高齢者の手の震えの原因|受診の目安と生活習慣|60代シニア

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まちFit
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「最近、手の震えが気になる」「箸やコップを持つ手がふるえる」——高齢者やシニアの方、そのご家族から、こうしたご相談をよくいただきます。手の震え(振戦)の原因は一つではなく、緊張や寒さによる生理的なものから、本態性振戦やパーキンソン病といった病気が関わるものまでさまざまです。まずは「心配のいらない震え」と「受診を考えたい震え」を見分けることが大切です。この記事では、まちFit編集部が、公的機関や専門学会の情報をもとに、手の震えの主な原因と受診の目安、そして体力維持や転倒予防にもつながる日々の生活習慣を、60代・70代の方にもわかりやすく整理してお伝えします。
高齢者の手の震えとは?まず知っておきたい基本
手の震え(振戦)は、意思とは関係なく手や指がふるえてしまう状態のことです。年齢を重ねると気になる方が増えますが、そのすべてが病気というわけではありません。まずは「生理的なふるえ」と「病的なふるえ」の違いから見ていきましょう。
心配のいらない「生理的なふるえ」
人前で緊張したときや、寒いところにいるときに手がふるえるのは、多くの場合とくに問題のない生理的なふるえとされています。健康な方でも起こる一時的な反応で、原因が落ち着けば自然とおさまっていくのが一般的です。疲れがたまっているときや、睡眠が足りないときにも出やすくなります。
こうしたふるえは、体調を整えることで気になりにくくなることがあります。過度に不安になりすぎず、まずは自分の震えがどんなときに出るのかを観察してみることが、状態を知る第一歩になります。
注意したい「病的なふるえ」
一方で、コップや箸を使うときにふるえて中身がこぼれてしまう、字を書きにくい、じっとしているのに手がふるえるといった場合は、体の病気が関わっていることがあります。日常生活に支障が出るふるえや、だんだん強くなるふるえは、生理的なものと区別して考える必要があります。自己判断で放置せず、後述する受診の目安を参考に早めに相談することが、その後の安心と自立した生活につながります。
高齢者の手の震えの主な原因
手の震えには、いくつかのタイプと原因があります。専門的には、どんなときにふるえるかによって「安静時のふるえ」「姿勢を保つときのふるえ」「動作のときのふるえ」などに分けられます。ここでは代表的な原因を、日本神経学会の一般向け解説を参考に整理します。
緊張・寒さ・疲れなど一時的な要因
前述のとおり、緊張・寒さ・疲れ・睡眠不足などは、一時的な手の震えの背景になりやすい要因です。カフェインのとりすぎも、一時的なふるえに影響することがあるといわれています。こうした要因によるふるえは、原因が解消されればおさまることが多いとされています。
本態性振戦(姿勢を保つときのふるえ)
コップから飲もうとするときやテレビを観ているときなど、手や姿勢を保っているときに出やすいふるえは、本態性振戦であることが少なくないとされています。本態性振戦は、ふるえ以外の症状がないのが特徴で、ご家族に同じような方がいる場合もあります。症状が強く日常生活に支障が出るときは、治療の対象になることもあります。
パーキンソン病など神経の病気
じっとして手を膝に置いているときなど、安静にしているときに出るふるえ(安静時のふるえ)の代表的な病気として、パーキンソン病が知られています。また、動作の途中や目標に手を近づけるときに強くなるふるえは、小脳という部分の病気が関わっている可能性があります。いずれも専門的な診察が必要な状態です。
甲状腺の病気や薬の影響
手の震えは、脳や神経だけでなく、全身の状態が関係することもあります。たとえば甲状腺の働きが活発になりすぎる甲状腺機能亢進症では、振れ幅が小さく細かいふるえが出ることがあるとされています。このほか、服用しているお薬の影響でふるえが出ることもあるため、気になるときは自己判断で薬を中断せず、処方した医師や薬剤師に相談しましょう。
主な原因を整理すると、次のようになります。
- 一時的な要因:緊張・寒さ・疲れ・睡眠不足・カフェインのとりすぎなど
- 本態性振戦:姿勢を保つときに出やすく、ふるえ以外の症状がないことが多い
- 神経の病気:安静時のふるえが特徴のパーキンソン病、動作時に強くなる小脳系の病気など
- 全身の状態・薬:甲状腺機能亢進症、服用中の薬の影響など
こんな手の震えは早めに受診を|受診の目安
手の震えの中には、医療機関での診断・治療が必要なものがあります。「年のせいだから」と決めつけず、次のようなサインがあるときは、早めに専門の医師へ相談することをおすすめします。ここでの内容は診断ではなく、あくまで受診を考える目安としてご覧ください。
受診を考えたい震えのサイン
- じっとしているときに手や指がふるえる
- コップや箸を使うときにふるえて、こぼす・つかみにくいことが増えた
- 字が書きにくい、細かい作業がしづらくなった
- ふるえがだんだん強くなってきた、または片側の手だけに出る
- 歩きにくさ・動作の遅さ・手足のこわばりなど、ふるえ以外の変化もある
日本神経学会の解説でも、安静時・姿勢を保つとき・動作のときなどにふるえが認められる場合は、神経の病気の可能性があるため、脳神経内科を受診する必要があるとされています。生活に支障を感じるときは、我慢せずに相談することが大切です。
何科を受診すればよい?
