60代の睡眠改善方法|疲れが取れない夜の習慣を見直す

この記事を書いた人

まちFit
スタジオ運営責任者
東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
60〜80代の会員様と日々向き合う中で得た現場知識をもとに、無理なく続けられる健康習慣を発信しています。
「よく寝たはずなのに翌朝も疲れている」「夜中に何度も目が覚める」「朝早く目が覚めてしまう」「昼間に強い眠気が来る」――こうした睡眠の悩みは60代以降に急増します。
睡眠の変化は「年齢のせい」と片付けられがちですが、睡眠の質は正しい習慣で大きく改善できます。特に「疲れが取れない」という状態は、睡眠の量ではなく質の問題です。
この記事では、60代に起こりやすい睡眠の変化のメカニズムから、今日から取り組める睡眠改善習慣まで、科学的根拠とともに解説します。
この記事でわかること
- 60代の睡眠が変化する4つのメカニズム
- 深い眠りを増やすための具体的な習慣
- 就寝前にやってはいけないNG行動
- 日中の過ごし方が睡眠を決める理由
- 眠れないときの対処法
60代の睡眠が変化する4つのメカニズム
① 深いノンレム睡眠(徐波睡眠)が減少する
睡眠は「浅い眠り(レム睡眠)」と「深い眠り(ノンレム睡眠)」を繰り返します。体の修復・成長ホルモンの分泌・免疫力の回復は「深いノンレム睡眠」の時間帯に集中して行われます。
加齢とともにこの深い眠りの時間が減少し、睡眠時間が十分でも体の回復が追いつかない「疲れが取れない睡眠」になります。
参考データ
深いノンレム睡眠(徐波睡眠)は20代を基準とすると、60代では約50〜60%減少するとされています。この変化は「8時間寝ても疲れが取れない」「すぐ目が覚める」という形で現れます。(参考:国立精神・神経医療研究センター)
② 体内時計が早まり、夜型から朝型に変わる
加齢とともに体内時計が前倒しになり、「早く眠くなる→早く目が覚める」パターンが強まります。夜9〜10時に眠くなり、朝4〜5時に目が覚めるというのは60代以降の自然な変化です。無理に夜更かしすると睡眠の質が低下します。
③ メラトニン分泌量が低下する
「眠りのホルモン」と呼ばれるメラトニンは、暗くなると分泌されて眠気を誘発します。加齢とともにメラトニンの分泌量が低下し、「夜になっても眠れない」「眠りが浅い」という状態になりやすくなります。
④ 自律神経の切り替えが遅くなる
日中の活動モード(交感神経優位)から就寝の休息モード(副交感神経優位)への切り替えが遅くなります。「布団に入っても頭が冴えている」「体は疲れているのに眠れない」という状態の主な原因です。

深い眠りを増やす日中の過ごし方
① 朝の日光を浴びる(最重要)
起床後30分以内に日光を浴びることが、その日の夜のメラトニン分泌を高める最も重要な習慣です。目から入る光が体内時計をリセットし、「夜に自然と眠くなる」リズムが整います。曇りの日でも屋外の光は室内の数十倍の照度があるため、外に出ることが大切です。
② 日中に適度な有酸素運動を行う
適度な運動は体温を上昇させ、就寝時の体温低下(深い眠りのトリガー)を促します。ウォーキング・軽い体操を日中に行うことで、夜の深い眠りが得やすくなります。ただし就寝3時間以内の激しい運動は交感神経を刺激するため逆効果です。
③ 昼寝は15〜20分以内にする
昼寝は疲労回復に効果的ですが、30分以上の昼寝は深い眠りに入ってしまい、夜の睡眠に悪影響を与えます。「15〜20分の昼寝」を「午後3時まで」に行うことが理想です。
④ 夕方以降のカフェインを避ける
コーヒー・緑茶・紅茶・チョコレートに含まれるカフェインは、摂取後5〜6時間効果が続きます。午後3時以降はカフェインを含む飲食物を避けることで、夜の眠りが深くなります。
深い眠りを増やす就寝前の習慣
① ぬるめの入浴(38〜40℃・15〜20分)
深い眠りのトリガーは「体温の低下」です。ぬるめのお風呂(38〜40℃)に15〜20分浸かると、入浴後1〜2時間で体温が急激に低下し、自然な眠気が促されます。就寝の1〜2時間前に入浴するのが最も効果的なタイミングです。
熱いお湯(42℃以上)は交感神経を刺激してしまうため、眠りが浅くなる可能性があります。
② スマホ・テレビの画面を就寝1時間前に終える
スマホ・タブレット・テレビの画面から出るブルーライトはメラトニンの分泌を抑制します。就寝1時間前から画面を見ることを避け、読書・音楽・軽いストレッチなど画面を使わない時間を作ることが重要です。
③ 寝室の環境を整える
- 室温:18〜22℃(深い眠りに最適な温度帯)
- 湿度:50〜60%(乾燥しすぎず蒸れすぎない)
- 暗さ:できるだけ遮光する(光は睡眠を妨げる)
- 音:静かな環境(必要に応じてイヤープラグや耳栓を活用)
④ 就寝前のリラックスルーティンを作る
- 軽いストレッチ(5〜10分)
- 腹式深呼吸(3〜5回)
- 好きな音楽を小音量で聴く
- 軽い読書(刺激の少い内容)
就寝前にやってはいけないNG行動
- 就寝直前の激しい運動(交感神経が活性化する)
- アルコールを「眠れるから」と飲む(眠りが浅くなる・夜中に目が覚める)
- 就寝前に水をたくさん飲む(夜中のトイレで目が覚める)
- 就寝前に激しく悩む・考え込む(ベッドで思考を走らせない)
- 眠れないのに無理に布団で横になり続ける(床上不安が悪化する)
眠れないときの対処法
20分経っても眠れない場合
「眠れない」と焦ることで交感神経がさらに活性化し、ますます眠れなくなります。20分経っても眠れない場合は一度布団から出て、暗い部屋でリラックスできることをしてください(読書・音楽など)。眠気が来てから再び布団に入る方が、入眠しやすくなります。
夜中に目が覚めた場合
60代以降は夜中に目が覚めることは自然な変化です。「また目が覚めた」と焦らず、リラックスして再び眠れるかどうか待ってみてください。スマホを見ることが最も逆効果です。

