フレイルとは何か?高齢者の虚弱を防ぐ運動・食事・社会参加

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まちFit
スタジオ運営責任者
東京・神奈川でシニア向け健康スタジオ「まちFit」を運営。
60〜80代の会員様と日々向き合う中で得た現場知識をもとに、無理なく続けられる健康習慣を発信しています。
「フレイル」という言葉を耳にしたことはありますか?近年、介護予防の分野で最も注目されているこの概念は、高齢者が「健康な状態」から「要介護状態」へと移行する前の重要なサインを指します。
フレイルは早期に発見・対策することで「健康な状態に戻ること」ができます。しかし気づかずに放置すると、要介護状態への移行が加速します。
この記事では、フレイルの定義・チェック方法・原因・具体的な改善対策を詳しく解説します。
この記事でわかること
- フレイルとは何か(定義・3つの段階)
- フレイルの5つのチェック項目
- フレイルになる主な原因
- フレイルを改善・予防する「3つの柱」
- フレイルと健康寿命・介護予防の関係
フレイルとは何か
定義と語源
フレイル(Frailty)とは、英語で「虚弱・脆弱」を意味し、高齢者が筋力・活動量・体重・疲労感・歩行速度などの機能が低下した状態を指します。日本では国立長寿医療研究センターが中心となって概念を広め、2014年以降は日本老年医学会が公式に使用しています。
フレイルの3つの段階
① 健康な状態
身体機能・認知機能・社会活動が維持されており、日常生活を自立して送れている状態。
② フレイル(虚弱)
健康な状態と要介護状態の「中間」にあたる状態。適切な介入によって健康な状態に戻れる可能性がある重要な時期。
③ 要介護状態
日常生活に継続的な介護・支援が必要な状態。フレイルを放置すると進行する。
参考データ
厚生労働省の調査によると、地域在住の65歳以上高齢者のうち、フレイルに該当するのは約10〜20%、プレフレイル(フレイルになりかけの状態)は約40〜50%と推計されています。つまり65歳以上の約半数以上がフレイルまたはその予備軍と言えます。(参考:厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業」)
フレイルの5つのチェック項目
フレイルは以下の5項目で評価されます(Friedの基準)。3項目以上当てはまる場合はフレイル、1〜2項目当てはまる場合はプレフレイルとされます。
- ① 体重減少:意図せず1年間で2〜3kg以上体重が減った
- ② 疲れやすい:何をするにも疲れた・気力がわかないと週3〜4日以上感じる
- ③ 歩行速度の低下:歩く速度が遅くなった(1m/秒以下が目安)
- ④ 握力の低下:ペットボトルのふたが開けにくくなった(男性26kg未満・女性18kg未満)
- ⑤ 活動量の低下:軽い運動や体操をほとんどしていない
「3つ以上当てはまる」方はフレイルの可能性があります。「1〜2つ当てはまる」方はプレフレイルとして早めの対策が推奨されます。
フレイルになる主な原因
① 身体的フレイル:筋肉量の低下(サルコペニア)
フレイルの核心にあるのが筋肉量の低下です。サルコペニア(加齢性筋肉減弱症)が進行すると、立つ・歩く・バランスを保つという基本動作が困難になります。
② 精神・心理的フレイル:うつ・認知機能の低下
喪失体験(配偶者の死・定年退職・体力低下)を重ねることで、気力・意欲が低下し、活動量がさらに減るという悪循環が生まれます。
③ 社会的フレイル:孤立・社会参加の低下
一人暮らし・外出の減少・友人との交流の消失などによる「社会的な孤立」は、フレイルを大幅に加速させます。社会的つながりを失うことが、身体的なフレイルより先行するケースも多いとされています。

フレイルを改善・予防する3つの柱
①:運動(身体的フレイルへの最有効手段)
フレイル改善に最も効果的なのは「筋力トレーニング+有酸素運動」の組み合わせです。特に太もも・お尻・体幹の筋力強化が優先されます。
推奨する運動プログラム:
- 筋力トレーニング:週2〜3回・椅子スクワット・かかと上げ・片足立ちを中心に
- 有酸素運動:週3〜5回・20〜30分のウォーキングまたは室内足踏み
- バランストレーニング:毎日・片足立ち1分×左右(フレイル改善に特に有効)
②:栄養(筋肉・免疫・エネルギーを守る)
フレイルの方の多くがたんぱく質不足・食事量の低下を抱えています。栄養改善は運動と並ぶフレイル対策の必須要素です。
フレイル予防の栄養ポイント:
- たんぱく質:体重1kgあたり1.0〜1.5g/日を目標に毎食均等に摂る
- カルシウム:骨粗しょう症予防のために牛乳・乳製品・小魚を毎日
- ビタミンD:カルシウム吸収を高めるきのこ類・鮭・日光浴
- エネルギー不足を防ぐ:体重が減り続けている場合はご飯・パンなど炭水化物も適切に

