乳、ヨーグルトなど、のどを通りやすくたんぱく質がとれる食品を組み合わせるとよいでしょう。食欲不振が長く続く場合は、かかりつけ医にご相談ください。
- エアコンが苦手ですが、つけたほうがよいですか?
-
厚生労働省のリーフレットに掲載された東京都監察医務院の調査(令和3年夏・東京都23区)では、屋内で亡くなった方のうち約9割がエアコンを使用していませんでした。冷えが気になる場合は、風が体に直接当たらないよう風向きを調整する、設定温度を上げて扇風機を併用するなどの工夫があります。環境省の資料では室温をほぼ28度前後に保つことがすすめられています。
- 夏バテと熱中症は違うものですか?
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夏バテは医学的な病名ではなく、夏の暑さによる食欲不振・だるさ・寝つきの悪さなどの不調をまとめた呼び方です。一方、熱中症は体温調節がうまくいかなくなって起こる健康障害で、緊急の対応が必要になることがあります。だるさや食欲不振に加えて、めまい・頭痛・吐き気・けいれんなどがある場合は熱中症を疑い、涼しい場所で体を冷やして医療機関にご相談ください。
- 夏の間、運動を休むとどうなりますか?
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動かない期間が続くと、筋肉量や体力が落ちやすくなります。とくにシニア世代では、数週間の活動量低下でも足腰の力が落ち、秋以降の転倒予防や介護予防の面で不利になることがあります。外を歩くのが難しい時期こそ、涼しい室内でできる運動に切り替えて、体を動かす習慣そのものを絶やさないことが大切です。
参考にした主なデータ・指針
- 厚生労働省「熱中症を防ぎましょう」(熱中症患者のおよそ半数が65歳以上の高齢者であること、こまめな水分補給と暑さを避ける方法について引用)
- 厚生労働省「高齢者のための熱中症対策」(1日1.2リットルの水分摂取の目安、体内の水分量の年代別割合、東京都監察医務院による令和3年夏の調査結果、エアコンのフィルター手入れの頻度について引用)
- 環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」(高齢者が熱中症にかかりやすい理由、高齢者の居室の室温・湿度、運動習慣と体温調節能力の関係、1日1回汗をかく運動、室温28度前後の目安、運動後30分以内の糖質・たんぱく質補給について引用)
まとめ|夏バテ予防は「涼しい室内で動き続ける」ことから
高齢者の夏バテ予防で鍵になるのは、暑さを避けながらも体を動かす習慣を手放さないことです。シニア世代は体内の水分量が少なく、暑さやのどの渇きを感じにくいという体の変化があります。だからこそ、感覚ではなく数字と習慣で補う工夫が力を発揮します。環境省の資料が示すとおり、日常的な運動習慣は体温調節能力の老化を遅らせる助けになると考えられています。夏に落ちた体力は自然には戻りません。涼しい室内での小さな運動の積み重ねが、秋以降の転倒予防や介護予防、そして健康寿命を延ばす力になります。
今日から始める夏バテ予防の習慣:
- エアコンを使い、室温は28度前後を目安に温度計で確認する
- 涼しい室内で「1日1回」体を動かす時間をつくる
- のどが渇く前に、1時間ごとにコップ1杯の水分をとる
- そうめんだけで済ませず、たんぱく質のおかずを1品足す
- 気になる変化が数日続くときは、かかりつけ医に相談する
夏バテに負けない体づくりはまちFitで無理なく続けましょう
「暑くて外に出られない」「一人だと運動が続かない」——そんな夏こそ、まちFitのような涼しい室内で体を動かせる場所が力になります。まちFitは、シニア世代が無理なく健康習慣を続けられるよう、専門スタッフがやさしくサポートする地域密着の健康スタジオです。椅子に座ったままできる運動から全身の体操まで、その日の体調に合わせて取り組めます。
- 空調の効いた室内で、暑さを気にせず体を動かせる
- 椅子や手すりを使った、運動初心者でも安心の内容
- 同年代の仲間との交流が生まれ、社会参加の効果も得られる
- 一人ひとりの体力や体調に合わせた無理のない指導

「夏の間に体力を落としたくない」「元気なうちに介護予防を始めたい」と思った今が、はじめどきです。体力維持や転倒予防、フレイル予防にもつながる習慣を、まちFitで一緒に育てていきましょう。
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