60代の睡眠の「正しい期待値」を知る
睡眠改善に取り組む前に、60代の「正常な睡眠の範囲」を理解することが大切です。「これは改善すべき問題か、それとも自然な変化か」を正しく判断することで、無駄な不安を減らせます。
60代以降に「正常な変化」として起こること
- 就寝時刻が早まり、早く目が覚めるようになる(体内時計の前倒し)
- 夜中に1〜2回目が覚める(深い眠りが減るため)
- 睡眠時間が6〜7時間に短くなる(若いころより短くなることは自然)
- 昼間に眠気が来やすくなる
改善が必要な睡眠の問題
- 布団に入っても30分以上眠れない状態が1ヶ月以上続く
- 日中の眠気で日常生活に支障が出ている
- 朝起きても疲れが全く取れない状態が長期間続く
睡眠改善を助けるグッズ・環境整備
マットレス・枕の見直し
硬すぎるマットレスは腰に・柔らかすぎるマットレスは腰が沈みすぎて体の回復を妨げます。「横になって3〜5分で違和感が出ないか」が目安です。枕は「首が自然なS字カーブを保てる高さ」が理想です。
室温・湿度の管理
- 夏:冷房を26〜28℃に設定し、直接風が当たらないようにする
- 冬:暖房は就寝前に止め、布団の保温性で温度を保つ
- 年間通じて湿度50〜60%を目標にする(加湿器・除湿器を活用)
光の管理
- 遮光カーテンを使い、外からの光を遮断する
- 夜間のトイレ時は強い照明をつけない(廊下の足元灯を活用)
睡眠と運動の深い関係
日中の適度な有酸素運動は、夜の深い眠り(ノンレム睡眠)を増やす最も効果的な方法のひとつです。まちFitのレッスンのような有酸素運動を週3〜4回行っている方は、行っていない方と比べて入眠時間が短く・睡眠の質が高いという報告があります。
「眠れないから運動できない」という方は、まず「少しでも動く→少し眠れる→もっと動ける」という好循環を作ることを意識してください。
よくある質問(FAQ)
- 何時間眠れば十分ですか?
-
60代以降の平均的な睡眠時間は6〜7時間です。7〜8時間が理想とされていますが、時間より「目覚めたときの爽快感」が重要な指標です。7時間眠っても疲れが取れない場合は、睡眠の質の改善を優先してください。
- 睡眠薬・市販の睡眠改善薬を使っても大丈夫ですか?
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短期的な使用であれば選択肢のひとつです。ただし市販薬・処方薬は根本的な改善ではなく対症療法です。生活習慣の改善と並行して取り組むことをおすすめします。2週間以上改善しない場合は医師への相談を検討してください。
- 昼寝は毎日してもいいですか?
-
15〜20分・午後3時までの昼寝であれば毎日しても問題ありません。ただし長すぎる昼寝(30分以上)や遅い時間(午後3時以降)の昼寝は夜の睡眠を妨げる可能性があります。
まとめ|60代の睡眠改善は「日中の過ごし方」から始める
60代の睡眠改善で最も効果的なアプローチは「就寝前の習慣」と同時に「日中の過ごし方」を整えることです。朝の日光・日中の適度な運動・ぬるめの入浴・画面の早めの終了という4つを組み合わせるだけで、多くの方が「疲れの取れる睡眠」を実感できます。
今日から始める睡眠改善の4ステップ:
- 朝起きたら30分以内に外の光を浴びる
- 日中にウォーキングや体操を行う
- 就寝1〜2時間前にぬるめの入浴をする
- 就寝1時間前からスマホ・テレビを終える
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「睡眠が改善されない」「日中の疲れがひどい」という方に、まちFitのレッスンが効果的な理由のひとつが「日中の適度な運動」です。
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