③:社会参加(精神・社会的フレイルへのアプローチ)
社会参加はフレイル予防において運動・栄養と並ぶ第3の柱です。週1回以上、何らかの社会活動(地域のサロン・スポーツクラブ・ボランティア・趣味の会)に参加することが推奨されています。
まちFitのようなグループレッスンは「運動(柱①)+社会参加(柱③)」を同時に実現できる最も効率的なフレイル対策のひとつです。
- 週2〜3回のグループレッスン参加で、運動習慣と社会参加を同時に確保できる
- 「仲間がいる」という安心感が気力・意欲の維持につながる
- 「また来週会おう」という予定が生活リズムを整える

フレイルと健康寿命・介護予防の深い関係
フレイルは「要介護状態への移行の前段階」として位置づけられています。フレイルを早期に発見して対策することが、健康寿命の延伸・介護予防の最も直接的なアプローチです。
参考データ
フレイルの段階で適切な介入(運動・栄養・社会参加)を行った場合、健康な状態に戻れる確率は約50〜60%とされています。一方、フレイルを放置すると2〜3年で要介護状態に移行するリスクが健康な高齢者と比べて3〜5倍高まります。(参考:国立長寿医療研究センター)
フレイルの段階ごとの具体的な対策
プレフレイル(チェック1〜2個)への対策
プレフレイルの段階は「まだ健康に戻れる可能性が最も高い時期」です。この段階で運動習慣を作ることが最も費用対効果が高い介入です。
- 週2〜3回の椅子スクワット・かかと上げから始める
- 毎食にたんぱく質を1品追加する
- 週1回は地域活動・スポーツクラブなどに参加する
フレイル(チェック3個以上)への対策
フレイルの段階では、できれば医療専門家(かかりつけ医・リハビリ専門家)と相談しながら対策を進めることをおすすめします。
- まずかかりつけ医に相談し、フレイルの原因(サルコペニア・栄養不足・うつなど)を特定する
- 地域包括支援センターへの相談で、介護予防サービスの案内を受ける
- 椅子中心のやさしい運動から少しずつ活動量を増やす
フレイル予防に取り組む地域全体の動き
フレイル予防は個人の取り組みだけでなく、地域全体で支える仕組みが重要です。
厚生労働省は「フレイル対策の推進」を「健康日本21(第三次)」の重要施策として位置づけており、市区町村レベルでのフレイルチェック事業・介護予防教室の拡充が進んでいます。
- 地域包括支援センターのフレイルチェック事業を活用する
- 地域の介護予防教室・シニアサロンに参加する
- まちFitのような民間のシニア特化施設を活用する
「一人で頑張る」ではなく「地域の仕組みと専門施設をうまく組み合わせる」ことが、フレイル予防を長期的に続けるための賢いアプローチです。
よくある質問(FAQ)
- フレイルとロコモティブシンドロームの違いは何ですか?
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ロコモは「運動器(骨・筋肉・関節)の問題による移動機能の低下」に特化した概念で、主に整形外科的な視点から定義されます。フレイルは「身体的・精神的・社会的な機能の低下した虚弱状態」をより広く指す概念です。ロコモはフレイルの身体的側面の一部と考えることができます。
- フレイルになったら改善できますか?
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はい、適切な介入によってフレイルから健康な状態に戻れる可能性は十分あります。フレイルは要介護状態とは異なり、可逆的(回復できる)な段階です。早期発見・早期対策が鍵となります。
- フレイル予防は何歳から始めるべきですか?
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プレフレイルの段階(チェック項目が1〜2つ当てはまる状態)から対策を始めることが最も効果的です。60代のうちに気づいて対策を始めれば、70代・80代での健康な状態の維持に大きく貢献します。
まとめ|フレイルは「早期発見・3つの柱で対策」が鍵
フレイルは健康な状態と要介護状態の「中間」にあります。5つのチェック項目で自分の状態を確認し、当てはまる項目があればすぐに対策を始めることが重要です。
運動・栄養・社会参加という3つの柱を組み合わせることで、フレイルから健康な状態に戻り、健康寿命を延ばすことは60代・70代でも十分に可能です。
今日から始めるフレイル予防の3ステップ:
- 5つのチェックリストで現在の状態を確認する
- 週3回・椅子スクワット+片足立ちから運動を始める
- 毎食にたんぱく質を1品追加・週1回以上は仲間と会う
フレイル予防をまちFitで始めませんか
「フレイルが心配」「体力低下を止めたい」「仲間と一緒に元気を取り戻したい」そんな方に、まちFitは最適な場所です。
まちFitでは、60〜70代の女性を中心に、運動初心者でも安心して取り組めるレッスンを提供しています。
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