手の震えについて専門的に診てもらえるのは、脳神経内科(神経内科)です。どこを受診すればよいか迷うときは、まずはかかりつけの医師に相談し、必要に応じて専門の医療機関を紹介してもらう流れでも構いません。受診の際は、いつから・どんなときにふるえるか、ほかに気になる症状はあるか、飲んでいる薬は何かをメモしておくと、診察がスムーズになります。
手の震えと上手に付き合う生活習慣
病気が背景にある場合は医療機関での対応が基本ですが、日々の生活習慣を整えることは、体調管理や体力維持の面で大切です。ここでご紹介するのは、手の震えそのものを解消するための方法ではなく、シニアが健やかに過ごすための一般的な健康習慣です。健康寿命を延ばし、介護予防やフレイル予防にもつながる観点から役立ちます。
体を動かす習慣を続ける
適度な運動は、筋力やバランス能力を保ち、体力維持や転倒予防につながる生活習慣です。厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023では、高齢者に対して、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上に相当)行うことに加え、筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を週3日以上、筋力トレーニングを週2〜3日行うことがすすめられています。まずは散歩や体操など、無理なく続けられるものから始めましょう。
同じガイドでは、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう注意することも大切だとされています。1時間に一度は立ち上がって体を動かすなど、こまめに動く工夫を取り入れてみましょう。運動習慣は、ロコモティブシンドロームの予防や自立した生活の維持にもつながります。


睡眠とストレスのケア
睡眠不足や疲れ、強い緊張は、一時的な手の震えが出やすくなる要因といわれています。夜はできるだけ決まった時間に休み、日中は日光を浴びて体を動かすなど、生活リズムを整えることが体調管理の基本です。深呼吸やゆったりした趣味の時間を持つなど、気持ちをほぐす工夫も、心身の緊張をやわらげる助けになります。
食事と嗜好品を見直す
バランスのよい食事は、筋肉や体力を保つための土台です。とくにたんぱく質は、筋肉の材料となる栄養素として、シニアの食事で意識したいポイントです。コーヒーやお茶などカフェインを含む飲み物は、とりすぎると一時的なふるえに影響することがあるといわれるため、量が多くなりすぎないよう気をつけるとよいでしょう。お酒との付き合い方も、体調に合わせて見直してみてください。

手指を動かす簡単な体操
手や指をやさしく動かす体操は、握力や手先の動かしやすさを保ち、気分転換にもなる身近な健康習慣です。ふるえそのものを解消するものではありませんが、無理のない範囲で毎日の習慣に取り入れてみましょう。痛みがあるときや体調がすぐれないときは中止し、心配な症状があるときは医師に相談してください。
グーパー運動
手をしっかり握って「グー」、次に指をいっぱいに広げて「パー」を、ゆっくり繰り返します。左右の手で10回ほどを目安に、朝晩など気づいたときに行いましょう。握る・開くを意識することで、手のひらや指の血のめぐりを感じやすくなります。
指の曲げ伸ばし
親指から小指まで、一本ずつゆっくり曲げて伸ばします。反対の手で軽くサポートしながら行うと、動かしにくい指も無理なく動かせます。テレビを観ながらでもできるので、すきま時間の習慣にしやすい体操です。
手首まわし
両手の指を軽く組み、手首をゆっくり内回し・外回しにまわします。各方向5回ずつを目安に、呼吸を止めずに行いましょう。手首や前腕をやさしくほぐすことで、手を使う動作が軽く感じられることがあります。
手や体を動かす習慣について、あわせて次の記事も参考になります。


よくある質問
- 手の震えは年齢のせいなので、あきらめるしかないのでしょうか?
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手の震えの原因はさまざまで、年齢だけが理由とは限りません。緊張や疲れによる一時的なものもあれば、病気が関わっている場合もあります。生活習慣を整えて体調を管理することはできますが、気になる震えが続くときは自己判断せず、医療機関へ相談することをおすすめします。
- どんな手の震えなら病院に行ったほうがよいですか?
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じっとしているときにふるえる、コップや箸を使うときにこぼしてしまう、字が書きにくい、ふるえがだんだん強くなるといった場合は、受診を検討する目安とされています。日常生活に支障を感じるときは、早めに脳神経内科などへ相談しましょう。
- 手の震えは何科を受診すればよいですか?
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手の震えを専門的に診てもらえるのは脳神経内科(神経内科)です。迷うときは、まずかかりつけの医師に相談し、必要に応じて専門の医療機関を紹介してもらう方法もあります。受診時は、いつから・どんなときに震えるかを伝えられるようメモしておくと安心です。
- 緊張したときだけ手が震えるのは問題ありますか?
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人前での緊張時や寒いときに一時的に手が震えるのは、多くの場合とくに問題のない生理的なふるえとされています。ただし、震える頻度が増えてきた、じっとしていても震える、日常生活に支障があるといった変化があるときは、念のため受診をご検討ください。
- 手指の体操をすれば手の震えはなくなりますか?
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手指の体操は、握力や手の動かしやすさを保ち、気分転換にもなる健康習慣ですが、手の震えそのものを解消するとお約束できるものではありません。病気が原因の震えには、医療機関での専門的な対応が必要です。体操は無理のない範囲で、体調管理の一つとして取り入れましょう。
- カフェインや睡眠不足は手の震えに関係しますか?
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カフェインのとりすぎや睡眠不足、疲れは、一時的な手の震えに影響することがあるといわれています。コーヒーやお茶の量が多くなりすぎないよう気をつけ、十分な睡眠と規則正しい生活リズムを心がけることが、体調管理につながります。
参考にした主なデータ・指針
- 日本神経学会「(症状編)ふるえ、かってに手足や体が動いてしまう」(緊張時・寒冷時のふるえは問題ないとの記述、静止時と姿勢時のふるえの違い、本態性振戦は「ふるえ以外の症状はありません」との記述、企図時・動作時のふるえと小脳系疾患、甲状腺機能亢進症の「振幅の狭い、頻度の高いふるえ」、脳神経内科の受診の目安について引用)
- 厚生労働省・e-ヘルスネット「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨シート(高齢者版)」(高齢者の身体活動の目安=歩行1日40分以上・1日約6,000歩以上、多要素な運動を週3日以上、筋力トレーニングを週2〜3日、座りすぎへの注意について引用)
まとめ|気になる手の震えは、見分けと相談を大切に
高齢者の手の震えは、緊張や寒さによる生理的なものから、本態性振戦やパーキンソン病などの病気が関わるものまでさまざまです。心配のいらない震えと、受診を考えたい震えを見分け、気になるときは早めに脳神経内科へ相談することが安心につながります。あわせて、体を動かす習慣や十分な睡眠、バランスのよい食事を整えることは、体力維持や転倒予防、フレイル予防につながり、健康寿命を延ばして自立した生活を支える土台になります。
今日から始める手の震えとの向き合い方:
- まず観察する:いつ・どんなときに震えるかをメモして、状態を知る
- 気になる震えは相談する:生活に支障があるときは脳神経内科などへ
- 体を動かす:無理のない運動や手指の体操を毎日の習慣に
- 生活を整える:睡眠・食事・カフェインの量を見直し、体調を管理する
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